2009年11月26日 (木)

日本鉄道旅行地図帳 歴史編成

Blog_japan_railatlas2 今年(2009年)4月に12巻で完結した新潮社「日本鉄道旅行地図帳」に、11月20日、外地編2巻が追加された。タイトルを「日本鉄道旅行地図帳 歴史編成 朝鮮・台湾」「同 満洲・樺太」といい、日本がこれらの地域に関与していた1945(昭和20)年以前に記述対象を限定した、この上なくユニークな鉄道地図帳だ。

既刊の国内編と同じ体裁をとっているが、いうまでもなく実際の旅行に持参する実用品ではない。64年前の敗戦で図らずも断絶してしまった外地の鉄道網を、幹線から産業軌道まで忠実に再現しようとした過去完了形の地図だ。当時すでに存在しなかった路線や施設も廃線廃駅の扱いで記載しているので、一目でわかる外地鉄道発達史と言い換えてもいい。地形図で内外の鉄道の軌跡を追っている筆者にとっては心待ちにしていた企画で、しかも1冊680円の大衆価格で提供されるとあっては夢のようだ。

その一冊、朝鮮・台湾編は「一目でわかる東京からの時間・距離(昭和15年)」というページから始まっている。これが、いわば歴史編成2巻のプロローグだ。北は上野駅から稚内を経て樺太の豊原へ、南は東京駅から門司を経て台湾の高雄へ、東は下関から釜山、奉天、そしてロシア国境の満洲里へ、当時の交通路は鉄道と航路をつなげて南北4700km、東西4000kmもの範囲を覆っていた。代表的な列車の到達日数を主要駅ごとに追うだけでも、この地図帳が扱うネットワークの広大さが伝わってくるだろう。

各地域の構成はおよそ次のようだ。まず地域全体の概観図がある。この図だけは1945年以降に開通した路線も描かれているので、戦前戦後を通じた路線網の整備状況が比較できる。続く略年表は、簡潔かつ的確にまとめられている。先に進む前に、ここでプロフィールを頭に入れておきたい。

メインの全線全駅鉄道地図は、国内編と似た仕様だが、現役線、廃線を問わず一つの図にまとめられている。記号はどうか。まず鉄道路線は、内地の国鉄に相当するものを黒(南満洲鉄道は藤色)、私鉄線を深緑、その他の鉄道を赤の細線で描く。廃線はそれぞれ色を変えている。駅は、機関区設置駅を色で区別するほか、信号所、軍用信号場、貨物駅、さらにスイッチバック駅にも記号を与えている。主要都市は拡大図が用意され、路面電車のルートが移設の跡を含めて克明に描かれている。

既刊シリーズの特色だった旅行地図というサブテーマも疎かにされてはいない。名産品や温泉場の注記、吹き出しの一口コメントといった文字情報に加えて、古い市街図や初三郎の鳥瞰図、実景写真が臨場感を盛り上げる。さらに、乗車券、駅のスタンプ、駅弁掛紙といった鉄道コレクションが随所に散りばめられて、空想旅行にいっそう華を添えている。

地図帳のもう一つの柱である駅名一覧も、国内編の形式を踏襲したものだ。路線別に軌間、動力、沿革、駅名、キロ程、開業・廃止日、読み方と一通りのデータが揃っている。先達の研究資料に拠っているとはいえ、今は幻となった路線群の歩みを丹念にまとめた努力には頭が下がる。

ここで、筆者が推す地図帳の見どころを地域別にあげておこう。

朝鮮半島では、北部の山岳地帯が興味深い。鉱物資源や森林資源を求めて、いくつもの産業鉄道が海岸から内陸の鴨緑江水系へと延びている。線形の詳細図を見ると、険しい分水嶺を越えるために、ループ、スイッチバック、インクラインとあらゆる手段が試みられて、まるでルート設計のポートフォリオだ。今では容易に足を踏み入れることができない地域だけに、稀少感が募る。

台湾では、西岸の平野部に自然と目が行く。一帯に張り巡らされたおびただしい路線群は、サトウキビを運ぶ製糖鉄道だ。国鉄幹線から製糖会社直営のナローゲージが分岐し、台車軌道がその間隙を補っている。そのさまはあたかも葉脈か血管系のようだ。台中、台南は1:400 000の2倍拡大図が用意されていて、細部までよくわかる。

満洲は、個別の路線よりも冒頭の全体図に注目したい。1932年の満洲国成立と1945年の第2次大戦終結を境に、鉄道を建設年代で色分けしている。西からロシアが手を伸ばし(東清鉄路)、南からは日本が進出し(南満洲鉄道)、満洲国時代に地方線が追加され、戦後中国によって現在の鉄道網が完成した。日本がほとんどの路線を手がけた他の3地域とは違って、当地の鉄道が秘める複雑な成立過程を、この地図は見事に物語っている。

樺太は路線が数えるほどしかない。南部はまだしも樺太中部の図では、ソ連国境をめざす樺太東線が1本あるほかは、西海岸のはかなげな炭鉱軌道ばかりだ。寒風に曝される最果ての鉄路が地図の上からも想像できる。

Blog_japan_railatlas3

新潮社からは、同時に「満洲朝鮮復刻時刻表」も発売された。各地域で刊行された貴重な列車時刻表の復刻版を4種セットしたものだ。鉄道地図に時刻表と、プランニングの必須アイテムが揃って、しばらくはまた、机上旅行で時間が足りなくなりそうだ。

■参考サイト
新潮社「日本鉄道旅行地図帳」  http://www.shinchosha.co.jp/railmap/

「日本鉄道旅行地図帳」国内編については、以下で紹介した。
 新潮社の日本鉄道旅行地図帳
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/01/post-0823.html

また、外地の鉄道のいくつかは、本ブログでも地形図とともに紹介している。
 樺太 豊真線を地図で追う
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/11/post-541a.html
 朝鮮半島 金剛山電気鉄道を地図で追う
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/04/post-6e09.html
 台湾 台東線(現 花東線)を地図で追う
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2008/09/post-0728.html
 台湾 阿里山森林鉄道を地図で追う
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2008/09/post-a329.html

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2009年11月19日 (木)

ドイツの鉄道地図 V-キュマリー・ウント・フライ社

Blog_germany_railmap7 長年、スイスの公式交通地図を刊行し続けているキュマリー・ウント・フライ社Kümmerly+Frey(K+Fと略する)のカタログに、今年新たにドイツの鉄道地図が加わった。タイトルは「ドイツ鉄道旅行地図Rail Travel Map Deutschland / Rail Travel Map Germany」で、大判用紙の片面に、縮尺1:800 000でドイツ全土の鉄道路線を描いたものだ。編集はバイルシュタイン社Beilsteinの手による。地図に添付された68ページの小冊子には、主要駅の構内図と地名索引を収めている。

本ブログの「ドイツの鉄道地図 II」でドイツ交通クラブVCDの、ほとんど完璧に近い全線全駅地図を紹介したが、同じジャンルに新商品を投入するからにはそれなりの勝算があるに違いない。事実、VCDの地図とは内容がかなり異なり、タイトルどおりトラベルマップを志向していることは明白だ。

