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2010年7月29日 (木)

アイスランドの地形図、その後

本ブログ2007年3月29日の項で報告した「アイスランドから地形図が消えた日」のその後を書き継ぎたい。北大西洋の島国から地形図が「消えた」原因は、同年1月1日に施行された行政改革だった。アイスランド国土測量局 Landmælingar Íslands(英訳 National Land Survey of Iceland)の業務範囲の見直しで、印刷図の刊行や販売部門を廃止し、在庫も処分されることになったのだ。

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この方針自体は別に珍しいことではない。端末装置の普及によって、印刷物を介さない地図利用法が一般的なものとなり、その反動で印刷地図の需要は確実に減退している。測量機関の関与をデジタル地図データの供給にとどめ、エンドユーザ向けの製品開発は民間に委ねるというのが、世界的な傾向だ。しかし、アイスランドの場合、受入れ態勢が決まらないまま、法改正の期日を迎えたために、紙の地形図が入手できない空白期間が生じてしまった。

入札により事業を引き継いだのは、首都レイキャビクで出版と書店を営むイズンメント Iðnmennt 社だった。同社は、フェルザコルト Ferðakort(旅行地図の意)というブランドを新たに立上げて、同年6月から、官製地図の復刊に取組み始めた。そして、買収済みの旧在庫品とともに、同社の書店内に設けた地図コーナーで扱うことにした。年々、美しい表紙カバーをつけた新刊が発表され、往時のラインナップに近づきつつある一方、古い図版を使用した一般図(1:100,000、1:50,000)は改訂が行われず、在庫限りとなる可能性もあるようだ。

アイスランドの地形図体系は、歴史的経緯から大きく3つに区分できる。同国は第二次大戦中の1944年に、デンマークから完全独立を果たすのだが、それ以前にデンマークの手で最初の本格的な国土測量と地図作成が実施されていた。これが1つ目の体系だ。

国土測量局のサイトによると、1900年に軍が開始した事業は、1928年設立の(デンマーク)測地学研究所 Geodætisk Instutut に引き継がれ、1940年までの間に670面の地図が製作された。その中には、1:1,000,000(100万分の1)および1:750,000の概観図、1:500,000および1:350,000の教育用(および一般用)壁掛け地図、全土を9面でカバーする1:250,000主要図 Aðalkort、全87面の1:100,000アトラス地図 Atlaskort があった。また、島の南部と西部については縮尺1:50,000のクォーター地図 Fjórðungskort(図郭が1:100,000の1/4)が117面作られた。

堀淳一氏の著書「地図と風土」(そしえて,1978)の一章に、アイスランドの地形図体系の紹介がある。当時はまだ上記の1:250,000、1:100,000、1:50,000が原図のまま販売されていて、「おそらく、五万分一図を縮めてつなぎ合わせたものを、ほとんど省略とか総描とか、いわゆる編集とよばれる操作を加えることなく、ほぼそのまま一〇万分一図にするというやり方を採っているのだろう」(同書p38)と、実例の写真をあげて推測している。1:250,000はその1:100,000をさらに圧縮したものだ。3つの縮尺シリーズのうち1:100,000アトラス地図は、描写の精度や全土をカバーしている点で需要があると考えられたのだろう。現在も印刷物で頒布されているほか、国土測量局がウェブ上でも公開している。

■参考サイト
アトラス地図閲覧サイト  http://atlas.lmi.is/kortasja/
 初期画面は衛星画像なので、画面上部の Atlaskort を選択してから(下図の状態)、スケールバーで拡大表示させる。

Blog_iceland_map_hp1

地形図体系の2つ目は、第二次大戦終結後の東西冷戦と関係が深い。アイスランドは1949年、共産圏に対抗して結成された北大西洋条約機構NATOの原加盟国に名を連ねた。NATOは、北大西洋の防衛に資するために広域測量事業を主導したが、アイスランドでも1955~56年に、三角測量などの実地作業が行われた。当時の米国陸軍地図局 Army Map Service (AMS) が主体となり、国土測量局も作業に協力した。このときの成果が同国測地網の基盤になっただけでなく、製作された1:50,000地形図の情報は、2003年に完成したデジタル地図データベース(IS 50V)にも生かされている。また、現在、同国で1:50,000地形図 Staðfræðikort として販売されているのは、これをAMSの後身、国防省地図作成局 Defense Mapping Agency (DMA) の協力により、1970~80年代に改訂したもの(C761シリーズ)だ。

