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2014年6月26日 (木)

スイスの鉄道時刻表

Blog_swiss_timetable1
スイス公式時刻表2013年版

わが国では昔から小さな書店でも分厚い冊子の時刻表を平積みしているが、世界的に見ればあくまで例外だ。ヨーロッパでは、駅に行くとその地域の時刻表が手のひらサイズの冊子で無料配布されている。主要駅には隣接地域版も置いてあって、列車に乗るならそれで十分事足りる。

しかし、鉄道ファンとしては、日本のような全国版の時刻表を手元に置きたい。とりわけ緻密でバラエティに富んだ鉄道網が維持されているスイスの場合、机上で時刻表を読み解くだけでも楽しい。昔からそうした要望が多かったとみえ、かつては東京のスイス政府観光局でも公式時刻表 Offizielles Kursbuch の頒布に応じていた。しかし近年はなんでもインターネットを介するのが当り前になっている。改めて政府観光局のサイトを見たら、「冊子での公式時刻表は大変少ない部数で刊行されており入手は困難」と絶望的な書きぶりだ。冊子版と同じ版のデータがPDFでダウンロードできるので、その利用を勧めている。

一方、本国SBB(スイス連邦鉄道)のウェブサイトを見ると、「SBBその他の公共交通事業者の販売所にて16フラン(税込)の3巻セットで入手できる。ばら売りは不可」とされ、通信販売先の案内も載っている。この販売先では各国の冊子時刻表を扱っているのだが、日本への送料は55フランとあり、定価1800円の本を送ってもらうのに切手代が6000円以上かかる計算だ。入手が不可能でないのは確かだが、さすがにこれには躊躇する。

■参考サイト
スイス政府観光局「スイス公式時刻表」
http://www.myswiss.jp/jp.cfm/transport/timetable/
SBB > 公式時刻表のページ(英語版)
http://www.sbb.ch/en/timetable/printed-timetables/official-timetable.html
時刻表(刊行物)の表紙アーカイヴ
http://www.bahn-bus-ch.de/bahnen/biblio-k.html

昨年夏、スイスへ旅行したとき、インターラーケン・オスト駅で、乗る予定の列車が遅れて時間を持て余した。出札の近くにあったショーケースを眺めていたら、鉄道グッズの間に、公式時刻表の現物が飾ってあるではないか。すぐに窓口へ走ったことは言うまでもない。窓口の係員氏にあれがほしいと告げると、とても重いが構わないのか、と聞かれた。旅行者風情の外国人が買うのは想定外なのだろう。

渡された袋に入っていたのは、鉄道・索道・船編が1巻、バス編が東西に分かれて各1巻。計3巻で5920ページ、重ねると12cmの厚みだ(冒頭写真)。係員氏の親切な忠告どおり、ずっしりと重く、2kgは優にあるだろう。とりあえず現地で使わないバス編2巻は、ルツェルンの郵便局から日本へ送り出した。ほかの土産もいくらか同封したとはいえ、エコノミー便でも38フランかかった。これが3巻全部なら、通信販売先が示す送料の額も法外とは言えない。冊子時刻表の購入には、それなりの覚悟が必要だということがわかった。

筆者の経験を踏まえれば、ウェブサイトの時刻表を利用するのが合理的かつ現実的だ。上記、政府観光局サイトに詳しく書かれているように、主として2通りの使い方がある。

1.条件指定による列車検索

SBB公式サイト(英語版) http://www.sbb.ch/en/
画面左のTimetable & ticket salesで検索。

出発地、帰着地、日時などの条件を指定して最適の列車を検索する方法だ。同様のツールは、SBBをはじめ、ヨーロッパの旧国鉄系鉄道会社の初期画面にほとんど標準装備されている。条件を入力すると、それに合った列車(乗継ぎを含む)、所要時間、混み具合等の候補が表示される。各候補の+マークをクリックすると、発着ホームや各列車の時刻表などさらに詳しい情報も得られる。思いがけない裏ルートの乗継ぎを提案してくれることもあるので、鉄道ファンの目で見ても楽しい。

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SBB公式サイト初期画面

2.テーブル形式の時刻表表示(ダウンロード)

fahrplanfelder.ch(英語版) http://www.fahrplanfelder.ch/en/

冊子時刻表と同じ様式のPDFファイルを表示またはダウンロードする方法だ。これはSBB本体ではなく、fahrplanfelder.ch のサイト(下記参考サイト)で提供されている。Fahrplanfelder(ファールプラーンフェルダー)とは、テーブル形式の時刻表(複数形)という意味だ。初期画面の検索窓に地名(駅名)を入力すると、その駅に発着する路線の一覧が表示される。入力の際にドイツ語のウムラウトやフランス語のアクサン等は付けなくてもいけるようだ(Zürich→Zurich、Genève→Geneve)。綴りが不安なら、左メニューの "List of localities" にABC順の地名リストがある。

この検索窓は、路線の時刻表番号も入力できるようになっている。駅名入力に比べ、必要な路線をダイレクトに探せるので便利だ。時刻表番号が入った鉄道地図はSBBのサイトにある。詳細は「スイスの鉄道地図 IV-ウェブ版」参照。

時刻表には各種の記号が用いられている。これを理解しておかないと、運行日でなかったために待てど暮らせど列車が来なかった、などという事態が起こりうる。時刻表記載の凡例に基づいて記号の意味するところを記してみたので、参考にしていただけたら幸いだ(下の写真)。

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スイス公式時刻表 記号一覧

なお、ユーザ登録が必要だが、左メニューの "Timetable data" で、時刻表データの全部ダウンロード(80MB)も可能になっている。さらに同じメニューの "Archives" では、過去2006年からのデータが蓄積・公開されている。時刻表は地図と同様、実用品の扱いなので、ウェブサイトでは現行ダイヤとせいぜい数か月から1年先程度の予定に限っているのがふつうだ。このように過去データが残され、自由な閲覧に供されているのは珍しい。

★本ブログ内の関連記事
 スイスの鉄道地図 I-キュマリー+フライ社
 スイスの鉄道地図 II-トラフィマージュ
 スイスの鉄道地図 III-シュヴェーアス+ヴァル社
 スイスの鉄道地図 IV-ウェブ版

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コメント

アメリカのLAのUNION 駅でAMTRACKを探してようやくそのお顔を拝見できました、乗るつもりはないですが、時刻表でもと探しますが、冊子どころか、時刻表の掲示すら見当たりません、駅へきて時刻表を探して乗る便数でもないのでしょうが、ネット環境のない旅行者は相手にしてないようで
紙の官製地図もそうなりつつありますが、時刻表はもはや手に入らないのが世界の常識でしょう

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