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2013年10月 5日 (土)

スイスの鉄道地図 II-トラフィマージュ

政府観光局や、連邦鉄道、ポストバスなどの公共交通機関は、プロモーション用の路線図に共通の図版を使用している。スイスの地勢を立体的に描いたベースマップに、路線を鉄道は赤、バスは黄色などの色分けで表したものだ。表現内容は一律ではなく、用途に応じてさまざまなバリエーションがあるのだが、すべて公共交通の利用を促進するために開発されたインフォメーションシステム「トラフィマージュ Trafimage」の一環で製作されている。

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スイストラベルシステム交通地図

トラフィマージュというのは、フランス語のトラフィーク trafic(交通、輸送の意)とイマージュ image(絵、画像の意)を合成した造語(下注)だ。この中には上述の全国図 Karte のほかに、70以上の駅の案内図 Bahnhofplan や各地域の路線図(系統図)Liniennetzplan があり、いずれもシンプルかつ洗練されたデザインで整備されている。2006年に初めて発表された地図は、印刷物やウェブに用いられるほか、駅構内には大きなポスターとして掲げられ、案内図の印象が一新された。このうちウェブ版については稿を改めるとして、今回は入手可能な印刷物について触れておきたい。

*注 "Trafimage"の読み方については、下記SBBドイツ語サイトの記述を参考に、ここではフランス語読みとした。
http://www.sbb.ch/bahnhof-services/am-bahnhof/bahnhof/trafimage-karten-und-bahnhofplaene/ueber-trafimage.html

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リーフレット表紙
2013年版

スイス政府観光局 MySwitzerland.com が配布しているリーフレットの中に「スイストラベルシステム Swiss Travel System」というタイトルを掲げたものがある。これはスイスパスなど公共交通の企画乗車券の有効範囲などを表示した地図だ。広げるとA2判(A4判の4倍)程度の大きさで、縮尺は1:600,000とある。冒頭で紹介したとおり、鉄道路線は赤、バス路線は黄色、索道は黒、船は(青地に)白という配色だ。さらに、パスで無制限に乗れる区間は実線、割引になる区間は点線、通用しない区間はグレーの細線と区分される(地図サンプルは冒頭の画像参照)。

前回紹介したキュマリー・ウント・フライ(K+F)社の市販図に比べて縮尺は半分以下なので、駅については、主としてバスその他の接続があるものが選ばれているようだ。バスの経由地も同様で、終点または接続点が表示されている。とはいえ、スイスの鉄道網の位置や接続関係を確かめる用途には十分であるし、コンパクトに折られているので、かさばらない。

なお、現在、日本のスイス政府観光局が配布している「スイスへようこそ(地図)」は、K+F社製の、より古いタイプの地図を使っている。トラフィマージュ版は、スイス本国の観光局(下記サイト)に直接請求する必要がある。

■参考サイト
MySwitzerland.com - Brochures
http://www.myswitzerland.com/en/about-switzerland/brochure.html (英語サイト)
右メニューのTransportにチェックを入れて、左のリーフレット一覧から "Swiss Travel System Information map" を探す。PDFダウンロード、印刷物の請求が可能(日本へも送ってくれる)。
交通地図の原版制作元 http://www.duplexmap.ch/
駅案内図の原版制作元 http://www.evoq.ch/

ちなみに実際に現地でスイスパスなどを購入すると、A4判の「スイスルートマップ Swiss Route Map」(縮尺1:1 250,000)がついてくるが、内容はほぼ同じだ。

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以前のスイス公式時刻表地図
1989-90年版
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現在のスイス公式時刻表地図
鉄道・索道・航路編添付図 2013年版

スイスの公式時刻表(冊子)の索引地図は、以前、ロンドンの地下鉄地図のような縦横斜め45度の線で構成するスキマティックマップ(位相図)だった(右図参照)が、今は全面的にトラフィマージュを採用している。

時刻表は鉄道・索道・航路編1巻とバス編2巻(東部編と西部編)の3巻バンドルで頒布されている。まず、鉄道・索道・船編の表紙裏には、鉄道網中心の図がある(サンプルは右下図参照)。縮尺1:1,150,000(115万分の1)。幹線系は太線で強調され、支線は細線だ。バス路線についても旅行者が使いそうなルートをセレクトしている。各路線に付されている数字は時刻表番号だ。この縮尺では、鉄道網が稠密な地域で、デフォルメが可能な位相図に比べてハンディがあるが、判読できる程度には描かれている。

一方、バス編には別刷りの1:620,000の路線図があり、おそらく時刻表掲載の路線を網羅しているのだろう、おびただしい黄色の線が全土をくまなく覆っている。手元にある2008年版では、さらに路線ごとに時刻表番号が付されて壮観だったが、さすがに錯雑とみなされたか、2013年版では地域を表す最初の2桁の明示にとどめられてしまった。図の第一印象がすっきりした反面、索引図としての機能は果たせなくなった。個々の路線の時刻表番号を探すには、時刻表本体にある地名索引に当たるしかない。

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現在のスイス公式時刻表地図
(左)バス編別刷り図 2008年版 (右)同 2013年版

なお、これらの地図は、下記サイトでダウンロードすることもできるので、全体は実物でご覧いただきたい。

■参考サイト
SBB - Trafimage Maps
http://www.sbb.ch/en/station-services/am-bahnhof/railway-stations/trafimage-maps-station-plans/maps.html (英語版)

トラフィマージュを構成する上記以外の地図群、すなわち駅の案内図や各地域の路線図(系統図)については、SBBのサイトからダウンロードできるほか、前回紹介したK+F社の「スイス公共交通地図」の別添小冊子にも一部がまとめられている。

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 スイスの鉄道時刻表

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