地形図体系の3つ目は、近刊のベースマップとして使われているデジタルデータだが、これがAMS-DMAの測量成果から導かれたものであるのは先述のとおりだ。ラスタデータは各縮尺が揃っていて、フェルザコルトがこれから旅行地図や道路地図を製作している。

いくらデジタル全盛の時代とはいえ、印刷図の流通が途絶えるのは困惑する事態だったので、こうして再び店頭に多数の地図が並ぶようになったことを素直に喜びたい。それどころかここ数年、官製図の向こうを張って、もう1社、次々と美麗なオリジナル地図を送り出すところが現れた(マゥル・オク・メンニング社 Mál og menning、下記関連記事ではM&M社と略している)。おかげで、今では人口30数万人という小さな国に、もったいないほど多彩な地図文化が花を咲かせている。その様子について、次回から出版社別に紹介しよう。

■参考サイト
アイスランド国土測量局 http://www.lmi.is/
 国土測量局の沿革
 http://www.lmi.is/landmaelingar-islands/saga-landmaelinga-islands/

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2010年7月22日 (木)

スウェーデン 内陸鉄道-1270kmのロングラン

Blog_inlandsbanan_brochure スウェーデンの鉄道時刻表、Resplus の索引地図(下記参考サイト)で、一点鎖線(-・-・-)を使って描かれた路線が気になる。南北の長さはざっと国土の半分にも及ぶから、かなりのロングランであるのは間違いない。一点鎖線の記号は観光用の鉄道 Järnväg med turisttrafik を表しているのだが、私たちがイメージするせいぜい数kmから数十kmの観光鉄道と比べて、明らかに桁違いだ。この鉄道の正体はいったい何なのだろうか。ウェブサイト(下記)やパンフレットの情報を参考に、プロフィールを追ってみた。

■参考サイト
Resplus の索引地図 http://www.resplus.se/Resplus/Tidtabeller/Sverigekarta/
  北部は Linjekarta Nord、南部は Linjekarta Syd からPDFファイルにリンクしている。

鉄道の名は、スウェーデン語でインランツバーナン Inlandsbanan という。訳すと、内陸鉄道だ。全線非電化かつ単線で、起点は同国最大のヴェーネルン Vänern 湖畔にあるクリスティーネハムン Kristinehamn、終点は北極圏にある鉄鉱山の町イェリヴァレ Gällivare、その間1270kmある。ただし、現在、起点から40kmのニークロッパ Nykroppa と、ダーラナ地方、シルヤン湖畔 Siljan にあるムーラ Mora の間188kmは、線路が残されているものの旅客列車の設定はない。観光列車が運行されているのはムーラ以北で、しかも夏季限定(6~8月)だ。車両は、気動車が使用される。

*注 南端のクリスティーネハムン~ニークロッパ間には、ルドヴィーカ Ludvika 方面を結ぶ列車がある(時刻表番号75)。この区間は今年(2010年)から電化工事が始まった。また、クリスティーネハムン~ムーラ間には、夏季のみ代行バスが1便運行されている。

残存区間の運行は、エステルスンド Östersund で二分されている。南側のムーラ~エステルスンド間311kmは1日1往復(ハイシーズンはもう1往復増)が設定され、約6時間かかる。北側のエステルスンド~イェリヴァレ間731kmも1往復(エステルスンド~ストゥールマン Storuman 間のみハイシーズンに1往復増)だが、北行き14時間30分、南行き13時間50分の長旅だ。今年(2010年)夏のダイヤでは、朝7時15分にエステルスンドを出発して、終着イェリヴァレは21時49分、白夜の時期なので行動に差し支えないとはいえ、乗り通しは体力を消耗しそうだ。

時間がかかるのは、走行距離の長さもさることながら、途中駅での停車も影響している。たとえば、南側区間ではオーサナ Åsarna という小駅で計30~40分停まり、軽食が取れる。北側区間では同じような食事・休憩停車が数回あるほか、ソールセレ Sorsele で20分の内陸鉄道博物館見学、モスクセル Moskosel でも15~30分の工夫博物館見学(いずれも駅舎に併設)、さらにヨックモック Jokkmokk のすぐ南にある北極圏(北極線)横断地点で5~10分の記念写真タイムがある。確かに、長旅には気分転換も必要だろう。

