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2006年6月13日 (火)

ルーマニアの1:50,000旅行地図

Blog_romania

膨大な在庫リストを持つアメリカの地図販売店オムニマップ Omnimap でも、ルーマニアの官製地図は、1:100,000が193面のセット販売のみ。1:200,000はバラ売りしているが、1枚24.95USドルと、あまりにも吹っかけた価格だ。地図事情のよくない国では、1:500,000以下の「全図」か、1:50,000以上の市街図(等高線無し)は出回っているが、その間の縮尺がないという例が多い。等高線入りの地図は概して軍事用として作成・管理されているので、市中の書店には卸していないのだ。

ルーマニアの国土の1/3は山地で、東西に延びるトランシルヴァニア・アルプスは標高2500m級の山が連なる。山歩きの地図が必要なら、ハンガリーのブダペストにあるディマップ社 Dimap が20種以上刊行しており、国外の地図販売店でも入手できる。

写真は首都ブカレストの西300kmにあるレテザト山地 Munţii Retezat の旅行地図。山地には標高2509mのペリャガ峰 Vârful Peleaga を筆頭に2400m以上のピークが5峰そびえ、発達した圏谷(カール)には大小58個もの湖ががたたえられている(これ以外に季節的に湛水するものが40余あるという)。説明書きによれば1100種以上もの植物が自生するルーマニアの自然保護発祥の地で、1935年には最初の国立公園に指定されたとある。あまり下調べもせずに買った地図から、まだ見ぬ土地への憧れが始まるのは、筆者にはよくあること。さいわいにもこの地図の裏面には、ルーマニア語、ハンガリー語に加えて英語でも山地の概要が紹介されている。

残念なのは等高線間隔が50mと、縮尺1:50,000にしては大雑把だ。せめて日本並みの20m間隔が望まれる。50m間隔ということは40mの起伏でも表現できないことになるので、この地図だけを信じてトレッキングするのは勇気がいると思う。さらに、崖の記号が平板で無骨だし、地勢を強調するために入れてあるぼかしが薄くて立体感が乏しいなど、想像力に訴えてくる地図でないのは事実だ。欧米のトレッキングルートは道標が整備されていることが多いから、地図の役割は歩きのペース配分をチェックすることで、あまり細かい表現は不要なのかもしれないが。

■参考サイト
オムニマップ http://www.omnimap.com/
ディマップ社 http://www.dimap.hu/

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