時刻表

2021年9月15日 (水)

ルクセンブルクの鉄道時刻表

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CFL公式時刻表 表紙
1988年夏版
 

ベネルクス三国の一つ、ルクセンブルクの面積は2,586平方km、神奈川県(2,416平方km)をやや上回る程度の小国だ。領内には275kmの鉄道路線網(下注)があり、ルクセンブルク国鉄 Société nationale des chemins de fer luxembourgeois、略称 CFL がその運営を一手に担っている。

*注 2021年9月現在。ただしCFLが運行していない2017年12月に開業した首都ルクセンブルク市のトラムなどは含まない。

1980年代にこの国を旅した際に、ルクセンブルク駅のキオスクで公式時刻表 Indicateur officiel を買ったことがある。当時のメモによればバスの時刻表は別にあったらしく、これは列車の時刻と、巻末にモーゼル川の遊覧船の時刻だけを収録した冊子だ。表紙に、夏の時刻表 Horaire d'été、88年5月29日~9月24日と有効期間が記されている。

ページ構成は次のとおり。


10~24ページ 時刻表の読み方 Conseils pour la lecture de l'indicateur
25~37ページ 旅のヒント Conseils pour vos voyages
37~40ページ 駅名索引 Nomenclature des gares
41~45ページ 優等列車の編成表 Tableau des voitures directes

時刻表 Horaires
50~147ページ 主な国際連絡 Principales relations internationales
149~152ページ 簡易寝台連結のカートレイン Trains autos-couchettes
154~200ページ CFL国内路線 Lignes intérieures CFL


他国の時刻表に比べて、国際連絡のボリュームが大きいのが特徴だ。国内路線の47ページに対して、国際連絡は98ページと2倍の厚みがある。国内の路線数からすれば当然かもしれないが、政治・経済・観光など様々な分野で、近隣諸国との間に頻繁な往来があることの表れとも言えるだろう。

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同 時刻表の一部
(左)しおりに印刷された目次
   色付きの囲みは用紙の色を示す
(右)国内路線図
 

目次にも表示されているが、時刻表ページは方面別に用紙の色を変えるというていねいな造りだ。赤のベルギー方面はアムステルダムやオーステンデまで、緑のドイツ方面はベルリンやウィーンまで、青のフランス方面は遠くスイス、イタリア、スペインの諸都市までの列車時刻が見られる。しかも直通列車だけでなく、乗り継ぎ便も含めた総合案内になっている。

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同 国際連絡時刻表(ベルギー以遠)の一部
 

ルクセンブルク空港には国際線の旅客機しか発着しない、という話題がトリビア的に語られることがあるが(空港が国内に一つしかないため)、CFLの時刻表もそれに近いかもしれない。

では現在、列車時刻表はCFLの公式サイトでどのように提供されているだろうか。英語版サイトで確かめておこう。

1.条件指定による列車検索

CFL(英語版)
https://www.cfl.lu/en-gb/

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初期画面での列車検索
 

発着駅と日時の条件に適合する列車を表示する機能は、トップページの右側に表示されている。

出発駅、到着駅、日時、着/発などを設定して、その時刻以降に発車/到着する列車を検索できる。入力する駅名は正確でなくても、ドロップダウンリストに表示される候補から選択すればよい。

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列車検索の結果表示
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

テーブル形式の時刻表は、PDFファイルでダウンロードできる。

CFL(英語版)-時刻表
https://www.cfl.lu/en-gb/timetable

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"Timetables" の初期画面
 

時刻表のページで最初に表示されるのは、トップページの列車検索で "Advanced search(詳細検索)" を選択したときと同じ画面だ。それを下へスクロールしていくと、"Pocket timetables(ポケット時刻表)" のタイトルが現れる。ここに路線(系統)別時刻表PDFへリンクがある。内容は、駅の窓口などによく置いてある無料の折り畳み式時刻表そのものだ。

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上の画面の続きにある時刻表ダウンロードの部分
 

 

上のタブを "International(国際線)" に切り替えれば、冊子時刻表で見たような、国境を越えて走る国際列車の時刻表が取得できる。

これらの画面には、系統ごとに起終点と主要経由地が記されているが、行きたい駅の名がその中になければ、やはり路線(系統)図が必要だ。インタラクティブ方式の路線図が次のURLにある。

CFL(英語版)-路線網と駅
https://www.cfl.lu/en-gb/network

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インタラクティブ路線図
 

左側のフィルター欄にある各系統番号にカーソルを当てると、経由する全駅名のリストが赤字で表示される。各駅名をクリック/タップすると、画面が当該駅に関する情報に切り替わる。

また、各系統のチェックマークを入れる(クリック/タップする)と、右の地図にその系統の路線図が表示される。赤色のピンは駅を表しており、カーソルを置くと駅名が現れる。

携行用に固定グラフィックによる路線図もあるといいが、公式サイトでは見つからなかった。参考までにウィキメディア・コモンズに収載されている路線図のリンクを掲げておこう。個人の作品のようだが、方面別に色分けされていて、CFLの旅客路線網の全体像がよくわかる。

■参考サイト
Wikimedia Commons - Rail Map Luxemburg.png
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rail_Map_Luxemburg.png

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Image by Shimanto1 at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
 

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2021年8月23日 (月)

ベルギーの鉄道時刻表

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ベルギー国鉄公式時刻表 表紙1987/88年版
 

フランス語でベルギー国鉄は SNCB、フルネームで Société nationale des chemins de fer belges(ベルギー鉄道国有会社の意)だ。その belges(ベルギーの)を français(フランスの)に入れ替えれば、フランス国鉄の名称 SNCF になる(下注)。

*注 会社の設立は SNCBが早くて1926年、SNCFは1938年。

ベルギーの南半分、ワロン地方 Wallonie の大部分はフランス語圏で、隣国フランスの影響を多かれ少なかれ受けてきた。ベルギー国鉄の公式時刻表の構成がSNCFの流儀に倣っているように見えるのは、その一例かもしれない。

手元にある1987/88年版の目次は以下のとおり。


2~5ページ 新着情報 Nouveau
6~68ページ 案内全般 Tout ce qu'il faut savoir sur
69~382ページ 1001の接続 Les 1001 relations
383~744ページ 国内列車時刻表 Horaires des trains intérieurs