鉄道は、高速線を青で、在来線を赤で、貨物線(旅客列車が廃止された路線を含む)を灰色で描き、さらに電化・非電化、狭軌などの区別がある。列車種別や運行頻度を線の色や太さで細かく表現しようとしたVCDに比べると、ごくオーソドックスな分類といっていい。バス路線の記号も設けられているが、表示区間は極めて限られている。駅は、全て表示されているわけではない。縮尺上の限界で描ききれない都市近郊だけでなく、地方でもVCDに比べて間引かれている。それに対して、地名は鉄道路線に関係なく豊富に記載され、添付の索引ですべて検索できるようになっている。また、時刻表番号が、バスや航路を含めて路線にもれなく付されている。

鉄道旅行用の地図なのだから、時刻表とのリンクは当然といえば当然だが、それ以外にも旅心を誘うしかけが用意されている。たとえば、蒸気機関車が走る保存鉄道は、運行区間をオレンジの線で重ね書きしたうえ、蒸機のマークをつけ、さらに欄外の余白に運営団体のURLまで列記している。また、シーニック・ルート(景勝区間)には緑の線が引かれ、訪れる価値がある町にも緑のアンダーラインが添えてある。森林に緑の網掛けを施しているのも、類図にはあまり見られないことで、何らかの心理的効果を狙っているようだ。

シーニック・ルートといえば、トーマス・クックのヨーロッパ鉄道地図The Thomas Cook Rail Map of Europeに偉大な先例がある。試しに、両者で同じルートが選ばれているのか比べてみた。結果は、両者重なってはいるものの、K+Fのほうが明らかに区間を限定する傾向があることがわかった。言い換えれば、基準が厳しいということだ。極端な例では、南部のバイエルンアルプスBayerische Alpen北麓のミュンヘンMünchenからリンダウLindauへ行く路線(時刻表番号970)など、クックではブーフローBuchloe以西約150kmを全線推薦するのに対して、K+FはケンプテンKempten南郊のわずか5km余りだけが対象だ。西側の車窓で湖が見える点が評価されたらしい。逆にクックが無視している北部や中部の路線の景色でも、K+Fはこまめに拾っている。その審美眼は地形図で確かめると納得がいく。

Blog_germany_railmap7_legend K+F図で特に斬新なのは、凡例、すなわち地図記号の意味を説明する個所だ。通常なら公用語のドイツ語のほかに英語やフランス語など主要言語が併記されるところだが、右写真のとおり、文章が一切なく、ピクトグラム(絵文字)が組合せてあるだけだ。EUの公用語は23もあるそうだし、まして非ヨーロッパ圏からの旅行者にも理解してもらうには、ヨーロッパの駅で普及しているこの方式が最適ということだろう。

写真の地図記号を解釈すると、左列の1行目のピクトグラムは左から高速線、標準軌(1435mm)、電化の意味だ。2行目の最初の記号は、先頭車マークの横顔が平板なので在来線、3行目の最初の記号は、パンタグラフがないから非電化を表している。4行目の2番目の記号は上と紛らわしいが、よく見ると1435mmの前に「小なり」記号があり、線路幅も狭めなので狭軌線と判断がつく。右列2行目の4番目の記号は貨車なので貨物専用線だ。4行目はバス路線、5行目は航路(外洋と内陸河川)だとわかるが、6行目の船と列車の組合せが、車両を航送するフェリーだとすぐに気づくだろうか。駅で見かける切符売り場やコインロッカーの記号と違ってオリジナルマークなので、ものによっては判じ物に近い。できるなら自然言語を書き添えてほしいところだ。

表紙にある四角の中の蜂の巣のようなマークはビータグBeeTaggといって、携帯電話でおなじみのQRコードより新しい二次元コードだそうだ。ピクトグラムといい、このコードといい、紙の地図でもまだまだ人を驚かせることができるぞと言いだけな編集姿勢が小気味よい。K+F社とバイルシュタイン社の共同作業は、ヨーロッパ鉄道地図に次いで2作目だが、まだ作業中の企画があるという。次はどの国の鉄道が描かれるのか、同社のサイトから当分目を離せない。

■参考サイト
バイルシュタイン社 http://www.beilstein.biz/
 英語版あり。フランクフルト周辺のサンプル図が公開されている。
キュマリー・ウント・フライ社ショッピングサイト http://www.swisstravelcenter.ch/
 上記だけでなく、アマゾンや紀伊國屋BookWebでも扱っている。

本ブログで紹介したK+F社の鉄道地図
 スイス鉄道地図
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2006/10/_i_9f60_1.html
 ヨーロッパ鉄道地図
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/03/iv-6967.html

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2009年11月15日 (日)

ドイツの鉄道地図 IV-ウェブ版

Blog_germany_railmap_hp 以前の記事で、出発地と目的地と乗車日を入力すると最適の列車を表示するオンライン時刻表が、旅を想像する愉しみを奪ってしまったと嘆いたことがある。それを聞き取ってくれたとは思えないが、ドイツ鉄道Deutsche Bahnのサイトにある「電子時刻表Elektronisches Kursbuch」では、冊子にすれば電話帳を超える厚さになるテーブル形式の時刻表を、まるごとPDFで提供している。地域別におのおの数百ページ、30~40MBもあるような重いファイルだが、それと同時に、ドイツ鉄道の旅客全線を表した鉄道地図も見ることができる。

■参考サイト
ドイツ鉄道時刻表サイト http://kursbuch.bahn.de/
左メニュー上部の"Interaktive Übersichtskarte"(対話式一覧図) > "Streckenkarte"(路線図)
表示された図をクリックすると拡大する

この鉄道地図は、本ブログの「ドイツの鉄道地図 I」でタイプAに分類した「旅客線一覧図Übersichtskarte für den Personenverkehr」で、一般の書店では扱っておらず、DBに直接請求するしかなかった(有料頒布)。ウェブ版は1個のPDFファイルではなく、小さな窓で必要に応じてクリックで上下左右に移動する方式だ。操作の手間はあるが、常に最新版が見られるのはありがたい。

地図上で鉄道線は数種の記号に分類されていて、最も太い実線は長距離列車の走る線区、いわば幹線を示す。それより少し細い線は近距離線区(地方線)、最も細い実線は保存鉄道、二重の破線は工事中の高速鉄道だ。いずれの場合も、短いヒゲが立っているのは電化区間という意味になる。そのほか、バス代行、鉄道フェリー、航路、登山鉄道の記号も用意されている。一方、駅の表示は必ずしも全駅を網羅してはいない。特に大都市近郊のように路線が稠密な地域は、1:1 200 000(120万分の1)という縮尺ではとうてい描ききれるものではないからだ。ちなみに、ドイツ統一以前の鉄道地図には全駅が表示されていたが、縮尺は1:425 000と現在よりかなり大きく、さらに主要都市は拡大図があった。

冊子が決してまねのできないのは、地図上の時刻表番号に埋め込んである線区ごとの時刻表へのリンクだ。地図と時刻表をワンストップで接続するこの機能は、単純なことながら非常に便利で、地図をPDF形式にしない最大の理由はここにあるのだろう。

さて、メニューの"Streckenkarte"の下には、"Verbundkarte"(フェアブントカルテ、直訳すると連合地図)というのがある。開いてみると同じような鉄道地図だが、ベースが多色に塗り分けられている。これは地域交通事業者の連合体、「運輸連合Verkehrsverbund」のエリアを表現した地図だ。ヨーロッパを旅すると、一定の区域内で鉄道、トラム、バスなど事業者を問わず使える共通切符が普及している。これを実現しているのが運輸連合で、案内所や時刻表も統一するなど、公共交通機関の利用促進に貢献してきた。組織化が広範囲に及んでいることがこの地図でよく分かる。

