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2022年1月 8日 (土)

ザクセンの狭軌鉄道-デルニッツ鉄道

デルニッツ鉄道 Döllnitzbahn

オーシャッツ Oschatz ~ミューゲルン Mügeln (b. Oschatz) ~グロッセン Glossen (b. Oschatz) 間 15.973km
ネビッチェン Nebitzschen ~ケムリッツ Kemmlitz (b. Oschatz) 間2.66km
軌間750mm、非電化
1885~1903年開通

*注 正式駅名につく b. Oschatz は bei Oschatz の略記。「オーシャッツ近傍の」を意味し、同名の他の駅と区別するために付けられる。

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デルニッツ鉄道の蒸機運行日
ミューゲルン駅に列車が到着

ライプツィヒ Leipzig とドレスデン Dresden、このザクセン2大都市を結ぶ標準軌幹線の途中に、オーシャッツ Oschatz 駅がある。デルニッツ鉄道 Döllnitzbahn の列車は、ここを起点にしている。鉄道は750mm軌間で、運行にはディーゼル機関車のほか、蒸気機関車も使われる、と来れば、同じような狭軌鉄道をいくつか見てきたので、中身はおよそ想像がつくというものだ。

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デルニッツ鉄道の列車
アルトミューゲルン Altmügeln 駅にて
 

しかし調べてみると、他の路線とは少し様子が違うことに気づく。第一に、現在のルートがいくつかの路線の継ぎはぎにより成立している点だ。「デルニッツ鉄道」は路線を運営する会社の名称であって、そのような名の1本の路線が最初から存在したわけではなかった。

第二に、廃止の危機を潜り抜けてきた理由だ。東ドイツでは1964年に、今後10年間で狭軌路線を全廃するという決定が下されたが、その後、一部の路線が、観光に活用するとして廃止を免れた。しかし、「デルニッツ鉄道(を構成する路線)」はそのリストに含まれていない。

第三に、使われる蒸気機関車がザクセンIV K形(DR 99.51~60形、下注)であることだ。より新しい5軸の機関車を使う路線も多い中で、デルニッツ鉄道では、1900~10年代生まれのこの旧型機(ただし1960年代に全面更新されている)が定期的に運用されている。

*注 IV K形は、マイヤー式 Meyer-Lokomotive と呼ばれる関節式機関車の一種で、ボイラーの下に2軸ボギーの台枠を前後2個設置し、急曲線での走行を可能にしている。王立ザクセン邦有鉄道向けに、ケムニッツのザクセン機械製造所 Sächsischen Maschinenfabrik で製造された。ちなみに、IV は「第4」の意で開発順を示し、Kは「クラインシュプーア Kleinspur」すなわち小軌間(狭軌)を意味する。IV K でフィーア カーと読む。

こうした他線との違いが生じた理由は何なのだろうか。路線の成立経緯から探っていきたい。

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ザクセンIV K形蒸機99 574
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オーシャッツ周辺の地形図に狭軌鉄道のルートを加筆
Base map from bergfex and OpenStreetMap, License: CC BY-SA

この地域は、かなり早くから近代的な交通手段の恩恵に浴していた。というのも、ドイツ最初の長距離鉄道と言われるライプツィヒ=ドレスデン鉄道 Leipzig-Dresdner Eisenbahn が、オーシャッツを経由したからだ。ライプツィヒから東へ順次延伸されてきた鉄道は、1838年11月にオーシャッツに達し、町の北方に駅が設置された。

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現在のDBオーシャッツ駅
 

しかし、その後の数十年はまだ全国幹線網の発達段階であり、後背地にあるミューゲルン Mügeln やヴェルムスドルフ Wermsdorf などの町との間は、馬車連絡の時代が長く続いた。地方路線建設の可能性は、軽便鉄道に関する法制が整備された1878年以降に、ようやく現実味を帯びてくる。

この地域で最初の狭軌鉄道は、1884~85年に開通したオーシャッツからミューゲルンを経てデーベルン Döbeln に至る延長30.9kmの路線だ。南北に走るこの路線は、両端で幹線駅に接続しており、中間のミューゲルンが事実上の目的地だった。そのため、ミューゲルン駅は頭端駅 Kopfbahnhof の形状で設計された。