明らかに「1001の接続」と「国内列車時刻表」のページ数が拮抗している。「国内列車時刻表」はいうまでもなく、線区ごとのテーブルになった時刻表だが、「1001の接続」とは何だろうか。

鉄道旅行者にとってまず知りたい情報は、列車が最寄り駅をいつ発車し、目的の駅にいつ着くかだ。この表では、ある駅から目的の駅に行く列車の発車時刻、到着時刻と所要時間が、始発から終列車まで羅列されている。直通列車ではない場合は、乗換駅と乗換時分の記載もある。要するに、主要駅からの接続列車時刻表だ。

なお、1001 (mille et une) は、千一夜物語に由来する「きわめて多くの」という意味の慣用表現であり、具体的な項目数ではない。

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「1001の接続」の記載例
 

例として、ブリュッセル南駅 Brussel-Zuid/Bruxelles-Midi の段を見てみよう(上の写真はその一部)。行先がアルファベット順に、アーヘン中央駅 Aachen-Hbf(ドイツ)からゾッテヘム Zottegem まで64件挙がっている。アーヘン行きの場合、6時48分発のケルン行きICが朝一番で、その後7時48分発、9時48分発と続き、最終は22時34分発の国際列車であることがわかる。

また、次のアールスト Aalst 行きのように、等時隔ダイヤになる時間帯は「時」の記載を省いて「分」だけにすることで、記述を1~2行にまとめてページ数を圧縮している。

こうした記載方式は、フランスSNCFの時刻表「ヴィル・ア・ヴィル Ville à ville(町から町への意)」と同じだ。SNCFの場合、駅の売店に置かれているのはもっぱら「ヴィル・ア・ヴィル」で、テーブル形式の全国時刻表は業務用の扱いだった。ベルギー国鉄の場合は、1冊の中でこのフランス式と通常の時刻表が二本立てになっていたのだ(下注)。

*注 「1001の接続」の中扉のタイトルは "1001 relations de ville à ville(町から町への1001の接続)" になっている。

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国内列車時刻表は通常のテーブル形式
 

「ヴィル・ア・ヴィル」は、列車の運行計画を利用者目線に立って配列し直している。今や各国の鉄道会社のウェブサイトに標準装備されるようになった「条件指定による時刻検索ツール」も、この機能を発展させたものに他ならない。

ベルギー国鉄の冊子時刻表がいつごろまで刊行されていたのかは定かでないが、少なくとも現在はウェブサイトに移行しているようだ。公式サイトで、時刻表検索とダウンロードの方法を見ておこう。

なお、ベルギー国鉄のサイトは英語と、ベルギーの公用語であるオランダ語、フランス語、ドイツ語の4か国語版が用意されているが、詳細ページに進むと、主要公用語のオランダ語とフランス語のみになることがしばしばある。

(掲載のURLや画像は、2021年8月現在のものである)

1.条件指定による列車検索

発着駅と日時の条件に適合する列車を表示する機能は、トップページの左側を占めている。英語版のサンプル画面を下に掲げる。

SNCB公式サイト(英語版)
https://www.belgiantrain.be/en

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初期画面での列車検索
 

出発駅、到着駅、日時、着/発などを設定して、その時刻以降に発車/到着する列車を検索できる。入力する駅名は正確でなくても、ドロップダウンリストに表示される候補から選択すればよい。ベルギーの地名は各国語で綴りが異なる場合がある(下注)が、おおむね対応しているようだ。

*注 例えば、ブリュッセルは英 Brussels 仏 Bruxelles 蘭 Brussel、アントウェルペン(アントワープ)は英 Antwerp 仏 Anvers 蘭 Antwerpen、ヘント(ゲント)は英 Ghent 仏 Gand 蘭 Gent、ブルッヘ(ブルージュ)は英 Bruges 仏 Bruges 蘭 Brugge など。

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列車検索の結果表示
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

テーブル形式の時刻表は「時刻表リーフレット Timetable leaflet」という名称で案内されている。駅のインフォメーションなどで見かける路線別のミニ冊子のイメージだ。

SNCB(英語版)-時刻表リーフレット
https://www.belgiantrain.be/en/travel-info/prepare-for-your-journey/leaflets
または、
トップページ(英語版)https://www.belgiantrain.be/en/
右上隅のメニューから、Travel Information > Prepare for your journey > timetable leaflets and network map

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時刻表リーフレットの選択
 

最上段に「map of the network(路線ネットワーク地図)」がある。路線の時刻表番号を知るために、まずダウンロードしておきたい。

リーフレットは何種類かある。


InterCity leaflets:インターシティ(IC)の運行系統別時刻表

Line leaflets:路線別時刻表
 ベルギー国鉄が運行しているIC、Sトレイン、Pトレイン、Lトレイン(下注)など全旅客列車の時刻が掲載されている。ベルギー国鉄の運行ではないユーロスター Eurostar、タリス Thalys、ICEなどは含まれない。

S Train Brochures:Sトレインの運行系統別時刻表

Personal timetable leaflet:オーダーメイドの時刻表

*注 Sトレインは、主要都市と周辺地域を結ぶ原則等時隔運行の通勤通学列車で、Sは Suburban の意。
   Pトレインは、朝夕の混雑時に増発運行されている通勤通学列車で、Pは Peak time の意。
   Lトレインは、その他のローカル列車で、Lは Local の意。


リーフレットの種類を選択すると、次はPDFファイルのダウンロード画面だが、残念ながらフランス語とオランダ語しかない。例として、フランス語の路線別時刻表 Line leaflets/Brochures de ligne の画面を示した。

最初の2本のPDFは全線を1ファイルにまとめた時刻表で、上が平日用(祝日を除く月~金曜)、下が休日用(土曜・日曜・祝日)だ。それに続いて路線別のファイルが並んでいる。

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路線別時刻表のダウンロード

上記で取得できる時刻表は現行のものだが、個人サイトで、過年度版の時刻表ファイル(ベルギー国鉄およびルクセンブルク国鉄)が入手できる。

Beluxtrains - Old timetables list
https://www.beluxtrains.net/indexen.php?page=timetables

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 オランダの鉄道時刻表
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2021年8月17日 (火)