なぜかラトビアの旅行社のサイトに、「連合地図」のPDF版が上がっている。インタラクティブマップではまどろっこしいという方は、こちらをダウンロードされるといい。

■参考サイト
Latviatours  http://www.latviatours.lv/
トップメニューのVilcieni (Trains) > Ceļošana pa Vāciju (Travel in Germany) > Dzelzceļu tīkls Vācijā (Railway network in Germany)
ファイルのURLは以下のとおり(リンク切れご容赦)。
http://www.latviatours.lv/upload/Vilcieni/Dzelzcelu_tikls_Vacija.pdf

ドイツ鉄道のサイトに戻ると、地域別の詳しい鉄道地図が左メニューのBand A以下に多数用意されている。それぞれのサブメニューに"Übersichtskarten"(一覧図)あるいは、"Netzpläne"(路線図)とあるのがそれで、Band Aには長距離列車網を表した図があるし、Band Bにはベルリンを含む東北部各州にある運輸連合の路線図が並んでいる。市内交通網まで一つのサイトですべて閲覧できるというのは、会社別のサイトを一つずつ探さなくてはならない日本に比べて、ずいぶん先を行っていると言わざるを得ない。
(2008年11月6日付「ドイツの鉄道地図 III」を改稿)

■参考サイト
印刷された鉄道地図については、以下参照
本ブログ「ドイツの鉄道地図 I-DB公式地図」
http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/11/idb-9c6a.html
同「ドイツの鉄道地図 II-ドイツ交通クラブ(VCD)」
http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/11/ii-vcd-0e27.html

ドイツの鉄道地図 V-キュマリー・ウント・フライ社

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2009年11月14日 (土)

ドイツの鉄道地図 III-シュヴェーアス・ウント・ヴァル社

Blog_germany_railatlas1 以前、ドイツの保存鉄道について調べる機会があった。蒸機の本線走行から軌間600mmの森林鉄道まで、多様な形態の動態保存が至るところで行われている。それは筆者の想像を超えるボリュームだった。リスト編集の際に参考にしたのは、10年以上も前に買ったシュヴェーアス・ウント・ヴァル社Schweers+Wallの「ドイツ鉄道地図帳Eisenbahnatlas Deutschland」(1994年版、右写真)。別項でスイス鉄道地図帳を紹介したが、その姉妹編だ。

ドイツは同社の地元(所在地はケルンKöln)で、読者層も厚いのだろう。この地図帳は、同じシリーズのなかで唯一、定期的に更新されていて、公式サイトによると、最新は2009/2010年版になっている。筆者はさすがに毎回購入するほどの情熱は持ち合わせていないので、手元にある2005/2006年版を用いての説明になることをお許し願いたい。

かつての1994年版は、今から思えばイギリスのベーカー鉄道地図帳に似ていた。水系だけを描いた背景に現存線中心の路線図が載っているという飾り気のない図面で、索引を含めても138ページしかない。それに対して、2005/2006年版はフルカラーになり、休止線や廃止線のルートも細かに記載されて、充実度は格段に向上している。ページ数も208ページと大幅に増えた。そのうち、鉄道地図が151ページを占め、残りは駅名索引や鉄道会社一覧などの資料に充てられている(右下写真、左側は表紙、右側は裏表紙)。

Blog_germany_railatlas2 地図の縮尺は1:300 000だ。スイス編の1:150 000に比べると小縮尺だが、スイスの8.6倍の面積を有する国なので、1冊に収めるならこのあたりが妥当な縮尺なのだろう。精度を補うために、主要都市とその近郊については、縮尺1:50 000~1:100 000の拡大図が多数用意されている。

使われている記号はスイス編とほぼ同じで、線路に関しては幹線・地方線、単線・複線、電化方式、狭軌線、貨物線、休止・廃止線、予定線、そして運行者と線路所有者名(日本でいう第二種、第三種)、DBの線区番号と時刻表番号と、実に豊富だ。これに旅客駅、貨物駅、操車場といった施設記号が添えられ、都市部の拡大図ではトラムや地下鉄が青色で加わって、ますます賑やかになる。

地図記号に注目すると、スイス編にはないものもある。たとえば近郊列車Sバーン S-Bahn、地下鉄U-Bahnの表示だ。スイスでも近郊列車をSバーンと呼んでいるが、地図に表示せず別表にまとめているのだ。可動式橋梁という記号も独特だろう。低地が続く北海やバルト海の沿岸に見られる、船舶を通すために橋桁が動く橋のことだ。橋桁が回転する旋回式、上に引き上げる昇開式、両側に跳ね上げる跳開式と、記号で方式まで分かる。

凡例に上がっていないものでは、急勾配の表示がある。スイスの山間部に比べれば土地の起伏は比較的緩やかだが、ライン川の側壁やテューリンゲン森、黒森(シュヴァルツヴァルト)などには、局所的に普通鉄道で60‰前後という相当急な坂道が存在する。そういう区間には、道路地図で見かけるような、V字を縦に重ねた記号に最急勾配の数値が添えられている。南ドイツのバイエルンアルプス地域ではチェアリフトの記号も見つかった。

休止線、廃止線の活用法がわかるというのもユニークだ。休止線を保線用の手漕ぎや足漕ぎの台車で走行できる場合は台車(ドライジーネDraisine)を模した記号、廃線跡を転換した自転車道には自転車の記号が付されている。現役の路線だけでなく、役目を終えた路線の行く末にも注意が払われているのはファンにとってうれしい。

ところで、ドイツ鉄道地図帳にはDVDに格納されたディジタル版もある(現時点では2008年版が最新)。価格が冊子の40ユーロに対して58ユーロと割高なだけに、広告ではそれに見合う高機能性を盛んにアピールしている。たとえば、概観図から詳細図へ、ワンクリックで拡大や並列表示ができる。現役線だけを表示したり、廃止線を加えたり、あるいは植生や施設の説明などの表示をオンオフしたりと、レイヤーの選択によって情報を自由に組合せられる。各種データをテキスト形式で利用できる。カーナビを使い慣れた人なら、冊子よりも親近感が湧くかもしれない。地形図のディジタル提供が進んでいるが、鉄道地図を同じように進化させた例は、おそらくこれが最初だ。

この地図帳は、アマゾン、紀伊國屋といった日本のオンライン書店でも取り扱っているので、容易に入手できる。
(2006年11月3日付「ドイツの鉄道地図 II」を改稿)

■参考サイト
シュヴェーアス・ウント・ヴァル社 http://www.schweers-wall.de/

ドイツの鉄道地図 IV-ウェブ版

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2009年11月13日 (金)

ドイツの鉄道地図 II-ドイツ交通クラブ(VCD)

