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2013年10月19日 (土)

スイスの鉄道地図 IV-ウェブ版

スイス連邦鉄道(スイス国鉄)
Schweizerische Bundesbahnen (SBB)

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SBBの公式路線図が「トラフィマージュ Trafimage」と総称される汎用性の高いグラフィックスに切り替わっていることは、すでに述べた(下注)。この路線図は印刷物で提供されるほか、ウェブ(下記参考サイト)でも自由にアクセスできるようになっている。

*注 本ブログ「スイスの鉄道地図 II-トラフィマージュ」参照

■参考サイト
SBB - Trafimage Maps(鉄道地図PDFへのリンクページ)
http://www.sbb.ch/en/station-services/am-bahnhof/railway-stations/trafimage-maps-station-plans/maps.html (英語版)

英語版を例にとると、PDFファイルへのリンクが9個並んでいるが、そのうち最初の3個が基本的な公共交通地図だ。
・Network map Switzerland:鉄道・バス・索道・航路を1面に盛り込んだ総合地図。縮尺も1: 435 000と比較的大きい。赤色で描かれた鉄道は基本的に全線表示だが、駅については割愛がある。
・Network map for vol. 1 of the official timetable:公式時刻表第1巻(鉄道・索道・航路編)所載の図。鉄道中心に表示され、時刻表番号が添えられている。1:1,150,000(115万分の1)と掲載図の中では最も小縮尺。
・Network map for vols. 2 and 3 of the official timetable bus:公式時刻表第2、3巻(バス編)の添付地図。バス路線が詳しいが、その時刻表番号は地域を表す上2桁しか記されていない。縮尺は1:620 000。
その下は、定期券 Abonnement や旅行者用パス(スイストラベルシステム Swiss Travel System)の有効区間、レンタサイクル貸出駅の分布といったテーマを特化した実用地図だ。いずれも同じベースマップを利用している。

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PDF版に対して、トラフィマージュのインタラクティブマップ(対話式地図)も用意されている。こちらの特徴は、ズームボタンで最大化すると全駅表示になるという点だ。

■参考サイト
map.trafimage.ch(対話式鉄道地図)  http://map.trafimage.ch/
英語版は http://map.trafimage.ch/?lang=en

英語版初期画面はNetwork map(路線網図)で、ズームを最大にすると全駅表示になる。ベースマップの地勢や植生、市街地の描写もけっこう精細で美しい。任意の駅をクリックすると、Station plans(駅案内図。主要駅のみ)、Timetable(列車検索)、Departure/Arrival(次の出発・到着)、Services at station(駅で受けられるサービス)、Shopping at the station(駅構内の店舗)、Handicap(身障者用設備)、Coordinates(地理座標)といったメニューが現れる。

ほかにも左メニューでさまざまな地図を表示することができる。
・Station plans(駅案内図):主要駅の駅案内図がPDFファイルでダウンロードできる。コンパクトなA4サイズと大判のポスターサイズがある。
・Fare networks(運賃ネットワーク):運輸連合のエリアが色分けされている。運輸連合Verkehrsverbund(スイスでは運賃連合Tarifverbundと称することが多い)は、運賃やサービスの共通化を図る目的で組織された各地域の公共交通事業者の連合体。
・Scenic routes(景勝ルート):氷河急行 Glacier Express、ベルニナ急行 Bernina Express、ゴールデンパスライン GoldenPass Line、ウィリアム・テル急行 Wilhelm Tell Express(下注)のルート表示。
・Investiments(投資):施設設備の改良計画をプロットしたもの。

*注 ウィリアム・テル(ヴィルヘルム・テル)急行は、ルツェルン Luzern からフリューエレン Flüelen までのフィーアヴァルトシュテッテ湖 Vierwaldstättersee 航路と、フリューエレンからゴッタルド(ゴットハルト)トンネル Gotthardtunnel を経て、ロカルノ Locarno またはルガーノ Lugano までの列車を組み合わせた観光路線

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SBBのサイトではほかに、各駅の発着時刻表やその地域のポケット時刻表とともに、Sバーン S-Bahn(近郊列車)の系統図PDFが見られるページもある。

■参考サイト
Departure posters and pocket timetables
http://www.sbb.ch/en/timetable/printed-timetables/taschenfahrplaene.html

「トラフィマージュ」があれば、スイス国内の鉄道路線図に関するニーズは満たせると思うが、SBB以外の鉄道会社も自社線の路線図を公開している場合がある。いくつか挙げておこう。