オランダの鉄道時刻表

書棚に並べてもすぐわかる黄色(と青色)をあしらった表紙が、オランダ鉄道 NS (Nederlandse Spoorwegen) の冊子時刻表 Spoorboekje だ。もちろんこれはNSのシンボルカラーで、電車の塗色も基本的にこの2色がアレンジされている。

手元に1988/89年版と2000/01年版の時刻表がある。横14cm×縦21cm(A5判相当)のサイズで、デンマークやベルギー、そしてフランスの「ヴィル・ア・ヴィル Ville à ville」などでも使われていた一般的な判型だ。1988/89年版は、添付地図裏面の一部を含めて742ページある。対して2000/01年版は、主要駅案内や国際路線の時刻表などが追加されて968ページと、3割ほどボリュームが増えている。

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NS公式時刻表 表紙
(左)1988/89年版 (右)2000/01年版
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同 1988/89年版の内容の一部
 

鉄道旅行情報を提供している Treinreiziger.nl によれば、オランダで冊子体の時刻表が初めて刊行されたのは1917年のことだ。当時は「オランダ鉄道公式旅行案内 Officieele Reisgids der Nederlandse Spoorwegen」と称した。まだNSへの統合(1937年)の前だが、すでに各私鉄間で運賃体系の共通化など協力体制が整えられていたので、全国時刻表の刊行はサービス向上策の一環だっただろう。

しかし、NSに引き継がれたこの伝統も、21世紀に入るとインターネットの普及で売れ行き不振に直面する。冊子時刻表を利用している旅行者はもはや全体の1%にも満たないとして、NSは2010年に時刻表刊行の中止を発表した。

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時刻表2020年版 表紙
 

最終号となった2010/11年版は7万部を出荷したといい、廃刊後もシニア層を中心に復活を求める声は大きかった。そこで、Treinreiziger.nl と旅行者協会のローファー Rover は2012年12月に、NSのデータを用いて独自に編集した冊子時刻表の刊行に踏み切った。

この2013年版はインターシティ Intercity (IC) に限定したミニ時刻表だったが、2014年版からはかつてのような全国版に拡大された。年1回の発行で、現在もオランダ国内の駅構内にある書店等で扱っている。ただし、コロナ禍で直近の鉄道利用者が大きく落ち込んでいることから、2021年版は休刊となった模様だ。

一方、NS公式サイトでは、デジタル版として列車時刻の検索や、時刻表ダウンロードのサービスが提供されている。

(掲載のURLや画像は、2021年8月現在のものである)

1.条件指定による列車検索

発着駅と日時の条件に適合する列車を表示するもので、NSトップページにある。英語版も用意されているので、サンプル画面を下に掲げる。

NS公式サイト(英語版)
https://www.ns.nl/en

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初期画面での列車検索
 

出発駅、到着駅、日時などを設定して、その時刻前後に発車する列車を検索できる。入力する駅名は正確でなくても、ドロップダウンリストに表示される候補から選択すればよい。検索結果からeチケットの購入も可能だ。

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列車検索の結果表示
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

時刻表冊子はオランダ語で Spoorboekje(スポールブッキェ、英語に直訳すると Railway book)というが、綴られていない時刻表シートのことは Dienstregeling(ディンストレーヘリング、同 Service plan)と呼んでいる。

これは、ルート別にPDFファイルで用意されているが、残念ながら英語版サイトには見当たらないので、オランダ語版で説明する。

NS(オランダ語版)-時刻表ダウンロード
https://www.ns.nl/reisinformatie/download-dienstregeling
または、
トップページ(オランダ語版)https://www.ns.nl/
上部メニューの Reisinformatie(旅行情報)> Meer(その他)> Spoorboekje downloaden(時刻表ダウンロード)

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テーブル形式の時刻表ダウンロードページ
 

画面では、ダウンロードファイルがいくつかのカテゴリーに分類されている。左上の「長距離ルートA~G」は、言い換えるとインターシティおよびインターシティ・ダイレクトの時刻表だ。日本でいうなら特急列車時刻表(下注)で、線区をまたがる長距離利用の場合に、複数の時刻表を併せ見る手間を省いてくれる。

*注 ただしオランダのインターシティは特別料金なしで乗れる(ICダイレクトの一部区間を除く)。

それに対して、国内ルート番号1~23は、インターシティを含む国内路線の線区別時刻表になる。次のルート番号40~58は、NS以外の事業者が運行する路線の時刻表だ。画像ではここまでしか見えていないが、まだこの下に100番以下の国際路線の時刻表が続く。

各カテゴリーのページに進むと、PDFファイルのリンクが現れる。ルート・線区ごとに方向別の2ファイルがある。起終点駅と主要経由地が記されてはいるものの、土地鑑がないとわかりにくい。ファイルリストの最後にある「Spoorkaart(鉄道地図)」を開いて、先にルート番号を調べておくのがいいだろう。

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時刻表ルート・線区別一覧
 

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 オランダの鉄道地図 II-ウェブ版

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 ルクセンブルクの鉄道時刻表
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2021年3月31日 (水)

オーストリアの鉄道時刻表

同じアルプスを擁する山国という縁もあるのか、かつてのオーストリア全国鉄道時刻表 Österreichisches Kursbuch は、スイスのそれによく似ていた。横12cm×縦18cmの寸法、青地の表紙という外見だけでなく、中身の時刻表の、90度回転させた縦開き型の配置や使用するフォントまで、双子のようにそっくりだったのだ(下注)。

*注 表紙に記された「Fahrpläne(ファールプレーネ、Fahrplan の複数形)」は単体の時刻表あるいはダイヤの意。それを冊子体にしたものを Kursbuch(クアスブーフ、英語に直訳すれば course book)と呼ぶ。

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右から
全国鉄道時刻表1983年版 国内編、国際連絡編
同 1999年版 国内編、長距離・国際連絡編
 

異なる点は、国際連絡列車の時刻表が分冊化されていることで、オーストリアの地理的位置を反映して、東ドイツやチェコスロバキア、ハンガリー、ユーゴスラビアなど当時の共産圏諸国との連絡便も多数収録されていた。

ページ数は、手元にある1983年版で国内、国際連絡を合わせて1060ページだ。後の1999年版では国内編が2割以上増えているものの、国際編の簡略化により合計1034ページと、膨張の一途をたどったスイスやドイツに比べ、まだ日本の小型時刻表程度の手ごろなボリュームに収まっている。