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ザクセン邦有鉄道の路線図(1902年)
薄いマーカーが「ミューゲルン路線網」
赤は現 デルニッツ鉄道のルート
Base map from wikimedia. License: Public domain
 

次に実現したのは、ミューゲルン~ナイヘン Neichen(旧称 ネルハウ・トレプセン Nerchau-Trebsen)間の23.9kmで、1888年に開通した。上記の南北路線に対して、こちらは、ヴェルムスドルフを主要な経由地とする東西ルートだ。ミューゲルンに西側から接続したため、駅は通過構造に変わった。

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ミューゲルン駅(1910年の絵葉書)
Image by Brück & Sohn Kunstverlag Meißen at wikimedia. License: CC0 1.0
 

同じ頃、ミューゲルンの西方、ケムリッツ Kemmlitz とクロプテヴィッツ Kroptewitz の周辺で、磁器の原料になるカオリン(白陶土)の採掘が開始される。搬出の手段として、1903年にミューゲルン=ナイヘン線の途中にあるネビッチェン Nebitzschen から貨物線が延ばされた。これが、長さ6.3kmのネビッチェン=クロプテヴィッツ線だ。専ら貨物列車が行き交う路線だったが、1945年から1964年まで、混合列車による旅客輸送も実施されている。

これらは周辺の路線群と合わせて「ミューゲルン路線網 Mügelner Netz」と総称された(上図参照)。運行の中核となったミューゲルン駅は段階的に拡張され、1927年には35本の線路と約70か所のポイント(分岐)を有する規模になる。ヨーロッパ最大の狭軌駅という表現もあながち誇張ではなかった。

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1938年のミューゲルン駅構内配線図(和訳を付記)
Image by Rainerhaufe at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
 

しかし第二次世界大戦後は、鉄道離れが徐々に進行する。そのため、冒頭でも触れたとおり、1964年に国によって狭軌路線全廃の方針が示され、それを境に路線網は縮小に向かう。

1967年から翌68年にかけて、成績の振るわなかった西部および南部の区間が廃止され(下注)、幹線と接続するのはオーシャッツ駅だけになった。旅客列車はオーシャッツ~ミューゲルン間に最後まで残っていたが、これも1975年9月に休止されてしまう。他線のような観光輸送の対象にはならなかったのだ。

*注 ミューゲルン路線群の廃止年表
 1967年11月30日 ケムリッツ~クロプテヴィッツ
 1968年1月1日 ミューゲルン~デーベルン
 1968年7月1日 ムッチェン Mutzschen ~ナイヘン
 1970年1月1日 ヴェルムスドルフ~ムッチェン
 1972年2月1日 オーシャッツ~シュトレーラ Strehla
 1972年10月1日 ネビッチェン~ヴェルムスドルフ

一方、カオリン製品の搬出を筆頭に、貨物輸送にはまだ需要があった。さらにオイルショックの影響で、ソ連からの原油供給が不足したため、東ドイツでは1981年から、輸送手段をトラックから鉄道に転換する政策が取られた。これに応じて、貨物列車は1日に最大6往復設定された。

列車は、カオリン鉱山のあるケムリッツを出発し、ミューゲルン経由でオーシャッツへ向かう。戦前のミューゲルン路線網を利用した輸送路だが、路線廃止が進んで、今や列車が走行できるのはこのルートだけになっていた。

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デルニッツ川橋梁を渡るミューゲルン方面の貨物列車(1991年)
Photo by Rainerhaufe at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
 

ドイツ再統一後の1993年、ドイツ鉄道顧客連盟 Deutsche Bahnkunden-Verband e. V. (DBV) がデルニッツ鉄道有限会社 Döllnitzbahn GmbH を設立し、DB(ドイツ鉄道)から鉄道施設と車両を引き継いだ。設立の目的はカオリンの輸送体制を維持することだった。ちなみにデルニッツ Döllnitz は、路線に沿って流れる川の名に由来する。

ザクセンの狭軌線の中で唯一続けられた貨物輸送だが、結局、効率の点でトラックに及ばず、2001年に休止となってしまう。ところがこの時すでに、放棄されて久しい旅客輸送の分野で、別の動きが始まっていた。