Blog_inlandsbanan_map 車窓は、とりたてて絶景と言えるところはなさそうだが、どこまでも続く大自然を思う存分満喫できるのは確実だ。

南側区間は、ムーラから13kmのオーシャ Orsa まで、オーシャ湖 Orsasjön の湖面に沿っている。それから人家が途絶え、うっそうとした森林をひたすら上り続けて、同48kmで、早くも路線最高地点の標高524mに達する(地形図には Koppången という地名がある)。以後は、森の中にときどき小さな湖と川を見ながら、同136kmのスヴェーグ Sveg に向かう。

スヴェーグ駅の手前で渡るユスナン川 Ljusnan のトラス橋(町出身の推理作家ヘニング・マンケル Henning Mankell の名を取って、マンケル橋 Mankellbron という)は、鉄道の名物の一つで、道路と共用している。路面軌道のように、1.5車線幅程度の橋の上にレールも敷かれているので、列車と車がすれ違うことはできない。ウィキペディアのドイツ語版によると、「かつては、列車通過時に道路通行を遮断する見張りが配置されていた。その後、列車が接近したときに道路用の赤信号が点滅する半自動の安全装置(訳注:踏切警報機と同じもの)が設けられた。列車が停止し、橋が空いていることを運転士が確認すると、遮断機が降り、鉄道の信号が緑に変わる」。

■参考サイト
Wikimedia - マンケル橋(併用橋)の写真集
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Mankellbron

スヴェーグを出ると再び森の中だが、同254kmのスヴェンスタヴィク Svenstavik で、ストゥー湖 Storsjön(大湖の意)に出会う。南と北の列車がまみえるエステルスンドは、湖に面したイェムトランド Jämtland の中心地だ。

一方の北側区間は、氷河期のモレーン(堆石)で堰き止められた湖が北西~東南方向にいくつも横たわっているので、ルートはそれらの湖尻を縫う形に設定されている。1時間ほど走れば森が開けて小さな町がある、という繰返しだ。エステルスンド中央駅から167kmのフーティング Hoting を出るとまもなく、スウェーデン最奥部のラップランド Lappland に足を踏み入れることになる。森林の密度が下がり、ところどころ湿地が混じるようになっていく。

同473kmのアルヴィッツヤウル Arvidsjaur はイェーン鉄道 Jörnbanan(休止中)との接続駅だが、ちょうど石北本線遠軽駅のような線路配置のため、内陸鉄道はスイッチバックになって、列車の走行方向が変わる。ここはまた蒸機保存運転の拠点でもある。今通ってきたばかりのスラーグネス Slagnäs まで距離にして53kmを、夏の間、蒸気機関車が1930年代の客車を牽いて往復している。途中、乗客は湖畔で水浴とバーベキューも楽しめるそうだ。ツアーは、アルヴィッツヤウルを17時45分に出発し、22時ごろ戻ってくるという、北極圏周辺の土地ならではの時間設定だ。

同533kmには2つ目の道路併用橋があり、ピーテ川 Piteälven(älv、älven は川の意)をまたいでいる。

■参考サイト
Wikimedia - ピーテ川併用橋の写真集
https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Pite%C3%A4lvsbron_(Moskosel)

同646 kmのヨックモック Jokkmokk は、世界遺産に登録されたラポニア Laponia の玄関口の一つだ。町の名は、サーミ語で川の曲がり角を意味するらしいが、日本では洋菓子店の名称にされて耳に親しい。また、この5km手前には、「地理的北極圏 Geografiska polcirkeln」という簡易乗降場が設けられ、看板の前で北極圏入り(または脱出)の記念写真に収まるのが、乗客にとっての「通過儀礼」になっている。

鉄道が最後に通過するルーレ川 Luleälven は、今までになく大きな谷だ。深さ100m以上あるので、線路は渡れる位置まで谷壁に沿って遡る。逆S字のルートで支谷をいなした後、ハールスプロンゲット Harsprånget の堰堤の脇に出て、ようやく湖面にトラス橋を架ける。この川はスウェーデンの年間電気需要の1割を生産できる電源地帯で、ハールスプロンゲットは国内最大の水力発電所だ。同じ川沿いにあるポルユス Porjus(同693km)から先は、鉱石鉄道 Malmbanan の支線として先行開業した区間で、鉄道電化に必要な発電所を建設し、維持するために、作業員や資材を運搬していた。もうまもなく、その鉱石鉄道と合流する終点イェリヴァレが見えてくる。

