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2021年3月

2021年3月31日 (水)

オーストリアの鉄道時刻表

同じアルプスを擁する山国という縁もあるのか、かつてのオーストリア全国鉄道時刻表 Österreichisches Kursbuch は、スイスのそれによく似ていた。横12cm×縦18cmの寸法、青地の表紙という外見だけでなく、中身の時刻表の、90度回転させた縦開き型の配置や使用するフォントまで、双子のようにそっくりだったのだ(下注)。

*注 表紙に記された「Fahrpläne(ファールプレーネ、Fahrplan の複数形)」は単体の時刻表あるいはダイヤの意。それを冊子体にしたものを Kursbuch(クアスブーフ、英語に直訳すれば course book)と呼ぶ。

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右から
全国鉄道時刻表1983年版 国内編、国際連絡編
同 1999年版 国内編、長距離・国際連絡編
 

異なる点は、国際連絡列車の時刻表が分冊化されていることで、オーストリアの地理的位置を反映して、東ドイツやチェコスロバキア、ハンガリー、ユーゴスラビアなど当時の共産圏諸国との連絡便も多数収録されていた。

ページ数は、手元にある1983年版で国内、国際連絡を合わせて1060ページだ。後の1999年版では国内編が2割以上増えているものの、国際編の簡略化により合計1034ページと、膨張の一途をたどったスイスやドイツに比べ、まだ日本の小型時刻表程度の手ごろなボリュームに収まっている。

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見開き(表紙裏面)の全国路線網地図
写真は1999年版
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縦開きに配置された時刻表
 

ただし、これは鉄道編の話であり、郊外バス編は事情が違った。バス編が分冊化されたのは1956/57年冬ダイヤからだが、手元の1996年版では、州別になった8冊と国際路線1冊という大部なものになっていた。

この冊子体時刻表はÖBB(オーストリア連邦鉄道)から定期的に発行されていたが、2011年版をもって廃刊となった。デジタル化の進行で需要が減少したためだろうと思いきや、直接の理由は別にあった。ドイツ語版ウィキペディア(下注)にはこう記されている。「ウィーンのカルテル裁判所(公正取引委員会)Kartellgericht は、2011年11月末の仮処分により、ÖBB時刻表にヴェストバーン・マネジメント有限会社 Westbahn Management GmbH の時刻表データを掲載せずに販売してはならないとの決定を下した。このため、時刻表の販売は直ちに中止された。」

*注 https://de.wikipedia.org/wiki/Österreichisches_Eisenbahn-Kursbuch

ヴェストバーンというのは、鉄道事業のオープンアクセス政策に基づき、2011/12年冬ダイヤからウィーン~ザルツブルク間で特急列車の運行を開始した事業者だ。従来、全国時刻表にはÖBB以外の私鉄列車も含まれていたので、ヴェストバーンについても対象にすべきだ、という司法判断だが、ÖBBとしては、ドル箱ルートに現れた競合相手を載せたくなかったのだろうか。

ともかくこれ以降、オーストリアの鉄道・バスの時刻表はウェブサイトでの提供に切り替えられた。今は、問題のヴェストバーンの発着時刻も掲載されているが、ÖBBの特急が赤色表示で目立つのに対して、ヴェストバーンには黒色が当てられており、扱い方にまだ冷やかな空気が漂っている。

現在、ウェブサイトを通じて提供されている時刻検索および表形式の時刻表は、以下の通りだ。

(掲載のURLや画像は、2021年3月現在のものである)

1.条件指定による列車検索

発着駅と日時の条件に適合する列車を表示するサービスはScottyと呼ばれ、ÖBBのトップページで利用できる。そこから乗車券・指定席券の購入も可能だ。表示結果にはヴェストバーンの列車も含まれる。

ÖBB(英語版)
https://www.oebb.at/en/

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ÖBB公式サイトトップページ
右下に列車検索の入力窓がある
 