前回、ドイツ鉄道Deutsche Bahn (DB) の公式地図を紹介して、縮尺と内容を基準に3つのタイプ(A~C)に分類した。このうち最小縮尺のタイプAは主要駅、鉄道路線のみの表示だが、時刻表添付という経歴から察せられるように、通常の旅行なら十分間に合うものだ。しかし、小駅の位置を確かめたいとか、駅から先のバス路線を知りたいというときに応えるすべがない。そういったニーズを満たすには、タイプBやCのような、より大きい縮尺でないと無理だろう。ここで紹介する鉄道地図は、タイプBの縮尺1:750 000を引き継ぎながらもデザインが見違えるほど改良され、かつタイプCをしのぐ情報量が備わる独立した出版物だ。

Blog_germany_railmap5 「ドイツ バス・鉄道路線図Fahrplankarte für Bus und Bahn - Deutschland」(右写真)は、ドイツ交通クラブVerkehrsclub Deutschland (VCD)が編集、関連会社のフェアケーア出版社Fairkehr Verlagが発行する(Fairkehrは、ドイツ語で交通を意味するVerkehrと英語から来たfairをかけたもの)。公式サイトによると、VCDは1986年に設立され、持続可能な交通社会(サステイナブル・モビリティ)を追求するために、環境に優しい交通手段の情報提供や政策提案を行っている組織だ。この地図も、公共交通機関の利用促進という組織の目的に沿った事業の一つなのだろう。DBのサイトでも紹介されて、いわば公式地図の扱いを受けている。

地図(折図)と別冊Begleitbuchを収納するプラケースは、折りたためば1.5cm以上の厚みがあるが、内容の厚みもそれに負けていない。地図は両面印刷で、おもて面は旅客鉄道の全線全駅と、鉄道網を補完する主要バス路線を描いた交通地図、裏面はその旅行地図版だ。

Blog_germany_railmap5_legend 鉄道に関する情報はかなり詳細で、路線ごとにどのタイプの列車が走っているか、運行頻度は、所要時間は、停車駅は...など、基本的なものが全て盛り込まれている(右写真は凡例部分)。列車のタイプは遠距離列車(ICE、IC、ECなど)が赤、速達型地域間列車が緑、普通列車は黒の色分けで、運行頻度は線の太さで区別する。主要駅間の所要時間は傍らに添えられた数字でわかる。また、わが国の電車の車内で見かける路線図と同じように、ICEから各停まですべて走っている路線なら実線を3本並行させることで、マトリクスの情報を上手に整理している。バス路線は、むかし鉄道が通じていたような地方の町への便を中心に選択表示し、鉄道同様、線の太さで運行間隔を分類している。タイトルのFahrplankarteは、直訳すると時刻表地図なので、各路線に時刻表番号が添えられているのは当然のことだ。
裏面の旅行用は、トーンを薄めにした上記の交通地図に、長距離歩道、名所、山小屋、自然公園のエリアなどを加刷したものだ。長距離歩道の経由地と鉄道・バス路線との関係が明確に描かれていて、地図作成の意図を明瞭に汲み取ることができる。

都市圏の近郊線S-Bahnや地下鉄U-Bahnは、さすがに1:750 000の縮尺では表現しきれないので、別冊のほうに拡大図Detailkarteが14面用意されている。そのほか別冊には、地域ごとの情報源の一覧や駅名索引など豊富なデータがぎっしり詰め込まれていて、170ページ以上のボリュームがある。

Blog_germany_railmap6 全国版とは別に、地域版もいくつか刊行されている。手元にある「ライン・モーゼル バス・鉄道旅行路線図Fahrplankarte für Ausflüge und Reisen mit Bus und Bahn Rhein-Mosel」は、ドイツ中西部のライン川、モーゼル川流域を1:150 000の縮尺で表したものだ。該当エリアを南北に割って、両面印刷している。

さすがにこの縮尺になると、鉄道はもちろん、郊外バス路線も省略なしに描かれ、すべて所要時間と時刻表番号が付されている。それで、路線が集中する拠点都市には20以上もの時刻表番号が積み木のように重なるありさまだ。別冊には、各地方の運輸連合Verkehrsverbundが作成したオリジナル路線図(都市近郊路線図)があり、主要都市の市街図がある。これらを組み合わせれば、ICEのような幹線列車からトラムやバスの小さな停留所まで、ルートと行き先をはっきり特定できるだろう。情報源一覧は自治体別にまとめられて全国版以上に詳しいので、問合せ先にも迷わなくて済む。これほど徹底した旅行データ集を利用できるドイツの市民を羨ましく思う。

フェアケーア出版社のサイト(下記)に挙がっている地方版鉄道地図は、ヴェーザー・フルダWeser-Fulda、上ライン南部Südlicher Oberrhein、上ライン中部Mittelerer Oberrhein、そして上で紹介したライン・モーゼルRhein-Moselの4種だ。掲載範囲とサンプル図は同社のサイトを参照願いたい。

最後に入手方法について。VCDやフェアケーア社のオンライン発注画面はドイツ国内向けの仕様だが、発注約定書には国外発送料も記載されているのでメール発注は可能だろう。筆者はかつてドイツのアマゾンamazon.deで購入したが、現在はなぜか入手不可のサインが出ている。
(2006年10月27日付「ドイツの鉄道地図 I」を改稿)

■参考サイト
ドイツ交通クラブ(VCD) http://www.vcd.org/
フェアケーア社の地図紹介ページ http://www.fairkehr.de/fahrplankarte/
ドイツ鉄道の地図紹介ページ(文章のみ)
http://www.bahn.de/ > Fahrplan & Buchung > Fahrplaninformationen für Ihre Reise > VCD Fahrplankarten
または直接URL
http://www.bahn.de/p/view/buchung/karten/vcd_fahrplankarte.shtml

ドイツの鉄道地図 III-シュヴェーアス・ウント・ヴァル社

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2009年11月12日 (木)

ドイツの鉄道地図 I-DB公式地図

ドイツの鉄道時刻表総合版DB Kursbuch Gesamtausgabeは、2008~09年版を最後に、PDFファイルに完全移行したのだが、末期の冊子は手提げ付きの箱入りで、中身は9分冊、重さが7kg近くもあった。あまりのボリュームに、ワイン箱と揶揄されたほどだ。ページ数が膨らんだのは、1991~92年版から旧 東ドイツ(当時はまだドイツ国有鉄道Deutsche Reichsbahn(DR)が存続中)の路線も収録するようになったことが影響している。しかしそれ以前、西ドイツ国鉄(ドイツ連邦鉄道Deutsche Bundesbahn(DB))の時代でも、厚さ5cmのまるで電話帳のような状態で、どのみち旅行に携帯できるものではなかった。そのなかで、付録として挿まれていた4色刷の鉄道地図「鉄道・バス一覧図Übersichtskarte DieBahn - Der Bus」だけは、折りたたみのA5判で、扱いやすく役に立つ存在と言えた。

Blog_germany_railmap1 本稿で言及するDB公式地図は縮尺と内容から見て3タイプあるので、この地図(縮尺1:425 000)をタイプCとしておこう。右の写真はその1988年夏版(上は全体、下は一部拡大)だ。現物は85×61cmの大判用紙を使用し、2枚でセットになっている。いずれも両面刷りで、旧 西ドイツを北部、中部、南東部、南西部の都合4面でカバーする。