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見開き(表紙裏面)の全国路線網地図
写真は1999年版
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縦開きに配置された時刻表
 

ただし、これは鉄道編の話であり、郊外バス編は事情が違った。バス編が分冊化されたのは1956/57年冬ダイヤからだが、手元の1996年版では、州別になった8冊と国際路線1冊という大部なものになっていた。

この冊子体時刻表はÖBB(オーストリア連邦鉄道)から定期的に発行されていたが、2011年版をもって廃刊となった。デジタル化の進行で需要が減少したためだろうと思いきや、直接の理由は別にあった。ドイツ語版ウィキペディア(下注)にはこう記されている。「ウィーンのカルテル裁判所(公正取引委員会)Kartellgericht は、2011年11月末の仮処分により、ÖBB時刻表にヴェストバーン・マネジメント有限会社 Westbahn Management GmbH の時刻表データを掲載せずに販売してはならないとの決定を下した。このため、時刻表の販売は直ちに中止された。」

*注 https://de.wikipedia.org/wiki/Österreichisches_Eisenbahn-Kursbuch

ヴェストバーンというのは、鉄道事業のオープンアクセス政策に基づき、2011/12年冬ダイヤからウィーン~ザルツブルク間で特急列車の運行を開始した事業者だ。従来、全国時刻表にはÖBB以外の私鉄列車も含まれていたので、ヴェストバーンについても対象にすべきだ、という司法判断だが、ÖBBとしては、ドル箱ルートに現れた競合相手を載せたくなかったのだろうか。

ともかくこれ以降、オーストリアの鉄道・バスの時刻表はウェブサイトでの提供に切り替えられた。今は、問題のヴェストバーンの発着時刻も掲載されているが、ÖBBの特急が赤色表示で目立つのに対して、ヴェストバーンには黒色が当てられており、扱い方にまだ冷やかな空気が漂っている。

現在、ウェブサイトを通じて提供されている時刻検索および表形式の時刻表は、以下の通りだ。

(掲載のURLや画像は、2021年3月現在のものである)

1.条件指定による列車検索

発着駅と日時の条件に適合する列車を表示するサービスはScottyと呼ばれ、ÖBBのトップページで利用できる。そこから乗車券・指定席券の購入も可能だ。表示結果にはヴェストバーンの列車も含まれる。

ÖBB(英語版)
https://www.oebb.at/en/

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ÖBB公式サイトトップページ
右下に列車検索の入力窓がある
 

日時を上段(出発欄)に設定するとその時刻以降に発車する列車が、また下段(到着欄)に設定するとその時刻以前に到着する列車が、それぞれ検索できる。正確な発駅、着駅がわからない場合、都市名を入力すると、駅名候補がドロップダウンリストに表示される。

例として、「2021年3月31日12時以降にウィーンを発って、ザルツブルクへ行く列車」を検索する。

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列車検索の例
 

Scottyのサイトに移って、結果が表示される。指定時刻に最も近い列車は、ウィーン中央駅12時30分発、ザルツブルク中央駅14時52分着のレールジェット・エクスプレス Railjet-xpress(停車駅の少ない特急)だ。なお、3本目のICEはドイツ直通の特急列車、5本目はヴェストバーンでこれのみウィーン西駅発になっている。

なお、各列車の左端にある「小なり」ボタン(詳細表示)をクリックすると、途中の停車駅、運行状況(遅延の有無)、発着ホーム、列車番号などの詳細が表示される。

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列車検索の結果表示
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

テーブル形式の鉄道時刻表については、路線別にPDFファイルでダウンロードできる。

ÖBB Timetable images(英語版)
https://www.oebb.at/en/fahrplan/fahrplanbilder
または英語版トップページ >(上部メニューの)TIMETABLE > Timetable images

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テーブル形式の時刻表ダウンロードページ
 

ページ(上記画像)の下方に、路線別時刻表の一覧があるが、並びは時刻表番号順だ。そのため、まず一覧の先頭にある駅名索引 Stationsverzeichnis か、オーストリア路線網地図 Bahnnetz Österreich で、見たい路線の時刻表番号を調べる必要がある。また、残念ながらこれらのPDFファイルはドイツ語表記しか用意されていない。凡例(記号一覧)については、和訳を付したので参考にしていただきたい(迷訳ご容赦)。

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上の画像の続きにある時刻表路線別一覧表
 
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凡例(記号一覧)
 

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 ドイツの鉄道時刻表
 フランスの鉄道時刻表

2021年2月28日 (日)

フランスの鉄道時刻表

各国の冊子時刻表に興味を抱き、手元に集めていたのは1990年代のことだ。フランス国鉄SNCF の時刻表もその頃に一度だけ買ったことがある。住所をどこで知ったのかは忘れたが、パリにあるSNCFの販売部局 Magasin général du service に注文書を送ったら、20日ほど経って重量のある国際小包が届いた。

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SNCF公式時刻表 1991/92冬号 全5冊
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同 内容の一部
 

こういう取引は通常、前払いで、まず見積書が届き、それに基づいて銀行や郵便局から送金する。先方は口座への入金を確認したうえで、商品を発送する、というのが一般的な流れだ。ところが、今回はいきなり品物が送られてきたので驚いた。もちろん請求書も同封されていたのだが…。

ドイツDBの時刻表が電話帳ばりの分厚さだという話を以前に書いたが(「ドイツの鉄道時刻表」参照)、フランスのそれもA4判全5冊で、セットの厚みは約7cmあった。内容は以下の通り。


「SNCF公式時刻表 Indicateur officiel de la SNCF」1991/92冬号

1.駅及び列車内におけるサービス Services offerts en gare et à bord des trains 322ページ(表紙含まず、以下同じ)
2.北東路線網 Réseau Nord-Est 568ページ
3.南東およびコルシカ島路線網 Réseau Sud-Est et Corse 752ページ
4.大西洋岸路線網 Réseau Atlantique 624ページ
5.国際連絡 Relations Internationales 104ページ

計 2370ページ


1が時刻表の説明書で、駅索引や運送約款、列車設備一覧などが盛り込まれている。2~4は地方別のテーブル形式時刻表、5は国際列車の時刻表だ。フランスの鉄道網も1990年代にはすでに相当数の閑散路線が廃止または休止の憂き目にあっていたはずだが、それでもまだこのボリュームが必要だったのだ。