日時を上段(出発欄)に設定するとその時刻以降に発車する列車が、また下段(到着欄)に設定するとその時刻以前に到着する列車が、それぞれ検索できる。正確な発駅、着駅がわからない場合、都市名を入力すると、駅名候補がドロップダウンリストに表示される。

例として、「2021年3月31日12時以降にウィーンを発って、ザルツブルクへ行く列車」を検索する。

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列車検索の例
 

Scottyのサイトに移って、結果が表示される。指定時刻に最も近い列車は、ウィーン中央駅12時30分発、ザルツブルク中央駅14時52分着のレールジェット・エクスプレス Railjet-xpress(停車駅の少ない特急)だ。なお、3本目のICEはドイツ直通の特急列車、5本目はヴェストバーンでこれのみウィーン西駅発になっている。

なお、各列車の左端にある「小なり」ボタン(詳細表示)をクリックすると、途中の停車駅、運行状況(遅延の有無)、発着ホーム、列車番号などの詳細が表示される。

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列車検索の結果表示
 

2.テーブル形式の時刻表ダウンロード

テーブル形式の鉄道時刻表については、路線別にPDFファイルでダウンロードできる。

ÖBB Timetable images(英語版)
https://www.oebb.at/en/fahrplan/fahrplanbilder
または英語版トップページ >(上部メニューの)TIMETABLE > Timetable images

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テーブル形式の時刻表ダウンロードページ
 

ページ(上記画像)の下方に、路線別時刻表の一覧があるが、並びは時刻表番号順だ。そのため、まず一覧の先頭にある駅名索引 Stationsverzeichnis か、オーストリア路線網地図 Bahnnetz Österreich で、見たい路線の時刻表番号を調べる必要がある。また、残念ながらこれらのPDFファイルはドイツ語表記しか用意されていない。凡例(記号一覧)については、和訳を付したので参考にしていただきたい(迷訳ご容赦)。

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上の画像の続きにある時刻表路線別一覧表
 
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凡例(記号一覧)
 

★本ブログ内の関連記事
 スイスの鉄道時刻表
 ドイツの鉄道時刻表
 フランスの鉄道時刻表

2021年3月26日 (金)

オーストリアの保存・観光鉄道リスト

保存鉄道・観光鉄道リスト作成の第2弾として、オーストリア編を更新した。従来、サイトに上げていたのは2005年時点のデータだから、16年も経てばさすがに状況は変化している。盛業中の鉄道が多数を占める中で、不幸にも活動を停止したり、今後の存続が危ぶまれているものもあった。

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ÖBBブレンナー線ザンクト・ヨードック St. Jodok 付近を行く
ユーロシティ(2019年)
Photo by Frans Berkelaar at wikimedia. License: CC BY 2.0
 

フランス編と同じように、スペクタクルなルートを通る一般路線を含めて、1ページにまとめているので、ご覧いただければ幸いだ。

「保存・観光鉄道リスト-オーストリア」
http://map.on.coocan.jp/rail/rail_austria.html

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「保存・観光鉄道リスト-オーストリア」画面

オーストリアの保存鉄道事情は、ドイツやフランスとは様相が異なり、760mm軌間の狭軌路線が過半を占める。760mmは、イギリス由来の2フィート半(30インチ、762mm)をメートル法で再定義した軌間だが、今のボスニア・ヘルツェゴビナに大規模な路線網があったことから、ドイツ語ではボスニア軌間 Bosnische Spurweite/Bosnaspur という。

オーストリアでこの軌間が採用されたのは、1890年前後から第一次世界大戦ごろまでに建設された地方支線だ。幸いにも、多くが改軌や廃止を免れて残っている。標準軌線の駅を起点に谷筋を遡っていくルートが多いが、中には谷を上り詰めて峠越えを果たすものもある。後者はたいてい急勾配急曲線の険しい線形のため、蒸気機関車泣かせの、しかしファンには見せ場の多い人気路線になっている。