Blog_germany_railmap1_detail ベースマップは、国境と水系だけのシンプルなものだが、ダム湖や運河も対象で、名称がもれなく入っているのが親切だ。鉄道の記号は赤で示される。遠距離列車が走る路線(幹線)、近距離列車線(支線)、国鉄以外の鉄道(私鉄や保存鉄道)が線の太さで分類され、電化・非電化の区別もある。鉄道から爪のように飛び出しているのは駅の記号で、バス連絡があれば丸、その他は長方形で表される。さらに、駅の記号が出る方向で線路のどちら側に駅舎があるかがわかる。鉄道網を補完しているのが緑の二重線で示されるバス路線で、文字通り網の目のように図面を覆っている。時刻表番号がすべての路線に振られて、完璧な索引地図だった。

Blog_germany_railmap2 再統一後、DBとDRと共同歩調を取るようになると、旧 西側だけで4面を費やすタイプCは姿を消し、代わりに、ドイツ全土を1枚に収めるものが登場した。1993年刊行の、マルコポーロMarco Poloブランドのカバーをまとった鉄道地図2種は、その揃い踏みといえるだろう。タイトルは「ドイツ鉄道公式旅行地図Offizielle Reisekarte der Deutschen Bahnen」と「ドイツ鉄道公式路線図Offizielle Streckenkarte der Deutschen Bahnen」。前者の縮尺1:1 200 000(120万分の1)をタイプA、後者の1:750 000をタイプBとしておく。残念ながら筆者は持っていないので、Bahn+Bus CHのサイト(下記)から画像を引用させてもらった(そのため拡大画像はない)。

■参考サイト
Bahn+Bus CH, Bibliographie: DB - Landkarten
http://www.bahn-bus-ch.de/bahnen/db2/biblio-l.html

Blog_germany_railmap3 実見していないので確実ではないが、タイプAの「旅行地図」は、57.3×74.7cmという用紙サイズ(下注)や、内容がDB公式時刻表に対応しているという記述から、近年の時刻表に添付されていた「旅客線一覧図Übersichtskarte für den Personenverkehr」を市販用に仕立てたものと考えられる(右写真はその2007年12月版の表題と凡例部分)。

*注:原文では、用紙サイズはタイプAよりBのほうが小さいように記述されているが、縮尺の大小から判断して両者を取り違えているのは明らかなため、修正した。

マルコポーロ版は店頭から消えたが、「旅客線一覧図」のほうは今もDBのサイトに紹介がある。駅の窓口でも買えるそうだ。索引図の性格上、広げても手ごろな大きさに収まるという点がニーズに合っているのだろう。

サイトにいわく「ドイツおよび隣接諸国における旅客路線網を縮尺120万分の1で描く。長距離・近距離列車線、私鉄線ならびに接続・終着駅、大都市、主な水路網を表示する。この地図は地域版時刻表に添付しているが、単独でも購入できる。頒価2ユーロ」。内容を補足すると、ベースマップは国境と水系を示すほか、ぼかし(陰影)で地勢を表現し、フルカラーを生かして3段階の段彩(高度別に塗分け)をつけている。路線は網羅されているものの、縮尺の制約から小さな駅は省かれている。鉄道の記号はタイプCを踏襲するが、DBの民営化を反映して、国鉄以外の鉄道Nichtbundeseigene Eisenbahnenという定義が保存鉄道Museums- und Nostalgiebahnenに変わっている。また、バス路線は記載されていない。裏面もドイツ全図で、地域交通事業者の連合体(運輸連合Verkehrsverbund)のエリアを表現した運輸連合地図Verbundkarteになっている。

筆者は、タイプAが東西国鉄の統合をきっかけに作成されたものと信じていたが、それどころか、早くも1970年代に存在していたことを、最近、あるオークションの出品写真で知った。当時の表題はすばり「DB時刻表のための一覧図Übersichtskarte zum DB-Kurbuch」で、やはり時刻表の添付地図だったようだ。鉄道線の色が赤ではなく黒で、地勢表現もないなどの違いがあるものの、デザインは明らかに同一線上のものだ。裏面は現行版と異なり、ヨーロッパ鉄道地図が印刷されていると報告されている。

Blog_germany_railmap4 これに対して、タイプBの「路線図」は、縮尺が大きい分、用紙サイズも96.8×124.6 cmになるという。筆者の手元にある「ドイツの鉄道/路線図Eisenbahnen in Deutschland / Streckenkarte」(右写真は1996年9月版。右下の写真はその一部拡大)がその改訂版に当たると考えられるので、これで説明しよう。

ベースマップは互いによく似ている。地勢表現は色が茶系になっているものの、タイプAと同じ版を使っているのが明らかだ。鉄道記号は、幹線・支線、電化の別とともに単線・複線、標準軌・狭軌も区分されているし、路線が輻輳する区間や接続駅における路線相互の関係、トンネルの配置など、表現はかなり細かい。何より、貨物駅を含めて全駅表示である点がタイプAと大きく異なっている。そして時刻表番号は付されていない。また、左上の余白には、路線が稠密なために本図では駅名が書ききれないルール地方について、縮尺1:375 000の拡大図が載っている。

Blog_germany_railmap4_detail このように、表示の上ではタイプAが簡略版、Bが詳細版という関係になるのだが、用途から見ると、Aが旅行者の参照用なのに対して、Bは路線網の属性を詳述することを目的としている。それがマルコポーロ版での名称の違い、「旅行地図」と「路線図」に反映しているのだ。

最後にこれらの地図の入手方法についてだが、先述したように、マルコポーロ版は絶版となって久しい。参考にした地図のうち、タイプAはDB公式サイトで公開されているので(下記、本ブログ「ドイツの鉄道地図 IV-ウェブ版」参照)、印刷物にこだわらなければ、最新版を容易に利用できる。Bは、以前オムニマップ社Ominimapから購入したものを紹介した。その後も更新されたかどうかは知らないが、後継とおぼしき刊行物は存在する。それについては、次回紹介しよう。
(2006年10月27日付「ドイツの鉄道地図 I」を改稿)

■参考サイト
本ブログ「ドイツの鉄道地図 IV-ウェブ版」
http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/11/iv-a0ed.html

ドイツの鉄道地図 II-ドイツ交通クラブ

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2009年7月23日 (木)

オランダの鉄道地図 II

鉄道による貨物輸送を促進するために設立されたオランダ・鉄道貨物情報財団Rail Cargo Information Netherlands Foundationは、貨物輸送に関する鉄道地図を公開している。

■参考サイト
鉄道貨物情報財団 http://www.railcargo.nl/
トップページ > Railinfrastructuur > Spoorkaarten > Nieuwe spoorkaart van Nederland > posterrailcargo.pdf

Blog_netherlands_railmap_hp3 「オランダの新鉄道地図Nieuwe spoorkaart van Nederland」と称するこの地図は、道路と水系で構成した単色のベースマップの上に、赤や緑の実線で鉄道路線を描いている。タイトルを見る限り何の変哲もなさそうだが、凡例(蘭・英併記)に目を通せばユニークな地図であることは明らかだ。

赤い線は旅客線ではなく、オープンアクセス鉄道網Open access rail networkと説明されている。オープンアクセスとは、列車運行事業者が使用料を支払って線路使用権を得ることができるシステムで、EC指令で示された目標に沿って、加盟各国が上下分離と併せて鉄道事業に適用した政策だ。ほとんどの路線が旅客列車の運行に供されているのだが、貨物事業者にも門戸が開かれている。それに対して、緑色は貨物鉄道専用線Dedicated freight railway lineを表している。このほか、設定された記号を操車場、コンテナターミナル、トラックとの積替駅、私有側線と追っていくと、おのずと鉄道にもう一つの重要な役割があることを再確認させられる。