一つは、蒸気機関車による観光列車の運行だ。1994年にDBVのもとで、「ヴィルダー・ローベルト」振興協会 Förderverein "Wilder Robert"(下注)が設立されている。ミューゲルン駅に本拠を置いた協会によって、残存するIV K形機関車を使った特別運行が開始された。それと並行して、ミューゲルン駅構内の鉄道施設や車両群の復元や改修も進められた。

*注 ヴィルダー・ローベルト(荒くれローベルトの意)は、IV K形蒸機につけられたあだ名。

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蒸気運行の案内板、次回は4月14日とある
 

もう一つは、1995年にオーシャッツ~アルトミューゲルン間で再開された通学輸送だ。これは主にオーシャッツのギュムナージウム(文科高等中学校)に通う生徒たちが利用するもので、バスに比べて輸送力が大きい点が評価された。2006年には現在の終点グロッセン Glossen まで線路が復元され、通学列車の運行区間も延長されている。

一方、支線のネビッチェン~ケムリッツ間は、2006年に線路の損傷が発見されて以来、通行できなくなっていた。だが、カオリン鉱山の観光開発を目ざして2017~18年に復旧工事が実施され、再び運行が可能になった。

こうして2021年現在、列車が走れる区間は、オーシャッツ~ミューゲルン~グロッセン間の「本線」16.0kmと、ネビッチェン~ケムリッツ間の「支線」2.7kmの、計18.7kmにまで延びている。なお、運行業務は2013年から、ツィッタウ狭軌鉄道 Zittauer Schmalspurbahn の事業者であるザクセン・オーバーラウジッツ鉄道会社 Sächsisch-Oberlausitzer Eisenbahngesellschaft (SOEG) に委託されており、2本の鉄道は車両の運用などを通して密接な関係にある。

デルニッツ鉄道の起点オーシャッツへは、ライプツィヒ中央駅から1時間ごとに走る「サクソニア Saxonia」のRE(レギオエクスプレス、快速列車)で36分だ。ドレスデンからも1時間少しで着く。

オーシャッツのDB駅舎は、無人化された後、長らく荒廃していたが、2018年に自治体の手で全面改修され、見違えるようにきれいになった。内部に設置されたインフォメーションオフィスの運営はデルニッツ鉄道が受託しており、乗車券もここで購入することができる。

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(左)REでオーシャッツ駅に到着
(右)改修前(2013年)のオーシャッツ駅舎
  当時、内部は閉鎖されていた
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オーシャッツ駅改修後の開所式(2018年)
© 2018 www.doellnitzbahn.de
 

小ぢんまりした駅前広場の斜め向かいに、デルニッツ鉄道の乗り場がある。カーブした島式ホームにクラシックな木組みの屋根がかかり、地方鉄道らしい風情を感じる始発駅だ。狭軌鉄道の駅舎はないので、用があるならDB駅舎で済ませておく必要がある。

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オーシャッツの狭軌駅に列車が入線
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木組みの屋根がかかる島式ホーム
機関車は折返し運転に備えて機回し中
 

では、さっそく列車に乗り込むとしよう。発車すると、まずは駅前通りに沿って南下していく。線路に目をやると、狭軌線の左側にもう1本、レールが並走している。これは、駅から近くの工場群へ通じていた標準軌の引込線の痕跡だ。引込線はもう使われていないが、約500m続く3線軌条はまだ残されている。

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(左)オーシャッツ駅南方に残る3線軌条
(右)オーシャッツ駅方を望む(1982年)
  標準軌線は狭軌駅の南側で合流していた  
   Photo by Falk2 at wikimedia. License: CC BY-SA 3.0
 

列車はこの後、小さなガーダー橋を渡り、右を流れる小川と左の道路に挟まれる形で進む。この小川が鉄道名になったデルニッツ川で、かつてはその西側にオーシャッツ旧市街を囲む市壁が築かれていた。中間の停留所はすべてリクエストストップなので、乗降がなければ通過する。

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(左)デルニッツ川橋梁
(右)旧市街の東で川と道路に挟まれて走る
 