以下に掲げる3線はいずれも旧ÖBB(オーストリア連邦鉄道)線で、2010年に地元のニーダーエースタライヒ州に移管され、地域の観光資源として活用されている例だ。

項番1:ヴァルトフィアテル鉄道 Waldviertelbahn

北線と南線、それにハイデンライヒシュタイン Heidenreichstein 支線を合わせて82kmの長さがある。北線と南線は移管後、観光鉄道として再生された。夏のシーズンに毎日気動車が走っているが、日を限って蒸機が旧型客車を牽くノスタルジー列車も登場する。また、ハイデンライヒシュタイン支線でも、別途愛好団体が保存蒸機を運行している。

北線では、本線と支線が約2km並行する区間を舞台にした「アルト・ナーゲルベルクの並走 Parallelausfahrt von Alt-Nagelberg」がおもしろい。2本の蒸気列車が同時発車し、抜きつ抜かれつの競争を繰り広げる。もちろん演出なのだが、列車の乗客も応援に加わって、大いに盛り上がる。

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「アルト・ナーゲルベルクの並走」を終えた列車が
本線(右)と支線に分かれていく(2005年)
Photo by Herbert Ortner at wikimedia. License: CC BY-SA 3.0
 

一方、南線には大陸分水嶺を越える約8kmの峠道、通称「ヴァルトフィアテルのゼメリング Waldviertler Semmering」がある。最急勾配28‰の急坂に挑むMh形蒸機の奮闘ぶりが見ものだ。

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「ヴァルトフィアテルのゼメリング」に挑むMh形蒸機
(2019年)
以下、コピーライト表示のないものは筆者撮影

*注 鉄道の詳細は「オーストリアの狭軌鉄道-ヴァルトフィアテル鉄道 I」「同 II」「同 III」参照。

 

項番9:マリアツェル鉄道 Mariazellerbahn

カトリックの重要な巡礼地マリアツェル Mariazell に向かう電化路線で、一般旅客輸送を行っているが、旧型電気機関車または蒸機が牽く特別列車も運行される。全線86kmのうち、特に後半の山線 Bergstrecke は、小回りの利く狭軌の特性を如何なく発揮した区間だ。ヘアピンカーブを介した3段折り返しの坂道、高峰エッチャーを眺望しながらたどるエアラウフ峡谷の桟道、山中の貯水池を巻くレイアウトのような迂回路と、車窓は変化に富み、見飽きることがない。

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ザウグラーベン高架橋 Saugrabenviadukt にさしかかるET形電車
(2017年)
Photo by Liberaler Humanist at wikimedia. License: CC BY-SA 3.0

*注 鉄道の詳細は「オーストリアの狭軌鉄道-マリアツェル鉄道 I」「同 II」参照。

 

項番11:イプスタール鉄道 Ybbsthalbahn

支線を含め延長77kmと、上記2線にも匹敵する長大路線だったが、すでに大半で一般輸送が廃止され、見る影もない。幸い、東部にある峠越えルートでは線路が残され、「イプスタール鉄道 山線 Ybbsthalbahn Bergstrecke」の名で、愛好団体により保存運行が維持されている。牽引するのは蒸機または旧型ディーゼル機関車だ。最急勾配31.6‰、最小曲線半径60mと、こちらも劣らず険しいルートで、途中にある2本の華奢なトレッスル橋が行路のアクセントになっている。

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ヒューナーネスト高架橋 Hühnernest-Viadukt を渡る蒸機
(2007年)
Photo by Herbert Ortner at wikimedia. License: CC BY-SA 3.0

*注 鉄道の詳細は「オーストリアの狭軌鉄道-イプスタール鉄道 I」「同 II」参照。

非電化線ばかりでなく、電車が走る狭軌線にも見どころがある。

項番13:ペストリングベルク鉄道 Pöstlingbergbahn

リンツ Linz の旧市街と、巡礼教会が建つ北郊の丘の上を結ぶために、ラックレールなし(=粘着式)で116‰もの急勾配を克服している驚異の鉄道だ。現在は900mm軌間の連接式トラムが市内から直通するが、2008年まではメーターゲージ(1000mm軌間)の独立路線で、特殊な非常用ブレーキを備えた専用車両が山上との間を往復していた。その旧車の一部が足回りを交換のうえ、週末の定期運行に投入されており、かつての様子をしのぶことができる。