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BLS
BLSは、レッチュベルクトンネル Lötschbergtunnel 経由でトゥーン Thun とブリーク Brig を結ぶ南北幹線や、ベルン州の地方線を運行する。スイス最大の私鉄だが、路線図はGIFファイルの簡易なものだ。各路線をクリックすると、詳細図に飛ぶ。

https://www.bls.ch/de/unternehmen/ueber-uns/streckennetz

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ツェントラル鉄道 Zentralbahn (ZB)
スイス中央部のメーターゲージ路線、旧ルツェルン=シュタンス=エンゲルベルク鉄道 Luzern-Stans-Engelberg-Bahn (LSE) と旧SBBブリューニック線 Brünigbahn(ルツェルンLuzern~インターラーケン・オスト Interlaken Ost)を運行する。路線図は、H. C. ベラン Berann 風のパノラマ地図の上に赤でルートが描かれている。

http://www.zentralbahn.ch/en(英語版)
Services > Our Network
または直接リンク http://www.zentralbahn.ch/en/services/our-network(英語版)
Zentralbahn network (pdf) のリンクにPDFファイルあり

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マッターホルン・ゴットハルト鉄道 Matterhorn Gotthard Bahn (MGB)
アルプス山中を走るメーターゲージ路線、旧BVZツェルマット鉄道 BVZ Zermatt-Bahn と旧フルカ=オーバーアルプ鉄道 Furka–Oberalp-Bahn (FO) を運行する。RhBとともに、氷河急行が走るルートとしても知られる。路線図の構成はBLSに似ていて、まずスイス全図、図中のズームボタンで詳細図へリンクしていく。

http://www.matterhorngotthardbahn.ch/en(英語版)
上メニューのTravel infoからリンク
または直接リンク
http://www.matterhorngotthardbahn.ch/en/travel_informatiion/Map_route/Pages/default.aspx(英語版)

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レーティッシェ鉄道 Rhätische Bahn (RhB)
スイス東南部グラウビュンデン州 Kanton Graubünden のメーターゲージ路線網を運行する。同州の基幹路線であるとともに、氷河急行やベルニナ急行によって観光鉄道としても人気が高い。路線図はPDFファイルで、縦横斜め45度の線にデフォルメした、いわゆるスキマティックマップ(位相図)だ。ルートと駅だけでなく、運行系統も明示されている。

http://www.rhb.ch/
ドイツ語版最上部メニューのUnternehmen > Zahlen und Fakten > Streckennetz
英語版ではCorporation > Facts and Figures > Rail Network
DownloadのリンクにPDFファイルあり
または直接リンク(リンク切れご容赦)
http://rhb.ch/fileadmin/user_upload/PDF/Unternehmen/Linienplan_RhB.pdf

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各運輸連合にも路線図・系統図がある。例として、チューリッヒ運輸連合 Zürcher Verkehrsverbund (ZVV) を挙げておこう。上記SBBサイトで見られるものよりサイズが大きく、バス路線やチューリッヒ湖 Zürichsee の航路も書き加えてある。

http://www.zvv.ch/en/routes-and-zones/zvv-network-plan.html(英語版)

最後に、バス路線図については、ポストバス Postauto のサイト(独・仏・伊の3か国語)で見ることができる。

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http://www.postauto.ch/
Fahrplan und Linienverkehr(時刻表と路線)> Liniennetze(路線網)
または直接リンク
http://www.postauto.ch/pag-startseite/pag-taeglich-unterwegs/pag-fahrplan-und-linienverkehr/pag-liniennetze.htm
ページ中央のインラインフレームに全国バス路線図があるほか、その下の→Bern、→Berner Oberlandなどをクリックすると、該当地域のさまざまなバス路線図(ポストバスに限らない)が集められている。

(2008年11月13日付「スイスの鉄道地図 III-ウェブ版」を全面改稿)

★本ブログ内の関連記事
 スイスの鉄道地図 I-キュマリー+フライ社
 スイスの鉄道地図 II-トラフィマージュ
 スイスの鉄道地図 III-シュヴェーアス+ヴァル社

 スイスの鉄道時刻表

 近隣諸国のウェブ版鉄道地図については、以下を参照。
 ドイツの鉄道地図 IV-ウェブ版
 オーストリアの鉄道地図 II-ウェブ版
 イタリアの鉄道地図 III-ウェブ版
 フランスの鉄道地図 III-ウェブ版
 ヨーロッパの鉄道地図 V-ウェブ版