最後に、内陸鉄道の歴史を簡単に振り返っておこう。スウェーデン内陸部を縦断する鉄道は、1907年になって着工された。国内の鉄道網の骨格が完成したので、ようやく人口の希薄な地域への延伸に、世間の関心が向き始めたのだ。内陸には木材、鉱物、水力など未開拓の資源が眠っており、産業振興の牽引役として鉄道への期待は大きかった。

最初の開通区間は1911年、エステルスンドから北へ、ヘーゲノース Häggenås まで38kmの区間だった。1917年までにスヴェーグ以北の全区間の建設が決定すると同時に、1916~18年には、スヴェーグ以南にあった既設私鉄の国有化が行われた。全線開業は1924年に予定されていたが、第1次大戦とその後の不況のために計画は遅れ、結局、最終的な開通式が挙行されたのは、1937年8月だった。

第2次大戦中、ノルウェーを占領下においたドイツは、鉄道がつながっていないノルウェー北部と中南部との間の軍事輸送路として、完成間もない内陸鉄道を利用しようとした。スウェーデンは中立を宣言していたが、対立回避のために、ドイツ軍の国内移動を許可せざるを得なかった。戦後になると、公共輸送の自動車交通への移行が加速し、内陸鉄道も大きな打撃を受けた。1969年、ついにムーラ以南の一部区間で旅客列車の廃止が実行された。

しかし、1990~92年の一連の動きは、鉄道の運命をさらに変えるものとなった。このとき政府は、鉄道を全廃してバスに転換することを提案したのだが、沿線自治体や住民の抵抗を受けた。そこで、施設は国が保有するものの、国鉄は運行から手を引き、自治体出資の内陸鉄道株式会社 Inlandsbanan AB が代わりに引き受けるという上下分離の形で、存続を図ることになった。2003年には旅行サービス部門として、現在のグランド・ノルディック社 Grand Nordic の前身が設立され、同鉄道の営業活動を担っている。また、木材などの貨物輸送も再開された。交通庁のサイトによると、鉄道施設は現在、ニークロッパ以南を除いて内陸鉄道株式会社に移管されているが、北部のアルヴィッツヤウル~ヨックモック間で交通庁が線路容量を増やす工事を実施するなど、再活用の計画も進められている。

冒頭写真に掲げたのは、グランド・ノルディック社が送ってくれた鉄道のパンフレットだ。冊子はオールカラー、全28ページの充実した内容で、スウェーデン語のほか、英語、独語の3種類が用意されている。時刻表の索引地図から長い一点鎖線を消さないように、内陸鉄道沿線で地道なPRの努力が続けられていることを、読んで実感した。

■参考サイト
内陸鉄道(公式サイト) http://www.inlandsbanan.se/
グランド・ノルディック社  http://www.grandnordic.se/
 英語版あり。紹介したパンフレットはPDFファイルでも見ることができる。
交通庁による「内陸鉄道」の紹介
http://www.trafikverket.se/Privat/Vagar-och-jarnvagar/Sveriges-jarnvagsnat/Inlandsbanan/

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 スウェーデンの鉄道地図 II-ウェブ版

2010年7月15日 (木)

スウェーデンの鉄道地図 II-ウェブ版

Blog_sweden_x2000
グネスタ郊外の
X2000
(SJサイトより)

今回は、ウェブサイトで見ることのできるスウェーデンの鉄道地図を紹介しよう。

鉄道インフラを管理していた(旧)鉄道庁 Banverket のサイトでは、確か全線全駅を描いた立派な鉄道地図がPDFファイルか何かで提供されていたと記憶する。残念なことに、今年(2010年)4月発足した新組織、交通庁 Trafikverket には引き継がれていないようだ。

ただし、交通庁のサイトにも「スウェーデンの鉄道網 Sveriges järnvägsnät」というページがあり、「スウェーデンの鉄道網の延長はおよそ12,000km、その大部分、約90%が電化されている」というリード文とともに、簡単な路線図の画像が掲載されている。簡単な、とはいっても幹線・支線、単線・複線が区別された地図なのだが、凡例がついていないので知る人ぞ知るの状態だ(下注)。もとよりこれには、路線別の紹介ページへ導くクリッカブルマップ以上の役割は与えられていない。