当時、公式時刻表は春に、その年の夏ダイヤ版と冬ダイヤ版が同時に刊行されていた。説明書に記載されている年間購読の案内も読んだはずだが、さすがに7cm厚の冊子を今後も続けて購入するかどうかを悩んだ形跡はない。

ところで、公式時刻表には、これとは別に「ヴィル・ア・ヴィル Ville à Ville(町から町への意)」と題した1冊ものの時刻表(下の写真参照)もあった。5冊セットが業務用とすれば、こちらは一般向けで、駅の書店で販売していた。内容は、主要駅間の列車の運行日、出発時刻、到着時刻(直通でない場合は乗換駅と時刻も)、列車番号、車種、車室等級などを一覧にしたものだ。

全908ページの冊子には、発駅基準で約250駅、駅同士の組み合わせで約1250の項目が挙がっている。駅は国内だけでなく、ロンドン、ブリュッセル、フランクフルト、チューリッヒ、ミラノ、マドリッドといった近隣諸国の都市の名も見られる。実際、列車旅行者の動きは、主要都市相互間や、地方から首都パリへの往来などに集中しているから、こうした形式の時刻表のほうが見やすく、需要に即していたのだろう。

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「ヴィル・ア・ヴィル」1987年夏版の表紙と内容の一部

各国とも冊子時刻表はおおむね廃刊となってしまい、ウェブサイトでの提供に移行している。フランスの場合、それがどのような形で実現されているのか、操作の手順を含めて見ていこう。

(掲載のURLや画像は、2021年2月現在のものである)

1.条件指定による列車検索

発駅、着駅、日時などの条件指定で最適の列車を表示してくれるサービスは、SNCFの旅行者向けサイトである OUI.sncf(OUI はウイと読む)のトップページにある。

OUI.sncf
https://www.oui.sncf/

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OUI.sncf 初期画面
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

テーブル形式の時刻表をフランス語表記のサイトで探すときは、"fiche horaire(フィッシュ・オレール 、複数形は fiches horaires)" をキーワードにするとよい。フィッシュ・オレールとは、時刻に関するシート、つまり(一枚ものの)時刻表という意味だ。また、ダウンロードすることは télécharger(テレシャルジェ)という。

しかし、ドイツDBのような全国の時刻表がダウンロードできる便利なサイトは、探した限りではなかった。類似のものとして、OUI.sncf には、発着駅や日時を入力することで、条件に適合した時刻表を作成してくれるサービスがある。また、トランシリアン Trancilien(首都圏のローカル列車)のサイトでは一部路線、TER(その他地域のローカル列車)のサイトでは多くの路線について、テーブル形式の時刻表が確認できた。

OUI.sncf - 個人用時刻表 La fiche horaire personnalisée
https://www.oui.sncf/services-train/fiches-horaires

条件指定による時刻表は「個人用時刻表 fiche horaire personnalisée」と呼ばれている。作成方法は単純だ。まず発地と着地を入力する。正確な駅名でなく、都市名などで入力しても、ドロップダウンリストに選択肢が表示される。下の画面の青地に表示されているように、Toutes gares intramuros(市内全駅)という選択も可能だ。また、外国の地名にも対応している。

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OUI.sncf 個人用時刻表作成画面
発着地を入力
 

次に日時を指定する。時間を0時から24時までとすれば、一日分の時刻表になる。あとはダウンロードボタンをクリックするだけだ。

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日時を入力してダウンロード
 

Trancilien - 時刻表 Les fiches horaires
https://www.transilien.com/fr/les-fiches-horaires

トランシリアン Trancilien、すなわちイル・ド・フランス(首都圏)Île-de-France で運行されるローカル列車のサイトにも、OUI.sncf のそれに似た「個人用時刻表 La fiche horaire personnalisée」を作成するサービスがある。ただし、同じ系統内の駅相互間に限られる。

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Trancilien 個人用時刻表作成画面
 

Trancilien - 路線群 Les lignes
https://www.transilien.com/fr/lignes

上記のような任意の2駅間の時刻表ではなく、全駅全列車が掲載されたテーブル形式の時刻表も、一部の路線(運行系統)で提供されている。利用可能な路線は以下のとおり。

RER(エルウーエル、地域急行路線網 Réseau express régional):E線のみ
TRAIN(郊外線):H、J、K、L、P、R線

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路線選択画面
 

例えばE線の場合、そのページに、路線図(運行系統図)PDFのダウンロードボタンと、時刻表PDFを選択するドロップダウンリストが含まれている。

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E線の路線図、時刻表ダウンロード画面
 

TER
https://www.ter.sncf.com/

SNCFがイル・ド・フランス以外で運行するローカル列車群は、TER(テーウーエル、地域圏急行輸送 Transport express régional)と呼ばれる。これは、州に相当する行政単位である地域圏 Région ごとに運営されており、ウェブサイトの構成もそれに従っている。そのため、発駅や着駅がどの地域圏に属しているかをあらかじめ調べておく必要がある(下注)。

*注 例えば、ウィキペディアの当該地名の項には、属する地域圏の情報も記載されている。

TERのサイトでは、トップページ(の下方)にあるフランス本土全図のクリッカブルマップか、その下のドロップダウンリストで、まず地域圏を選択する。

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TER 初期画面で地域圏を選択
 

以下は、最北部のオー・ド・フランス Hauts-de-France 地域圏のページを例にしているが、左メニューの "Horaires & Trafic(時刻表と運行)" のサブメニューに "Fishes horaires(時刻表)" が見つかる。時刻表は路線別にファイル化されている。Ligne(路線)のドロップダウンリストで選択するか、Gare(駅)に調べたい駅名を入力し、Rechercher(検索)ボタンをクリックする。

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時刻表を表示する路線の検索
 

ここでは路線の、"Amiens<>Abancourt<>Rouen(アミアン~アバンクール~ルーアン)" を選択した。すると、往路と復路のダウンロードリンクが表示された。ちなみに駅名で検索した場合は、正確な駅名の候補が表示されるので、改めてそこから選択するという手順になる。ダウンロードリンクは、当該駅を経由するすべての路線について表示される。