2013年10月12日 (土)

スイスの鉄道地図 III-シュヴェーアス+ヴァル社

前2回で紹介したスイスの公共交通地図は、主として一般旅行者向けに製作されたものだ。鉄道網についてさらに詳しく調べたいと思うと、もはや1枚ものの折図では足りず、鉄道地図帳 Railway Atlas のような専門書に頼ることになる。ドイツのシュヴェーアス・ウント・ヴァル出版社 Verlag Schweers+Wall が「スイス鉄道地図帳 Eisenbahnatlas Schweiz(英語名はRailatlas Switzerland)」を刊行している。今のところ、これが唯一、その期待に応えてくれるものだろう。

初版が出たのは2004年1月だ。同社はそれまでドイツの鉄道地図帳を製作していたが、他国に守備範囲を広げた初めてのケースとなった(下注)。現在は、2012年3月刊行の改訂第二版が入手できる。今回はこの地図帳の特徴について、初版との相違点を含めて取り上げよう。

*注 2013年現在、同社の鉄道地図帳は、オーストリア、イタリア+スロベニア、EUを加えて計5巻に増えている。

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スイス鉄道地図帳 2012年版
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同 2004年版

同社の鉄道地図帳シリーズの最大の特徴は、全線全駅をいわゆる正縮尺図(1つの図の中で縮尺が一定)にプロットしている点だ。路線密度の高いスイスを十全に描くために、メインの地図の縮尺はドイツ編の1:300,000に対して、1:150,000と大きい。また、背景には地勢を表すグレーのぼかし(陰影)やブルーの水系(川、湖)のほかに、植生を表すアップルグリーンのアミもかけられて、鉄道と地形の関係が想像できるようにしている。

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凡例の一部

地図に使われている記号は基本的にシリーズ共通で、多数ある属性を視覚的にうまく分類している。路線に関しては、まず単線・複線を線の太さで区別する。そして標準軌・狭軌(軌間は注記)、貨物線、休止線、廃線(下注)、建設中・計画中の路線は線の形状で、また、電化方式は線の色でそれぞれ書き分ける。ラックレール区間は点線を、第三軌条方式の電化区間は緑の細線を添えて表現する。保存鉄道は蒸機のマーク、ロープウェーやケーブルカー、チェアリフトは搬器を模したマークのため、すぐわかる。

*注 施設が使われていない路線 außer Betrieb / Not in use と撤去済の路線 abgebaut / Former line, removed が区別されているので、ここでは休止線、廃線と訳した。

路線の関連ではほかに、時刻表番号や鉄道名の略称(SBB以外)も記載する。山岳路線につきものの急勾配区間と最大値、トンネルの名称と長さなどのデータも揃っている。また、鉄橋など鉄道名所の注記は列車撮影に、廃線の位置や廃止年の記載は廃線跡探索にと、趣味の資料としても役立つに違いない。

駅については、停留所や貨物駅などを記号の形状で区別し、キロ程と標高を添える。さらに、双単線方式のための渡り線、側線、操車場、コンテナターミナル、修理工場、機関庫、カートレイン Autoverlad 積み降ろし駅など、さまざまな機能を図示する。引込線を持つ工場には、会社名まで記している。また、各々の見開きページの欄外は、各路線のプロフィールが集約され、格好の資料集になっている。

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リギ山周辺 (2004年版表紙の一部を拡大)

スイス編には、この1:150,000図以外にも多くの鉄道地図が加えられ、こちらも大変興味深い。まずスイス全図を使った主題図が6点ある。私鉄(SBB以外)の路線網、狭軌区間(軌間で色分け)、ラックレール区間、Sバーン(近郊路線)ルート、観光列車ルート、保存鉄道の分布と、区分図ではつかみにくい鉄道網の特色を、マクロの視点から確かめることができる。

また、部分拡大図も多数用意され、この点は初版に比べて格段に充実した。主要都市近郊図は1:50,000で、掲載順にキアッソ Chiasso、ルガーノ Lugano、ロカルノ Locarno、バーゼル Basel、ルツェルン Luzern、チューリッヒ Zürich、ベルン Bern、ジュネーヴ Genève、ローザンヌ Lausanne など。トラムの路線も描き込まれているので、ヘビーレールとどう絡んでいるかも一目で分かる。モントルー Montreux、エーグル・ベー・モンテー Aigle•Bex•Monthey の拡大図もあるが、これはこの地域に広がる狭軌線の細部を描くのが目的だろう。