Blog_sweden_railmap_hp1*注 幹線は黒以外の配色、支線は黒で描かれている。また、単線は1本線、複線は二重線。予定線は破線で表される。すなわち、前回紹介した(旧)鉄道庁の「鉄道地図 Järnvägskarta」がベースになっている。

一方、路線別ページには、主要駅が記載された個別の路線図がある。また、線路改良計画などインフラ部門ならではの最新情報が充実していて、有益だ。たとえば、前回も言及したボトニア鉄道 Botniabanan の新設、その南に接続する既存線オーダール鉄道 Ådalsbanan の改良、首都ストックホルムの最混雑区間に別線を建設するシティ鉄道 Citybanan、マルメ中心街を貫通してオーレスン(エーレスンド)リンク Øresundsforbindelsen に直結するマルメ・シティトンネル Citytunneln i Malmö の新設など、各地で意欲的な設備投資が行われていることがわかる。ルートを示す地図もあるので、興味のある方は下記サイトを参照されたい。

■参考サイト
交通庁 スウェーデン鉄道網 Sveriges järnvägsnät
http://www.trafikverket.se/
 トップページ > Privat(個人)> Vägar & järnvägar(道路と鉄道)> Sveriges järnvägsnät
または直接リンク
http://www.trafikverket.se/Privat/Vagar-och-jarnvagar/Sveriges-jarnvagsnat/
ボトニア鉄道路線図(PDF)
http://www.botniabanan.se/upload/bilder/karta/Karta rev 11 besk.pdf
オーダール鉄道改良計画図(PDF)
http://www.trafikverket.se/PageFiles/14827/Projektkarta_080919.pdf
シティ鉄道路線図(JPEG画像)
http://www.trafikverket.se/PageFiles/13350/flygfoto_karta_1021x1443.jpg
マルメ・シティトンネル路線図
http://www.citytunneln.com/sv/2154/Kartor/

Blog_sweden_railmap_hp2 旅客列車を運行するSJ(スウェーデン鉄道)のサイトには、国内と北欧諸国の2種類の路線図がある。印刷可能なPDFファイルなのがありがたい。国内編はグレーのベースマップに路線と主要駅を描いたものだ。図では説明されていないが、太線は、交通庁が認識する幹線ではなく、SJの運行路線を示している。南岸のヘッスレホルム Hässleholm ~カールスクルーナ Karlskrona 間のように、SJがすでに撤退した路線もまだ太線で描かれており、バージョンは少し古いようだ。最新版は、SJのパンフレット "Sweden by train" の中に見つかる。

北欧諸国編 Railway map of the nordic countries は、英語版も用意されている。ターコイズブルーで陸地をかたどった上に、鉄道のないアイスランドを除く北欧4か国の路線網と連絡航路を描いたものだ。スウェーデン、フィンランド間の国境越えは現在旅客列車が設定されていないので、バスルートとおぼしき破線でつなげている。ノルウェー西岸など、鉄道は通じていないが人気のある観光都市も図示してあるから、広域旅行者向けに製作されたものだろう。ページ下部には、タッグを組む4か国の代表的な旅客鉄道会社(旧 国鉄)のロゴマークが並んでいる。

■参考サイト
SJ  http://www.sj.se/
路線図は、英語版トップページ > 右メニューの Routemaps  または上部メニューの Travel with SJ > Route maps
パンフレットは、同じくTravel with SJ > Brochures

SJ以外の事業者も、いくつかあげておこう。

Blog_sweden_railmap_hp3 大ストックホルム地域交通 Storstockholms Lokaltrafik(略称SL)は、ストックホルム市内および郊外の公共交通を担っている。公式サイトには、ルートを縦・横・斜め45度にデフォルメしたいわゆるスキマティックマップ(位相図)の路線図(PDFファイル)と、市街図上に運行ルートを描きこんだインタラクティブマップが用意されている。前者は、地下鉄 Tunnelbana や郊外私鉄の路線、乗換駅を把握するためのものだ。後者はそれに加えて、輻輳するバスルートと停留所の地理的位置が確認できるので、市内外の往来には重宝するだろう。