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ダウンロード画面
 

地域圏を変更したいときは、初期画面まで戻らなくても、ページ最上段にあるメニューの "Changer de région(地域圏を変更する)" で再選択できる。

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地域圏の変更
 

なお、時刻表検索の際の参考になる運行系統図(路線図)も、各サイトで提供されている。内容や取得方法は、本ブログ「フランスの鉄道地図 III-ウェブ版」を参照されたい。

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2014年7月20日 (日)

ドイツの鉄道時刻表

ドイツ鉄道 DB は長年、地域別の時刻表を合冊製本した「時刻表全国版 Kursbuch Gesamtausgabe」を刊行してきたが、2008/09年版をもって打切ることを発表した。ウィキペディア独語版によれば、最終号は、長距離列車編と北部、中部、南部編、全4巻を化粧箱に収めた「豪華版 Luxusausgabe」とされた。下記サイトの実物写真をご覧いただくといいが、価格はなんと99ユーロ、購入には予約を必要としたというから、実用品というよりもはや記念品の扱いだ。

■参考サイト
DB時刻表全国版 2008/09年版の画像
http://commons.wikimedia.org/wiki/File:DB-Kursbuch2009.JPG

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DB時刻表全国版 1988年夏版
 

筆者は、ドイツがまだ東西に分かれていた時代に、現地へ旅行して二度ほど全国時刻表を買い求めたことがある。当時のDBは西ドイツをエリアとするドイツ連邦鉄道 Deutsche Bundesbahn だったが、その範囲だけで1988年夏版時刻表は厚さ4.5cm、1742ページ(間紙除く)もあり、収穫物は旅行鞄の底を容赦なく占領した。

それが1991年版(下注)からは旧東ドイツ DR の路線が加わったため、2164ページに増えた。その後も列車の増便や路線の新設に伴ってページ増が続き、1997/98年版では2784ページを数えた。さすがに単体での製本が難しくなったと見え、1999/2000年冬版は3分冊化された。

2001/02年版からは長距離列車編、7つの地域編、列車名索引の9分冊、計4000ページ以上+路線図のセットになった。重さは5kgを超え、箱入り、手提げ袋つきの物々しいスタイルで、当時、これを「ワインボックス」と表現する投稿を目にしたことがある。もはや印刷物での配布が限界に来ていたことは明らかだった。

*注 それまで年2回(夏ダイヤと冬ダイヤ)刊行だったが、1991/92年版から年1回刊行になった。

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同 内容の一部

というわけで、ドイツではもう冊子版の全国時刻表は作られていないのだが、スイスと同じように、DBでもウェブサイト上でそれに代わるものが提供されている。

1.条件指定による列車検索

DB公式サイト
http://www.bahn.de/
(英語版は右上のドロップダウンリストで "in English" を選択する)

出発地、帰着地、日時などの条件を指定して最適の列車を検索する方法だ。たとえば Frankfurt と入力すると、候補がいくつも出てくる。中央駅は Hbf(Hauptbahnhofの略)、空港駅は Flugh(Flughafenbahnhofの略)と記されていることがあるので、慣れないとわかりにくい。

条件を入力すると、それに合った列車(乗継ぎを含む)、所要時間、乗継回数、列車種別、価格等の候補が表示される。さらに、各候補の左端にある >ボタンをクリックすると、各列車の発着時刻やホームが表示される。

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DB公式サイト初期画面
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

DB 電子時刻表 Elektronisches Kursbuch
http://kursbuch.bahn.de/

これは、冊子時刻表と同じ形式のPDFファイルを表示またはダウンロードできるサイトだ。しかし残念ながら、ドイツ語版しか用意されていない。

・駅名/路線番号/列車番号から検索する

トップページには、駅名、Sバーンなどの系統番号、時刻表路線番号、列車番号の入力フィールドがある。入力したら、Suche Starten(検索開始)ボタンをクリックする。見出しの各語句の意味は以下の通り。

・Suche nach Bahnhof / Halt(駅/停留所による検索)
・Suche nach Liniennummer(系統番号による検索)
・Suche nach Kursbuchstreckennummer(時刻表路線番号による検索)
 なお、この検索方法は画面左上のフィールドでも入力できる。
・Suche nach Zugnummer(列車番号による検索)

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DB時刻表サイト初期画面
 

このほかに、いくつかの検索方法が提供されている。

・路線図から検索する

> 時刻表トップページ、左メニューの Interaktive Streckenkarte

これは、「旅客路線図 Übersichtskarte für den Personenverkehr」上で路線を指定する方法だ。ただし、ある程度ドイツ国内の地理感覚がないと使いにくい。

最初に表示される路線図は、全土が見える縮小版だ。北半分か南半分をクリックすると図が拡大されるが、残念ながらこの段階でもまだ駅名はまったく判読できない。もう一度、任意の領域をクリックして図を拡大する。この図中の路線に添えられている3桁の時刻表路線番号をクリックすると、その路線の時刻表のリストが表示される。

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同 路線図からの検索画面
 

このリストで、Tabellennummer(時刻表番号)の欄の3桁または4~5桁の数字をクリックすると、ようやく時刻表PDFへのリンクが表示される。なお、通常、上りと下りは別々のPDFファイルになっている。紛らわしいが3桁数字の右にある画像は、工事による時刻変更の予告(へのリンク)だ。こうした臨時の変更はPDFファイルに反映されていないので、旅行日に重なっていないか、一応チェックしておいた方がよい。

・時刻表路線番号の一覧から検索する

> 時刻表トップページ、左メニューの Tabellenübersichten(時刻表一覧)> Regionaltabellen(地域時刻表)

このページでは、全国の時刻表路線番号が一覧になっている。使い方は上記、路線図からの検索の後段を参照されたい。なお、左メニューには、DB線と連絡する Schifffahrtstabellen(航路時刻表)、Bergbahnen(登山鉄道)、Museums- und Nostalgiebahnen(保存鉄道、観光列車)の時刻表もある。

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同 時刻表路線番号一覧
 

筆者が主に使っているのもこのページだ。時刻表路線番号が掲載されている鉄道地図(印刷物)を手元に置いておき、それで路線番号を調べて、この一覧から必要な路線を選択している。日本の時刻表で慣れ親しんだ方法なので、作業が最もはかどる。また、各時刻表の駅名欄には、その駅での接続路線の番号が付記されているので、乗継ぎの時刻検索はそれを手掛かりにすることも可能だ。