次に停車するオーシャッツ・ジュート(南)Oschatz Süd 駅は、列車交換ができる待避線をもっている。旧市街の南縁に接しているため、1950年代には毎日2000人の利用者で賑わったという主要駅だ。今も、通学列車でトーマス・マン・ギュムナージウム Thomas Mann Gymnasium に通う生徒たちが乗り降りする。

構内北側にある旧 鉄道員宿舎は、「ヴィルダー・ローベルト」振興協会によってすっかり改装された。デルニッツ鉄道をテーマにしたHOゲージの鉄道模型や、鉄道絵はがきコレクションの展示館になっていて、蒸機運行日に公開される。

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オーシャッツ・ジュート駅の旧宿舎
現在は展示施設に(2017年)
Photo by Radler59 at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
 

この先は、デルニッツ川が静かに流れる浅い谷の中を行く。谷を堰き止めたローゼン湖 Rosensee を左手に眺めた後は、雑木林と畑地が交錯する車窓が続く。次の停車はナウンドルフ Naundorf (b. Oschatz) だ。錆びついてはいるものの、ここにも待避線がある。周りは丘陵の広々とした景色が開け、列車は道路に沿った長いストレッチを淡々と走っていく。

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ナウンドルフの前後では丘陵の景観が広がる
 

急なS字を曲がり終えれば、狭軌鉄道網の中心だったミューゲルン Mügeln (b. Oschatz) 駅の構内だ。最盛期から見れば縮小されているのだろうが、今でも10本近い側線が並んでいて、狭軌の駅としてはかなりの規模に見える。

ここの駅舎も自治体によって改装され、「ジオポータル・ミューゲルン駅 Geoportal Bahnhof Mügeln」という名でインフォメーションオフィスが入居している。構内のオーシャッツ方(東側)には、振興協会が拠点にしているレンガ造りの機関庫が見え、周りの側線には客車や貨車がずらりと留置されている。

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拠点駅の面影を残すミューゲルン駅構内(2015年)
Photo by Bybbisch94-Christian Gebhardt at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
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改修後のミューゲルン駅舎(2020年)
Photo by Radler59 at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
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(左)ミューゲルン駅の機関庫
(右)内部ではイベントに使う蒸気駆動のドライジーネを整備中
 

駅を後にした列車は、右カーブで駅前通りを横断し、町の北側をかすめていく。右手に、円塔のあるルーエタール城 Schloss Ruhethal が見えてくる。アルトミューゲルン Altmügeln に停まった後は、また道路とともに畑の中を行く。一帯の肥沃な丘陵地はテンサイ(砂糖大根)の産地で、昔は秋の収穫期になると、専用の運搬列車が狭軌線を行き交ったという。

そのうちに、長くまっすぐな側線のあるネビッチェン駅に停車する。駅と言っても周りに集落はなく、信号所というほうが正確だろう。というのも、ここはケムリッツ方面の支線の分岐点だからだ。

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ルーエタール城の前を行く
右写真はミューゲルン方を望む(東望)
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(左)ネビッチェン駅はさながら信号所
(右)ケムリッツ方面の線路
  撮影当時(2013年)は復活工事前で、行き止まりだった
 

ケムリッツ Kemmlitz (b. Oschatz) へは支流ケムリッツ川の浅い谷を遡っていくが、勾配は最大20‰と、本線よりも険しい。ケムリッツの集落の中で大きく左カーブすれば、カオリン工場の大きな建物群が見えてくる。終点は、工場敷地のすぐ横だ。

これに対して本線は、ネビッチェンから直進し、ほどなく着くグロッセン Glossen (b. Oschatz) が終点になる。村の前に3本の線路が並ぶ静かな駅だが、ホームに並行するレンガ橋脚の高架橋が目を引く。これは「グロッセン簡易軌道展示施設 Feldbahnschauanlage Glossen」と称する保存鉄道の構造物だ。

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終点グロッセン駅を西望
 

高架橋には600mm軌間の線路が敷かれている。復元展示に見られるとおり、かつて近くにある石英鉱山から鉱石を積んだトロッコ列車がここへ上り、750mm軌間のロールワーゲンに載せられた標準軌貨車に積荷を移していた。つまり、600mm→750mm→1435mm の順に貨物をリレーしていたのだ。