もう一つ目を引くのは、国土の中央を東西に貫くベテュヴェルートBetuwerouteが描かれていることだ。これは2007年6月に開通した延長160kmの貨物専用線で、ドイツ国境に近いゼフェナールZevenaarとヨーロッパ最大の貿易港であるロッテルダム港を最短距離で結んでいる。旅客列車の運行頻度が高いオランダ国内では、鉄道の機能向上に貨物輸送の分離が求められ、特に需要の大きいドイツルートをバイパスする新線が計画された。環境に配慮した設計変更などで工費が見込みの2倍に膨れ上がったことや、電化方式も信号方式も新しいEU標準を採用したため、在来線仕様の機関車は通行できなくなるなど、難産を伝えられながらの開業だった。しかし、この地図上ではあたかも主役のように遇されていて、実際もレイン(ライン)=ヴァール川Rijn-Waalの水運を補完する物流の動脈に成長していくのだろう。

なお、上記ページからリンクしている「オランダの詳細鉄道地図Detailspoorkaarten van Nederland」には、この地図の都市部の拡大図が多数用意されている。

オランダの鉄道施設管理は、2003年に設立されたプロレール社ProRailが行っているが、そのHPに、ファイルサイズが5MBもある鉄道地図が用意されている。

■参考サイト
プロレール社 http://www.prorail.nl/
トップページのPubliek > Spoorkaart  またはトップページの直接リンクdirect naarから

Blog_netherlands_railmap_hp4 縮尺は1:300 000で、ベースマップには同国の測量局Topografische Dienst Kadasterが編集した1:250 000道路地図を縮小使用している。道路地図といっても日本で言えば1:200 000地勢図に相当する公式地図で、道路、集落、水系、植生、行政界などが詳細に書き込まれたものだ。地図の見栄えで他と一線を画しているだけでなく、オランダの鉄道インフラの大要が概観できるという意味で注目に値する資料だ。どのような内容が盛り込まれているかは、凡例にある地図記号を見ていくのが手っ取り早い。表記がすべてオランダ語なので、参考のために、鉄道に関する地図記号の意味を日本語で付しておこう(厳密な訳ではないのでご了承を)。

Spoorwegen鉄道の部
- geëlektrificeerd (enkel- / dubbel- / meersporig) 電化(単線/複線/多複線)
- niet geëlektrificeerd (.... 非電化(同上)
- uitsluitend goederenvervoer (.... 貨物専用線(同上)
- museumspoorweg 保存鉄道
- niet in exploitatie 休止中
- lightrail 軌道

Station旅客駅の部
- station zonder inhaal- of kruisingsmogelijkheld ook wel halte genoemd 交換不可能(行き違いできない)で、合図により停車する駅(リクエストストップ?)
- station / groot station mét inhaal-... 交換可能な駅/主要駅
- evenementenhalte (facultatieve halte) 臨時設置の乗降場(仮乗降場)
Functionaliteit spoor 運行機能の部
- Inhaalspoor op de vrije baan. bijv. ... (本線上の、あるいは駅機能のない)待避線、その例
- overloopwissel. bijv. ... 渡り線、その例
- aansluiting (splitsingspunt op vrije baan) 接続点(本線上の分岐点)

voorzieningen施設の部
- emplacement (rangeerstation / opstelterrein) 操車場/貨車組成施設
- laad- en losplaats voor goederenvervoer (openbaar) 貨物積み降し施設(非専有)
- containeroverslagmogelijkheld コンテナ積み降し施設
- revisiebedrijf 修理工場
- onderhoudsbedrijf 分解修理(全般検査)工場
- servicelocatie サービスステーション(?)
- tankplaats 給油施設

これまで紹介した鉄道地図と重複する情報も含まれているが、動力方式、線路数、駅の機能など鉄道施設の基本的なデータを包括的に表示しているところが得がたい。それに、位置情報だけだが保存鉄道やライトレールまでカバーしているので、およそ郊外路線と呼ばれるものは網羅していると考えられる。前回紹介したTreinreiziger.nlの列車系統図と併用すれば、旅行用としても十分に役立ちそうだ。印刷版の配布が案内されていないのがまことに惜しい。

最後に、私的サイトで過去の時刻表添付地図とおぼしきファイルを発見した。日付は2004年9月になっている。印刷物のスキャニングではなく、印刷用のデータファイルから直接PDF化したものなので、拡大しても鮮明な画像が得られる。トップページからのリンクで紹介すべきだが、リンクが見つからないので、やむをえずPDF(131KB)の直接リンクを記すことにする(リンク切れご容赦)。

■参考サイト
http://www.astro.rug.nl/~islands/spoorkaart.pdf

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2009年7月19日 (日)

オランダの鉄道地図 I

オランダの列車というと、筆者などはドッグノーズと呼ばれた黄色の電車を思い浮かべる。丸く膨らんだ前面の形状が犬の顔を思わせるのでそのあだ名がついているのだが、一世を風靡したこの形式も、スマートな新車に押されて現在は主に各停に運用されているようだ。

しかし注目すべきは顔の形ではなく、これが動力分散型の電車だという点だ。日本では特急でも電車が用いられるが、ヨーロッパの郊外列車や急行列車は、電気機関車が動力を持たない客車を牽引するスタイル(動力集中型)をとることが多い。その役を敢えて電車に担わせているのは、日本のように短距離高頻度の列車ダイヤが組まれていることの証しだろう。事実、オランダはヨーロッパで最も鉄道が利用されている国で、単位面積当りの路線の密度はベルギーやドイツに及ばないが、旅客輸送密度では鉄道王国スイスをも凌いでいる。発車時刻が等間隔のいわゆるパターンダイヤが採用され、国内のインターシティは特別料金が不要であるなど、気軽に使える鉄道が強く意識されている。

Blog_netherlands_railmap1 オランダ2800km余の鉄道路線を表示している鉄道地図(オランダ語でスポールカールトSpoorkaart)を見てみよう。印刷物で筆者が知っているのは、公式時刻表Spoorboekjeの添付地図ぐらいだ。手元にあるのはあまりにも古い1988年版だが、表紙のすぐ後ろに折りたたんだ鉄道地図がはさんであり、拡げると本のサイズの約6倍(縦41.5cm横37.5cm)の大きさになる(右写真、右上は時刻表表紙)。路線網が水平、垂直および斜め45度の直線に単純化された、いわゆるスキマティックマップ(位相図)だ。オランダの鉄道のシンボルカラーというべき濃い黄色の地の上に旅客用の全線全駅が表示され、路線ごとの時刻表番号が添えられている。ラントスタットRandstadと呼ばれるアムステルダムAmsterdam、ロッテルダムRotterdam、ハーグ(デン・ハーフDen Haag)、ユトレヒトUtrechtの4大都市圏は、拡大図がある。

ウェブ版はなかなか充実しているので、2回に分けて紹介しよう。

Blog_netherlands_railmap_hp1 オランダもインフラ管理と列車運行の事業者を分ける上下分離が実行されているが、後者の旅客輸送の大部分を担当するのがオランダ鉄道Nederlandse Spoorwegen (NS) だ。NSのサイトでは、時刻表添付と同じデザインを用いた地図がPDFファイルで提供されている。