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2014年6月26日 (木)

スイスの鉄道時刻表

わが国では昔から小さな書店でも分厚い冊子の時刻表を平積みしているが、世界的に見ればあくまで例外だ。ヨーロッパでは、駅に行くとその地域の時刻表が手のひらサイズの冊子で無料配布されている。主要駅には隣接地域版も置いてあって、列車に乗るならそれで十分事足りる。

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スイス公式時刻表2013年版
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同 内容の一部
 

しかし、鉄道ファンとしては、日本のような全国版の時刻表を手元に置きたい。とりわけ緻密でバラエティに富んだ鉄道網が維持されているスイスの場合、机上で時刻表を読み解くだけでも楽しい。昔からそうした要望が多かったとみえ、かつては東京のスイス政府観光局でも公式時刻表 Offizielles Kursbuch の頒布に応じていた。しかし近年はなんでもインターネットを介するのが当り前になっている。改めて政府観光局のサイトを見たら、「冊子での公式時刻表は大変少ない部数で刊行されており入手は困難」と絶望的な書きぶりだ。冊子版と同じ版のデータがPDFでダウンロードできるので、その利用を勧めている。

一方、本国SBB(スイス連邦鉄道)のウェブサイトを見ると、「SBBその他の公共交通事業者の販売所にて16フラン(税込)の3巻セットで入手できる。ばら売りは不可」とされ、通信販売先の案内も載っている。この販売先では各国の冊子時刻表を扱っているのだが、日本への送料は55フランとあり、定価1800円の本を送ってもらうのに切手代が6000円以上かかる計算だ。入手が不可能でないのは確かだが、さすがにこれには躊躇する。

■参考サイト
スイス政府観光局「スイス公式時刻表」
http://www.myswiss.jp/jp.cfm/transport/timetable/
SBB > 公式時刻表のページ(英語版)
http://www.sbb.ch/en/timetable/printed-timetables/official-timetable.html
時刻表(刊行物)の表紙アーカイヴ
http://www.bahn-bus-ch.de/bahnen/biblio-k.html

昨年夏、スイスへ旅行したとき、インターラーケン・オスト駅で、乗る予定の列車が遅れて時間を持て余した。出札の近くにあったショーケースを眺めていたら、鉄道グッズの間に、公式時刻表の現物が飾ってあるではないか。すぐに窓口へ走ったことは言うまでもない。窓口の係員氏にあれがほしいと告げると、とても重いが構わないのか、と聞かれた。旅行者風情の外国人が買うのは想定外なのだろう。

渡された袋に入っていたのは、鉄道・索道・船編が1巻、バス編が東西に分かれて各1巻。計3巻で5920ページ、重ねると12cmの厚みだ(冒頭写真)。係員氏の親切な忠告どおり、ずっしりと重く、2kgは優にあるだろう。とりあえず現地で使わないバス編2巻は、ルツェルンの郵便局から日本へ送り出した。ほかの土産もいくらか同封したとはいえ、エコノミー便でも38フランかかった。これが3巻全部なら、通信販売先が示す送料の額も法外とは言えない。冊子時刻表の購入には、それなりの覚悟が必要だということがわかった。

筆者の経験を踏まえれば、ウェブサイトの時刻表を利用するのが合理的かつ現実的だ。上記、政府観光局サイトに詳しく書かれているように、主として2通りの使い方がある。

1.条件指定による列車検索

SBB公式サイト(英語版)
http://www.sbb.ch/en/
画面左のTimetable & ticket salesで検索。

出発地、帰着地、日時などの条件を指定して最適の列車を検索する方法だ。同様のツールは、SBBをはじめ、ヨーロッパの旧国鉄系鉄道会社の初期画面にほとんど標準装備されている。条件を入力すると、それに合った列車(乗継ぎを含む)、所要時間、混み具合等の候補が表示される。各候補の+マークをクリックすると、発着ホームや各列車の時刻表などさらに詳しい情報も得られる。思いがけない裏ルートの乗継ぎを提案してくれることもあるので、鉄道ファンの目で見ても楽しい。

Blog_swiss_timetable_hp1
SBB公式サイト初期画面
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

fahrplanfelder.ch(英語版)
http://www.fahrplanfelder.ch/en/

冊子時刻表と同じ様式のPDFファイルを表示またはダウンロードする方法だ。これはSBB本体ではなく、fahrplanfelder.ch のサイトで提供されている。Fahrplanfelder(ファールプラーンフェルダー)とは、テーブル形式の時刻表(複数形)という意味だ。初期画面の検索窓に地名(駅名)を入力すると、その駅に発着する路線の一覧が表示される。入力の際にドイツ語のウムラウトやフランス語のアクサン等は付けなくてもいけるようだ(Zürich→Zurich、Genève→Geneve)。綴りが不安なら、左メニューの "List of localities" にABC順の地名リストがある。

この検索窓は、路線の時刻表番号も入力できるようになっている。駅名入力に比べ、必要な路線をダイレクトに探せるので便利だ。時刻表番号が入った鉄道地図はSBBのサイトにある。詳細は「スイスの鉄道地図 IV-ウェブ版」参照。

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fahrplanfelder.ch 初期画面
 

時刻表には各種の記号が用いられている。これを理解しておかないと、運行日でなかったために待てど暮らせど列車が来なかった、などという事態が起こりうる。時刻表記載の凡例に基づいて記号の意味するところを記してみた(下表)ので、参考にしていただけたら幸いだ。

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スイス公式時刻表 記号一覧
 

なお、ユーザ登録が必要だが、左メニューの "Timetable data" で、時刻表データの全部ダウンロード(80MB)も可能になっている。さらに同じメニューの "Archives" では、過去2006年からのデータが蓄積・公開されている。時刻表は地図と同様、実用品の扱いなので、ウェブサイトでは現行ダイヤとせいぜい数か月から1年先程度の予定に限っているのがふつうだ。このように過去データが残され、自由な閲覧に供されているのは珍しい。

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2009年11月26日 (木)