石英鉱はとうに閉山してしまったが、自治体によって一帯の施設が保存され、1995年に初めて公開された。600mmの簡易軌道は、グロッセン駅の北方にある鉱山跡から1.2kmの間続いていて、デルニッツ鉄道の蒸気運行日に合わせてトロッコ列車が運行されている。

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グロッセン簡易軌道展示施設の
600mmトロッコから1435mm貨車への積替え設備
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(左)狭軌ホームに並行する高架橋
(右)高架橋の端部、橋上は立入禁止に
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石英鉱山跡
(左)各種機関車が待機中
(右)車庫横の荷役クレーン
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訪問時は軌道の保線作業が行われていた
 

ところで、グロッセンが終点になっている750mm狭軌線だが、以前はさらに西のヴェルムスドルフ方面へ延びていた。ヴェルムスドルフの町は、アウグスト強健王 August der Starke の豪壮なロココ式城館で、「ザクセンのヴェルサイユ」と称されるフーベルトゥスブルク Schloss Hubertusburg があることで有名だ。

デルニッツ鉄道は2014年に、ヴェルムスドルフまでの路線再建を検討すると発表している。旧 ヴェルムスドルフ駅付近の線路はダム湖(デルニッツ湖 Döllnitzsee)の底に沈んでしまったので、ダムの手前に新しい終着駅を造るのだという。延伸区間の長さは4.6kmになる。計画が実行に移されたとはまだ伝わってこないが、夢の膨らむ話ではある。

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フーベルトゥスブルク宮殿(2013年)
Photo by Dr. Bernd Gross at wikimedia. License: CC BY-SA 3.0

最後に、乗車券と2021年現在の運行状況について。

デルニッツ鉄道は、ライプツィヒを中心とする中央ドイツ運輸連合 Mitteldeutscher Verkehrsverbund (MDV) に加盟しているので、MDV所定のゾーン運賃が適用される。そのため、MDV圏内ならDB線や路線バスなどと、通しの切符で乗車可能になっている。また、MDVのゾーン別1日乗車券など、MDVの各種企画券も有効だ。いずれも蒸気列車では追加料金がかかる。

ちなみに2021年現在、オーシャッツ~グロッセン間(2ゾーン)の大人片道運賃は3.70ユーロ、蒸機の場合は追加料金を含め6.70ユーロだ。

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グロッセン駅に到着した蒸気列車
 

運行は、平日適用の通学ダイヤ Fahrplan Schulzeit と、週末の休日ダイヤ Fahrplan Ferienzeit に区別される。

通学ダイヤでは、2018年に導入された気動車により、オーシャッツ~ミューゲルン間に1日4往復が走る。一部の便はグロッセンまで足を延ばすが、支線のケムリッツ方面はオンデマンドタクシーによる代行だ。また、学休期間は全面運休になる。

休日ダイヤでは、夏のシーズンやクリスマス期間を中心に観光列車が運行される。1日2~3往復設定されているが、蒸気列車 Dampfzüge の日とディーゼル列車 Dieselzüge の日があるので、運行カレンダーで確かめておく必要がある。

なお、路線バスの803系統(オーシャッツ駅~ミューゲルン)と、816系統(ミューゲルン~グロッセン~ヴェルムスドルフ~ダーレン Dahlen)が、デルニッツ鉄道のルートをカバーしている。両者はミューゲルン駅の西1.2km(町の反対側)にあるミューゲルン・バスターミナル Mügeln Busbahnhof で接続する。時刻表、路線図は MDV の公式サイト https://www.mdv.de/ を参照されたい。

次回はプレスニッツタール鉄道を訪ねる。

写真は別途クレジットを付したものを除き、2013年4月に現地を訪れた海外鉄道研究会のS. T.氏から提供を受けた。ご好意に心から感謝したい。

■参考サイト
デルニッツ鉄道 https://www.doellnitzbahn.de/
DBV「ヴィルダー・ローベルト」振興協会 https://www.wilder-robert.de/
グロッセン簡易軌道展示施設協会 http://www.feldbahn-glossen.de/

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