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起点ハウプトプラッツ Hauptplatz に停車中の改造旧車
(2018年)

*注 鉄道の詳細は「ペストリングベルク鉄道 I-概要」「同 II-ルートを追って」参照。

 

項番37:インスブルック・ミッテルゲビルゲ鉄道 Innsbrucker Mittelgebirgsbahn
項番38:シュトゥーバイタール鉄道 Stubaitalbahn

どちらもインスブルック Innsbruck 市街から南方に出ていくメーターゲージの電化路線だ。ミッテルゲビルゲ鉄道というのは開通時の名称で、1930年代にインスブルック市電(IVB)に統合され、それ以来、6系統を名乗っている。終点イーグルス Igls は、ジル峡谷 Sillschlucht 上部のテラス(棚状地)に載る村で、そこまでトラムが、山岳路線顔負けの連続オメガループを上っていく。残念ながら、並行バス路線との競合から廃止が検討されており、現状は日祝日のみの運行だ。

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終点イーグルスで発車を待つトラム(2017年)
Photo by Simon Legner at wikimedia. License: CC BY-SA 4.0
 

一方、シュトゥーバイタール鉄道は健在で、インスブルック駅前から、市内軌道を経由して谷奥の終点フルプメス Fulpmes までトラムが直通する。6系統に比べて走行距離が長いだけでなく、ルートの平面形もはるかに技巧的だ。アルプスの高峰群に囲まれた見通しのきく高台を走り通すので、オーストリア屈指の美しい車窓風景が長く楽しめる。

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ノルトケッテ Nordkette の山並みを望む
クライト Kreith 停留所にて(2019年)

数は少ないものの、標準軌(1435mm)の保存鉄道、観光鉄道ももちろん存在している。

項番8:ヴァッハウ鉄道 Wachaubahn

ÖBBドナウ河畔線 Donauuferbahn は、ドナウ川の渓谷に沿う景勝路線としてトーマス・クックの鉄道地図にも描かれていた。しかし輸送路としては傍流のため、中間部の廃止で東西に分断されてしまった。ニーダーエースタライヒ州に移管された東側のうち、クレムス Krems とエンマースドルフ Emmersdorf 間34.1kmでは、ヴァルトフィアテル鉄道と同様に夏のシーズン中、観光列車が走る。古城やブドウ畑の織り成す渓谷の景観を愛でながら、気動車でたどる約1時間の列車旅だ。

復路は、ドナウ下りの船に乗ってもいいし、路線バスで有名な修道院のある対岸のメルク Melk へ出るのもお勧めだ。

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ドナウ河畔のブドウ畑を貫く
デュルンシュタイン Dürnstein 付近の線路(2015年)
Photo by Chris De Wit at wikimedia. License: CC0 1.0
 

項番22:エルツベルク鉄道 Erzbergbahn

オーストリア最大の鉄鉱山から鉱石を搬出していたエルツベルク鉄道には、最大71‰の急勾配があり、1978年までアプト式ラックレールが使われていた。峠を越える中央区間での定期輸送は2001年が最後となり、現在はフォルデルンベルク・マルクト Vordernberg Markt~エルツベルク間で行われている旧型レールバスによる保存運行が、産業路線を体験できる唯一の方法だ。鉱山自体は今も稼働しており、列車が峠のトンネルを出ると、露天掘りの荒々しい採掘現場が見えてくる。

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エルツベルクに向かうレールバス
フォルデルンベルク Vordernberg 付近にて(2019年)
Photo by Liberaler Humanist at wikimedia. License: CC BY-SA 3.0
 