日本鉄道旅行地図帳 歴史編成

今年(2009年)4月に12巻で完結した新潮社「日本鉄道旅行地図帳」に、11月20日、外地編2巻が追加された。タイトルを「日本鉄道旅行地図帳 歴史編成 朝鮮・台湾」「同 満洲・樺太」といい、日本がこれらの地域に関与していた1945(昭和20)年以前に記述対象を限定した、この上なくユニークな鉄道地図帳だ。

既刊の国内編と同じ体裁をとっているが、いうまでもなく実際の旅行に持参する実用品ではない。64年前の敗戦で図らずも断絶してしまった外地の鉄道網を、幹線から産業軌道まで忠実に再現しようとした過去完了形の地図だ。当時すでに存在しなかった路線や施設も廃線廃駅の扱いで記載しているので、一目でわかる外地鉄道発達史と言い換えてもいい。地形図で内外の鉄道の軌跡を追っている筆者にとっては心待ちにしていた企画で、しかも1冊680円の大衆価格で提供されるとあっては夢のようだ。

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日本鉄道旅行地図帳 歴史編成

その一冊、朝鮮・台湾編は「一目でわかる東京からの時間・距離(昭和15年)」というページから始まっている。これが、いわば歴史編成2巻のプロローグだ。北は上野駅から稚内を経て樺太の豊原へ、南は東京駅から門司を経て台湾の高雄へ、東は下関から釜山、奉天、そしてロシア国境の満洲里へ、当時の交通路は鉄道と航路をつなげて南北4700km、東西4000kmもの範囲を覆っていた。代表的な列車の到達日数を主要駅ごとに追うだけでも、この地図帳が扱うネットワークの広大さが伝わってくるだろう。

各地域の構成はおよそ次のようだ。まず地域全体の概観図がある。この図だけは1945年以降に開通した路線も描かれているので、戦前戦後を通じた路線網の整備状況が比較できる。続く略年表は、簡潔かつ的確にまとめられている。先に進む前に、ここでプロフィールを頭に入れておきたい。

メインの全線全駅鉄道地図は、国内編と似た仕様だが、現役線、廃線を問わず一つの図にまとめられている。記号はどうか。まず鉄道路線は、内地の国鉄に相当するものを黒(南満洲鉄道は藤色)、私鉄線を深緑、その他の鉄道を赤の細線で描く。廃線はそれぞれ色を変えている。駅は、機関区設置駅を色で区別するほか、信号所、軍用信号場、貨物駅、さらにスイッチバック駅にも記号を与えている。主要都市は拡大図が用意され、路面電車のルートが移設の跡を含めて克明に描かれている。

既刊シリーズの特色だった旅行地図というサブテーマも疎かにされてはいない。名産品や温泉場の注記、吹き出しの一口コメントといった文字情報に加えて、古い市街図や初三郎の鳥瞰図、実景写真が臨場感を盛り上げる。さらに、乗車券、駅のスタンプ、駅弁掛紙といった鉄道コレクションが随所に散りばめられて、空想旅行にいっそう華を添えている。

地図帳のもう一つの柱である駅名一覧も、国内編の形式を踏襲したものだ。路線別に軌間、動力、沿革、駅名、キロ程、開業・廃止日、読み方と一通りのデータが揃っている。先達の研究資料に拠っているとはいえ、今は幻となった路線群の歩みを丹念にまとめた努力には頭が下がる。

ここで、筆者が推す地図帳の見どころを地域別にあげておこう。

朝鮮半島では、北部の山岳地帯が興味深い。鉱物資源や森林資源を求めて、いくつもの産業鉄道が海岸から内陸の鴨緑江水系へと延びている。線形の詳細図を見ると、険しい分水嶺を越えるために、ループ、スイッチバック、インクラインとあらゆる手段が試みられて、まるでルート設計のポートフォリオだ。今では容易に足を踏み入れることができない地域だけに、稀少感が募る。

台湾では、西岸の平野部に自然と目が行く。一帯に張り巡らされたおびただしい路線群は、サトウキビを運ぶ製糖鉄道だ。国鉄幹線から製糖会社直営のナローゲージが分岐し、台車軌道がその間隙を補っている。そのさまはあたかも葉脈か血管系のようだ。台中、台南は1:400,000の2倍拡大図が用意されていて、細部までよくわかる。

満洲は、個別の路線よりも冒頭の全体図に注目したい。1932年の満洲国成立と1945年の第2次大戦終結を境に、鉄道を建設年代で色分けしている。西からロシアが手を伸ばし(東清鉄路)、南からは日本が進出し(南満洲鉄道)、満洲国時代に地方線が追加され、戦後中国によって現在の鉄道網が完成した。日本がほとんどの路線を手がけた他の3地域とは違って、当地の鉄道が秘める複雑な成立過程を、この地図は見事に物語っている。

樺太は路線が数えるほどしかない。南部はまだしも樺太中部の図では、ソ連国境をめざす樺太東線が1本あるほかは、西海岸のはかなげな炭鉱軌道ばかりだ。寒風に曝される最果ての鉄路が地図の上からも想像できる。

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満洲朝鮮復刻時刻表

新潮社からは、同時に「満洲朝鮮復刻時刻表」も発売された。各地域で刊行された貴重な列車時刻表の復刻版を4種セットしたものだ(下注)。鉄道地図に時刻表と、プランニングの必須アイテムが揃って、しばらくはまた、机上旅行で時間が足りなくなりそうだ。

*注 内容は以下の通り
・満州支那汽車時間表 第11巻第8号 ジャパン・ツーリスト・ビューロー満州支部 1940(昭和15)年8月1日発行
・朝鮮列車時刻表 昭和13年2月号 ジャパン・ツーリスト・ビューロー朝鮮支部 1938(昭和13)年2月1日発行
・列車時刻表 台湾総督府交通局鉄道部 1936(昭和11)年2月1日
・樺太国有鉄道列車時刻表 1935(昭和10)年4月15日改正
・解題 三宅俊彦

■参考サイト
新潮社「日本鉄道旅行地図帳」 http://www.shinchosha.co.jp/railmap/

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 新潮社の日本鉄道旅行地図帳

 また、外地の鉄道のいくつかは、本ブログでも当時の地形図とともに紹介している。
 樺太 豊真線を地図で追う 
 朝鮮半島 金剛山電気鉄道を地図で追う
 台湾 台東線(現 花東線)を地図で追う 
 台湾 阿里山森林鉄道を地図で追う

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