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チューリッヒ拡大図 (2004年版裏表紙の一部を拡大)

続く山岳鉄道の詳細図面も、初版にはなかったものだ。アルプトランジット計画 Neue Eisenbahn Alpentransversale (NEAT) (下注)の舞台であるゴットハルト(ゴッタルド)鉄道 Gotthardbahn とレッチュベルク~シンプロン横断軸 Lötschberg-Simplon-Achse とともに、スイス観光の看板列車であるベルニナ急行・氷河急行のルート Bernina-Express- / Glacier-Express-Route が取上げられている。

*注 スイスアルプスを縦貫する長大トンネルを中心とした新線計画のこと。ドイツ語の直訳は「新鉄道アルプス横断線」で、略称のNEATを使うことが多いが、英語ではアルプトランジット AlpTransit  と呼ばれる。

まずルートの縦断面図で新旧ルートを比較した後、ループやスパイラルが連続する山越えの見どころを1:50,000拡大図で提示するという配列だ。どの路線も鉄道ファンには必見なので、詳しい見取図の提供はありがたい。最後にユングフラウ地域 Jungfrauregion の1:75,000図がついて、盛りだくさんの地図の部は終わる。

巻末には初版同様、駅名、トンネル名、鉄道会社名(略称と正式名)の索引などがつき、参考資料としての条件は万全だ。使用言語も独・仏・伊・英の4か国語が併記され、読解に支障はない。初版は96ページだったが、第二版は図版の追加によって112ページに増えている。

スイスの鉄道というと、登山列車か氷河急行という定番のイメージが強過ぎて、TGVやICEのような高速列車のネットワークで気を吐く隣国に比べて、注目度は落ちるかもしれない。しかし、バーン2000やアルプトランジットという意欲的な大規模プロジェクトが推進され、その結果、旅客列車の定時隔運行や速度向上、貨物輸送の増強・高速化など大きな変化が生じつつある。充実度を増した地図帳をひもとけば、こうしたスイスの鉄道が目指す未来もまた見えてくるだろう。

(2006年10月20日付「スイスの鉄道地図 II」を全面改稿)

■参考サイト
シュヴェーアス・ウント・ヴァル社 http://www.schweers-wall.de/
スイス連邦鉄道(SBB) http://www.sbb.ch/

★本ブログ内の関連記事
 スイスの鉄道地図 I-キュマリー+フライ社
 スイスの鉄道地図 II-トラフィマージュ
 スイスの鉄道地図 IV-ウェブ版

 スイスの鉄道時刻表

 シュヴェーアス・ウント・ヴァル社の鉄道地図帳については、以下も参照。
 ヨーロッパの鉄道地図 VI-シュヴェーアス+ヴァル社
 ドイツの鉄道地図 III-シュヴェーアス+ヴァル社
 オーストリアの鉄道地図 I
 イタリアの鉄道地図 II-シュヴェーアス+ヴァル社
 フランスの鉄道地図 VI-シュヴェーアス+ヴァル社

2013年10月 5日 (土)

スイスの鉄道地図 II-トラフィマージュ

政府観光局や、連邦鉄道、ポストバスなどの公共交通機関は、プロモーション用の路線図に共通の図版を使用している。スイスの地勢を立体的に描いたベースマップに、路線を鉄道は赤、バスは黄色などの色分けで表したものだ。表現内容は一律ではなく、用途に応じてさまざまなバリエーションがあるのだが、すべて公共交通の利用を促進するために開発されたインフォメーションシステム「トラフィマージュ Trafimage」の一環で製作されている。

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スイストラベルシステム交通地図

トラフィマージュというのは、フランス語のトラフィーク trafic(交通、輸送の意)とイマージュ image(絵、画像の意)を合成した造語(下注)だ。この中には上述の全国図 Karte のほかに、70以上の駅の案内図 Bahnhofplan や各地域の路線図(系統図)Liniennetzplan があり、いずれもシンプルかつ洗練されたデザインで整備されている。2006年に初めて発表された地図は、印刷物やウェブに用いられるほか、駅構内には大きなポスターとして掲げられ、案内図の印象が一新された。このうちウェブ版については稿を改めるとして、今回は入手可能な印刷物について触れておきたい。

*注 "Trafimage"の読み方については、下記SBBドイツ語サイトの記述を参考に、ここではフランス語読みとした。
http://www.sbb.ch/bahnhof-services/am-bahnhof/bahnhof/trafimage-karten-und-bahnhofplaene/ueber-trafimage.html