■参考サイト
オランダ鉄道 http://www.ns.nl/
トップページのService > Folders over diensten (= Brochures on service) > Spoorkaart van Nederland

図の左上にあるタイトルは、直訳すると「オランダの運賃単位地図Tariefeenhedenkaart van Nederland」だ。運賃単位Tariefeenheidは基本的には営業キロ数なのだが、若干補正があるらしく、より正確に言うなら運賃計算キロだ。地図上の各駅間に書かれた数字がそれを表している。

20年前の路線図と比較すると、変化が2点目に付く。1つは、ローカル線にNS以外の会社が運行する区間が出現していることだ。北部フローニンゲン州Groningenとフリースラント州Frieslandのアリーヴァ社Arriva、東部ヘルダーラント州Gelderlandのシンテュス社Syntus、南東部リンブルフ州Limburgのヴェオリア交通社Veolia Transport(もとのコネックスConnex)などが、NSの運行路線とは色を変えて示されている。多くは国際交通企業で、路線バスなどと一体で地方の公共輸送を請け負っているのだ。

もう一つは、首都アムステルダムからベルギー国境へ、一直線に南下する南高速線HSL-Zuidの存在だ。地図ではHST(高速列車Hogesnelheidstreinの略)と記されている。パリから来るタリスThalysがここを疾走することになるのだが、2009年中に運行予定と注釈があるものの、現時点ではオランダ領内はまだ開通していない。
なお、上記ページで並べて紹介されている「オランダの運賃単位地図に付随する詳細図Detailkaarten behorende bij Tariefeenhedenkaart van Nederland」は、4大都市部の拡大図と全国図で、印刷図では先述の図の裏面に配置されるものだろう。全国図には、主要駅間の運賃単位が記されている。

Blog_netherlands_railmap_hp2 一方、独立系の鉄道旅行情報サイトTreinreiziger.nlでは、趣向の違う鉄道地図(PDF)が提供されている(Treinreizigerは英語ならtrain travelerの意)。オランダ国内の鉄道旅行に持っていくとすれば、NSの運賃地図よりこちらのほうだろう。なぜなら、これはオランダの旅客列車のルートを一覧できる優れものだからだ。

■参考サイト
Treinreiziger.nl   http://www.treinreiziger.nl/
トップページ > Reisinformatie > Spoorkaart >
文中の "De spoorkaart is vanaf nu te downloaden op treinreiziger.nl"(意味は「鉄道地図はtreinreiziger.nl ですぐにダウンロードできる」)、または "U kunt de kaart hier downloaden"(同「ここからダウンロードできる」)のリンクから

地図の裏面(PDFの2ページめ)に「鉄道地図をどう使うかHoe werkt de Spoorkaart?」という説明文がある。それによると、「この地図では、線の色を追うことによって、列車系統がどこを走るかを容易に確かめることができる。線が、ある駅で途切れていればその系統の起終点であり、駅を通り抜けていれば経由地だ。線の太さで、その列車系統の運行頻度(月~金、およそ7~19時の間。凡例の説明では7~20時)がわかる。夜間や週末には列車数が削減されることがある。すなわち、ラントスタット(4大都市圏)の頻発区間では30分、ラントスタット圏外のより本数の少ない区間では少なくとも1時間毎になる。この地図では発着時刻を示していないので、時刻表の代用にはならない。旅行計画にはNSなどのサイトを参照のこと。」

説明中の、線の太さで運行頻度を表す方法については、図の凡例で具体的に示されている。すなわち、細線は1時間に1本(per uur = per hour)、中線は同2本、太線は同4本、そして中線の破線は通勤通学のピーク時のみ2本(alleen in spitsuren = only in peak)などとなる。

列車を利用する際に、目的地まで直行できるのか、できない場合はどこで乗り換えるのかは大きな関心事だ。筆者はこれを見て、国際空港のあるスヒポールSchipholからアムステルダム中央駅を経由せずに東部の都市へ行く系統がいくつも設定されていることを初めて知った。昔の感覚でどの列車でも中央駅を通ると信じて乗っていたら、きっと慌てたことだろう。この地図が現地で容易に入手できるのかどうかは知らないが、返信用封筒を同封して請求すれば、印刷版の送付もしてくれるようだ(ただし、国外への対応は不詳)。

次回は貨物輸送とインフラ管理部門の鉄道地図を紹介する。

オランダの鉄道地図 II

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2009年7月12日 (日)

ベルギーの鉄道地図

Blog_belgium_railmap1 20年ほど前にパリからベルギーの首都ブリュッセルBruxellesへ旅したときは、EC(ユーロシティ)で2時間半、野を越え丘を越えて行く旅だった。現在は、高速線を経由するタリスThalysで1時間22分、ずいぶん速くなったものだ。その頃参考にと買ったポスターサイズの路線図Carte du résaeu(右写真。上は全体、下は一部拡大)が、筆者の持っている唯一のベルギー鉄道地図だ。縮尺1:300 000で、1988年11月1日現在の全線全駅が表示されている。駅は等級別の管理駅、被管理駅に分類され、路線は電化・非電化、単線・複線を記号化している。貨物線や休止線も載っているので、地形図で鉄道の軌跡をたどるときにも参考になる資料だった。残念だが、最近はこのような紙地図を目にしたことがない。それで本稿では、ウェブで見られるものを紹介しておきたい。

Blog_belgium_railmap_hp1 ベルギー国鉄SNCBの公式サイトに、インタラクティブ形式の路線図がある。ベルギーの公用語であるオランダ語、フランス語、ドイツ語のほかに英語版も用意されていて、抵抗なく使える。さらに、表形式の時刻表のリンクもあるので、鉄道旅行に最低限必要な情報が揃う。ところが、公式サイトの英語版ではなぜかリンクが欠落していて、英語版の路線図を見るのに、わざわざオランダ語(NLと略記)かフランス語版(FR)から入っていかなければならない。

■参考サイト
ベルギー鉄道SNCB(フランス語版)
http://www.sncb.be/ または http://www.b-rail.be/main/F/
 路線図はページ左下 "Carte réseau (= network map) "から
 表形式の時刻表は同じく "Brochures horaires (= timetable brochures)"

路線図の初期画面は全国図だ。部分拡大するにはCtrlキーを押しながら、任意の範囲をマウスでドラッグする。縮小するには右メニューの虫眼鏡ボタンを使う。また、右メニューのスケールバーでも倍率を変えられる。画面移動は同じ並びの一番左、八方向の三角印(▲)をマウスオーバーする。クリックすると移動速度が早くなる。路線をクリックすると対応する時刻表が見られる...、などと説明してはあるのだが、筆者のパソコンの性能が低いのか、使い方が間違っているのか、Ctrlキー+ドラッグの範囲指定拡大は反応がひどく鈍いし、対応する時刻表もいっかな出てこない。いろいろ機能を盛り込んだのはいいが、便利さを追求するあまり、かえって操作性を低下させてしまったようだ。

Blog_belgium_railmap_hp2 幸いなことに、路線図の古いバージョンがまだ残っている。こちらの方が機能が少ない分、ストレスなしに作動する。デザインを見る限り旧バージョンとは信じられないが、2007年開通のアントウェルペンAntwerpen中央駅を通過する新線が描かれていないので、それ以前の製作のようだ。