項番30:ローゼンタール蒸気列車 Rosenthaler Dampfzüge

ケルンテン南部、ローゼンタール Rosental の旧ÖBBフェルラッハ線 Ferlacher Bahn で実施されている保存運行で、ヴァイツェルスドルフ Weizelsdorf とフェルラッハ Ferlach の間を蒸気列車が走る。これ自体は片道30分程度の短いものだが、終点に待機している路面電車(またはボンネットバス)が、訪問者を駅近くの製鉄所跡に造られた交通博物館「ヒストラーマ Historama」へ連れて行ってくれる。往復券(コンビチケット)を買うと、これら一連の料金が含まれている。

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ローゼンタール蒸気列車のチラシ
© 2021 Nostalgiebahnen in Kärnten

急坂を上るラック鉄道についても触れておこう。上記のエルツベルク鉄道ではラックレールが解体されてしまったが、オーストリアにはほかにも3か所で残っている。これらに共通しているのは、スイスのような電化の洗礼を受けなかったことで、そのため、今なお蒸機か気動車が運行の役を担っている。

項番5:シュネーベルク鉄道 Schneebergbahn

ウィーナー・ハウスベルゲ(ウィーンの地元の山々)Wiener Hausberge の代表格であるシュネーベルク山 Schneeberg に上る登山鉄道で、ラックはアプト式だ。長らくÖBBに属していたが、上記の狭軌線などに先駆けて1997年から、州とÖBBが設立した別会社が運行を担うようになった(インフラ移管は2012年)。奇抜なまだら模様をまとった気動車「ザラマンダー Salamander(サンショウウオの意)」が、山麓と山上の間を約50分で結んでいる。

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山上のエリーザベト教会前を通過する「ザラマンダー」
(2018年)

*注 鉄道の詳細は「オーストリアのラック鉄道-シュネーベルク鉄道」「シュネーベルク鉄道再訪記」参照。

 

項番20:シャーフベルク鉄道 chafbergbahn

映画「サウンド・オブ・ミュージック」の一カットにも登場したアプト式登山鉄道だ。標高1782mのシャーフベルク山 Schafberg は、ザルツカンマーグート Salzkammergut の三つの湖を眼下に望む天然の展望台として、観光客にはつとに人気が高い。老齢の旧型に代わり石油焚きの新型蒸機が導入されており、煙の迫力は劣るものの、映画のイメージもまだ保たれている。

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シャーフベルクアルペ Schafbergalpe で対向列車を待つ新型蒸機
(2010年)
Photo by brandiatmuhkuh at wikimedia. License: CC BY 2.0

*注 鉄道の詳細は「オーストリアのラック鉄道-シャーフベルク鉄道」参照。

 

項番34:アッヘンゼー鉄道 Achenseebahn

チロル州にあるラック鉄道だが、目的地は山頂ではなく、高台の湖畔だ。そこで、湖上を渡る船に連絡している。開通時期がより古い(1889年)ので、ラックレールは初期の方式であるリッゲンバッハ式だ。石炭焚きの古典蒸機が使われ続けていることでも注目を集めてきたが、残念なことに2020年3月に運営会社が破産して、運行が止まった。現地の報道によれば、新会社が設立され、2022年5月の再開を目指している。

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終点ゼーシュピッツ Seespitz で湖上船に連絡する蒸気列車
(2005年)
Photo by Herbert Ortner at wikimedia. License: CC BY 2.5

*注 鉄道の詳細は「オーストリアのラック鉄道-アッヘンゼー鉄道 I」「同 II」参照。

オーストリアの国土の西部から中央にかけては、スイスから続くアルプスが占めている。ユネスコ世界遺産に単独登録されたゼメリング鉄道 Semmeringbahn は、その東端を横断する鉄道だ。ほかにも、タウエルン線 Tauernbahn、ミッテンヴァルト線 Mittenwaldbahn など、ÖBBの一般路線に景勝ルートがたくさんある。点在する小鉄道を訪ね歩くのはもとより、その道中でさえ、列車旅の楽しみはいくらでも発掘できるだろう。

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