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リーフレット表紙
2013年版

スイス政府観光局 MySwitzerland.com が配布しているリーフレットの中に「スイストラベルシステム Swiss Travel System」というタイトルを掲げたものがある。これはスイスパスなど公共交通の企画乗車券の有効範囲などを表示した地図だ。広げるとA2判(A4判の4倍)程度の大きさで、縮尺は1:600,000とある。冒頭で紹介したとおり、鉄道路線は赤、バス路線は黄色、索道は黒、船は(青地に)白という配色だ。さらに、パスで無制限に乗れる区間は実線、割引になる区間は点線、通用しない区間はグレーの細線と区分される(地図サンプルは冒頭の画像参照)。

前回紹介したキュマリー・ウント・フライ(K+F)社の市販図に比べて縮尺は半分以下なので、駅については、主としてバスその他の接続があるものが選ばれているようだ。バスの経由地も同様で、終点または接続点が表示されている。とはいえ、スイスの鉄道網の位置や接続関係を確かめる用途には十分であるし、コンパクトに折られているので、かさばらない。

なお、現在、日本のスイス政府観光局が配布している「スイスへようこそ(地図)」は、K+F社製の、より古いタイプの地図を使っている。トラフィマージュ版は、スイス本国の観光局(下記サイト)に直接請求する必要がある。

■参考サイト
MySwitzerland.com - Brochures
http://www.myswitzerland.com/en/about-switzerland/brochure.html (英語サイト)
右メニューのTransportにチェックを入れて、左のリーフレット一覧から "Swiss Travel System Information map" を探す。PDFダウンロード、印刷物の請求が可能(日本へも送ってくれる)。
交通地図の原版制作元 http://www.duplexmap.ch/
駅案内図の原版制作元 http://www.evoq.ch/

ちなみに実際に現地でスイスパスなどを購入すると、A4判の「スイスルートマップ Swiss Route Map」(縮尺1:1 250,000)がついてくるが、内容はほぼ同じだ。

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以前のスイス公式時刻表地図
1989-90年版
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現在のスイス公式時刻表地図
鉄道・索道・航路編添付図 2013年版

スイスの公式時刻表(冊子)の索引地図は、以前、ロンドンの地下鉄地図のような縦横斜め45度の線で構成するスキマティックマップ(位相図)だった(右図参照)が、今は全面的にトラフィマージュを採用している。

時刻表は鉄道・索道・航路編1巻とバス編2巻(東部編と西部編)の3巻バンドルで頒布されている。まず、鉄道・索道・船編の表紙裏には、鉄道網中心の図がある(サンプルは右下図参照)。縮尺1:1,150,000(115万分の1)。幹線系は太線で強調され、支線は細線だ。バス路線についても旅行者が使いそうなルートをセレクトしている。各路線に付されている数字は時刻表番号だ。この縮尺では、鉄道網が稠密な地域で、デフォルメが可能な位相図に比べてハンディがあるが、判読できる程度には描かれている。

一方、バス編には別刷りの1:620,000の路線図があり、おそらく時刻表掲載の路線を網羅しているのだろう、おびただしい黄色の線が全土をくまなく覆っている。手元にある2008年版では、さらに路線ごとに時刻表番号が付されて壮観だったが、さすがに錯雑とみなされたか、2013年版では地域を表す最初の2桁の明示にとどめられてしまった。図の第一印象がすっきりした反面、索引図としての機能は果たせなくなった。個々の路線の時刻表番号を探すには、時刻表本体にある地名索引に当たるしかない。

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現在のスイス公式時刻表地図
(左)バス編別刷り図 2008年版 (右)同 2013年版

なお、これらの地図は、下記サイトでダウンロードすることもできるので、全体は実物でご覧いただきたい。

■参考サイト
SBB - Trafimage Maps
http://www.sbb.ch/en/station-services/am-bahnhof/railway-stations/trafimage-maps-station-plans/maps.html (英語版)

トラフィマージュを構成する上記以外の地図群、すなわち駅の案内図や各地域の路線図(系統図)については、SBBのサイトからダウンロードできるほか、前回紹介したK+F社の「スイス公共交通地図」の別添小冊子にも一部がまとめられている。

★本ブログ内の関連記事
 スイスの鉄道地図 I-キュマリー+フライ社
 スイスの鉄道地図 III-シュヴェーアス+ヴァル社
 スイスの鉄道地図 IV-ウェブ版

 スイスの鉄道時刻表

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