■参考サイト
SNCB路線図旧版(リンク切れご容赦)
http://www.b-rail.be/nat/F/common/netcard_flash/index.php

インタラクティブマップは一覧性の点で不満が残るという方に、個人サイトに挙がっている「1枚もの」を紹介しておこう。

Blog_belgium_railmap_hp3 一つは、駅舎を写した古い絵葉書を集めた「昔のベルギーの駅Les gares belges d'autrefois」というサイトにある。トップページの最下段に、「草創期から今日までのベルギー鉄道地図Carte du réseau belge depuis sa création jusqu'à nos jours」と「ベルギー旅客鉄道地図(2002年)Carte du réseau voyageurs belge (2002)」がリンクされている。特に前者は、廃止線を含めた普通鉄道の全路線を描きこんだ力作で、全盛期の鉄道網を回顧できる。

■参考サイト
昔のベルギーの駅 http://users.skynet.be/fa058639/

Blog_belgium_railmap_hp4 もう一つは、「ベルギー鉄道非公式サイトChemins de fer belges - Site non officiel」というベルギーの鉄道を紹介する個人サイトで、その中に「国鉄路線網地図Cartes du réseau SNCB」という鉄道地図を集めたページがある。最上段にある時刻表の添付地図をはじめ、多くは紙地図をスキャンしたものだが、唯一、「鉄道網の変遷Évolution du réseau」は、1830~2000年までの鉄道網の変遷を1年1秒の速度で見せるユニークな動画像だ。

ベルギーは、ヨーロッパ大陸でも早期に鉄道を導入した国の一つに数えられる。1830年、オランダから一方的に独立を宣言したベルギーは、北海に通じるスヘルデ川Schelde河口の封鎖に遭い、大きな打撃を受けた。水運に代わる輸送手段として注目したのが、イギリスで成功を収めていた鉄道だった。1835年にブリュッセル~メヘレンMechelen間が開通して、ベルギーの鉄道時代が幕を開けた。動画像に目を凝らしていると、1870年ごろまでに、路線が全国に張り巡らされる様子がよく分かる。時が流れて20世紀、1950年代からは直流3000Vの電化区間がずんずん延びていき、最後に交流25KVの高速線が西からすうっと現れて、全編が終わる。

■参考サイト
ベルギー鉄道非公式サイト「国鉄路線網地図」
http://www.belrail.be/F/infrastructure/index.php?page=cartes

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2009年7月 5日 (日)

アイルランドの鉄道地図

Blog_ireland_map アイルランド共和国の鉄道網を運営しているのは、国有のアイルランド鉄道だ。英語ではIrish Railだが、正式にはアイルランド語によるイルンロード・エールンIarnród Éireann(読み方はウィキペディア日本語版による)と称している。Iarnródは英語のIron Roadから来ていて、Iarnród Éireannはエール(アイルランド)の鉄道という意味をもつ。運行路線は首都ダブリンDublinから放射状に広がり、内陸を貫通して沿岸の主要都市に達している。

一方、1922年のアイルランド共和国独立に際して袂を分かった北アイルランドでは、北アイルランド鉄道NI Railwaysが鉄道事業を行っている。1990年代に極端な民営化が推し進められたイギリスで、唯一残る国有かつ上下一体経営の鉄道会社だ。首都ベルファストBelfastから延びる長短4方向の路線を維持する。

鉄道が盛んに建設されていた19世紀はまだ全島がイギリス領だったので、主要路線は1846年の鉄道規制法で定められた1600mm(5フィート3インチ)軌間、いわゆるアイリッシュ・ゲージで統一された。最盛期であった1920年には、島全体に狭軌を含めて計5500kmもの路線が存在したという。1950~60年代に不採算となっていた多くのローカル線が廃止された結果、路線規模は1/3にまで縮小した。現在の運行形態は首都中心で、アイルランド鉄道はDARTなどの近郊通勤列車、50~80km圏の郊外列車、地方都市へのインターシティを走らせている。また、ダブリンとベルファストの首都間は、両鉄道が共同で、ユーロスターなみの設備をもつ「エンタープライズEnterprise」号を投入している。

鉄道地図でもアイルランド島は、1つのくくりで扱われることがほとんどだ。単独の出版物になっているものでは、1997年にアイアン・アラン出版社から刊行された「ジョンソンのアイルランド鉄道地図帳・地名録Johnson's Atlas & Gazetteer of the Railways of Ireland」が知られているが、残念ながら今は絶版で、古書店を当るしかない。グレートブリテン島と合冊・併載になっているものは数種ある。下記リンクの記事を参照願いたい。

・トーマス・クック社の鉄道地図 Railmap Britain & Ireland
 アイルランド島は縮尺1:1 000 000(100万分の1)。駅の表示は主要駅のみ。旅行地図の性格をもつため、長距離バスルートも記載。
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2007/10/i_7b92.html

・アイアン・アラン社の「Rail Atlas 1890」
 1890年当時(イギリス領時代)の全線全駅を表示。とうに廃止された路線が多数描かれた貴重な資料。ダブリンは拡大図あり。
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2007/10/ii_6b6b.html

・M.G.Ball氏によるabc英国鉄道地図帳abc British Railways Atlas
 ポケット版の鉄道地図帳。アイルランド島は縮尺約1:1 670 000(167万分の1)で4ページを充てる。全駅表示。ダブリンは拡大図あり。
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2007/10/iii_4389.html

・M.G.Ball氏によるヨーロッパ鉄道地図帳
 アイルランド島に1ページを割く。縮尺約1:2 220 000(222万分の1)。駅の表示は主要駅のみ。分冊版はイギリスと合冊で「Atlas of Britain & Ireland」となる。
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2009/01/i-0b3a.html

・S.K. Baker氏による鉄道地図帳
 アイルランド島は1:495 000で全線全駅を表示。コークCork、ダブリン、ベルファストは拡大図あり。数年おきに改訂版が出されるので、直近の状況がチェックできる。
 http://homipage.cocolog-nifty.com/map/2007/11/iv_6a46.html

ウェブ版では、鉄道会社のサイトで提供されているものしか見当たらなかった。

Blog_ireland_railmap_hp1 アイルランド鉄道
http://www.iarnrodeireann.ie/your_journey/intercity_map.asp
旅客営業している全駅を結んだだけの簡素な鉄道地図だ。ダブリン近郊と、南岸のコークCork~コブCobh間の支線は別図になっている(左メニューで選択)。ただし、このサイトは旧版かもしれない。下記のサイトでは、時刻表検索Reservations & Timesでポップアップ表示される。また、起終点を選択するときにも使われている。
http://www.irishrail.ie/

Blog_ireland_railmap_hp2 北アイルランド鉄道
北アイルランド鉄道の持株会社のブランド名であるTranslinkのサイトに、路線図NI Railways Route map(PDF)へのリンクがある。地図は系統を色分けしたもので、実際の距離は考慮されていない。
http://www.translink.co.uk/translinknetwork.asp
また、直接のURLは次のとおり(リンク切れご容赦)。
http://www.translink.co.uk/resources2005/20060821routemapnir.pdf

ヨーロッパ全域の鉄道地図を提供するTrainspotting Bükkesのイギリス諸島編も参照。
http://www.bueker.net/trainspotting/maps_british-isles.php

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