■参考サイト
大ストックホルム地域交通 http://sl.se/
 トップページのハートマーク+"Visitor" > Maps
 スキマティックの路線図は、右メニューのLinksにある。
 または直接リンク(PDF)
  http://sl.se/Global/Pdf/Kartor/spartrafik_zoner08.pdf
 インタラクティブマップの路線図は、ページ中央の "City map" 以下のリンクより

Blog_sweden_railmap_hp4 トーグコンパニエット Tågkompaniet(列車会社の意)は、スウェーデン中部、スヴェアランド Svealand と称される地域の旧 国鉄路線を運行している。路線図はスキマティックマップだが、黒の背景を使った異色のデザインが印象的だ。

■参考サイト
トーグコンパニエット http://www.tagkompaniet.se/
 運行路線図は、トップページ > Allt om resan(列車の旅について) > Sträckor(運行路線)
 または直接リンク(JPEG画像) http://www.tagkompaniet.se/UserFiles/linjekarta_webb.jpg

Blog_sweden_railmap_hp7 DSBファースト DSBFirst はデンマークの項でも紹介したが、エーレスンド(エーアソン)海峡 Øresund を介してデンマークのシェラン島とスウェーデンのスコーネ地方を結ぶ列車を走らせている。ここの路線図もスキマティックマップで、青と緑の寒色系でデザインされている。

■参考サイト
DSBファースト http://www.dsbfirst.se/(スウェーデン語版)
路線図はスウェーデン語版トップページ > Här kör DSBFirst(DSBファーストはここを走る)
または直接リンク http://www.dsbfirst.se/Har-kor-DSBFirst-/

なお、旅行者向けの鉄道地図では、前回触れたとおり、Resplus の時刻表添付地図もダウンロードできる。こちらはすべての旅客列車運行線区を分け隔てなく描いている。
(サイトのURLは前回の項参照)

Blog_sweden_railmap_hp5 路線図の範疇には入らないが、詳細な駅構内図を提供するサイト stationsinfo.se がある。1つの駅に対して、駅周辺図 Stationsområde、駅構内図Stationshus、バスターミナル配置図 Bussterminal(設置されている場合のみ)、市街図 Tätortskarta(グーグルマップへリンク)の4種が用意されている。前3者はオリジナルで、デザインがスマートなばかりか、ホームから駅前のタクシー乗場や駐車・駐輪場への道順まで図示する丁寧さには驚く。

■参考サイト
stationsinfo.se http://www.stationsinfo.se/station/

Blog_sweden_railmap_hp6 最後に、スウェーデン鉄道史 Historiskt om Svenska Järnvägar のサイトを紹介しておこう。同国鉄道の膨大な過去資料を公開している個人サイトだが、その中に「スウェーデン鉄道地図(概観図)Järnvägskarta Sverige (översikt)」というページがある。鉄道地図といっても、1910~30年代、つまり国営化以前の鉄道網がテーマで、鉄道会社別に路線図や時刻表が多数画像化されている。それらを追えば、幹線網の間隙を埋めようと、おびただしい数の小路線が国土を覆っていたことが手に取るようにわかる。

最初の索引地図は少々見にくいが、スウェーデン中部から南部にかけての一帯を表している。図上で任意の地方をクリックすると、地方図のページに飛ぶ。その索引図で任意の路線を選択すると、鉄道会社ごとのページになる。表記は基本的にスウェーデン語だが、見出しなどに英語が併記されているので、追跡は可能だ。

■参考サイト
スウェーデン鉄道史  http://www.historiskt.nu/
 鉄道地図は、トップページ上部メニューのkartorから

冒頭の列車写真は、SJ公式サイト > Om SJ > Press > Bilder > X 2000で提供されている「グネスタ郊外のX2000、タンポポの咲く或る5月の日 X 2000 utanför Gnesta, en majdag när maskrosorna slagit ut」を使用した。Foto: Stefan Nilsson.

★本ブログ内の関連記事
 スウェーデンの鉄道地図 I

 近隣諸国のウェブ版鉄道地図については、以下を参照。
 デンマークの鉄道地図
 ノルウェーの鉄道地図
 フィンランドの鉄道地図
 ヨーロッパの鉄道地図 V-ウェブ版

2010年7月 8日 (木)

スウェーデンの鉄道地図 I

Blog_sweden_timetable
列車時刻表
2009-10冬版
表紙

スウェーデンの列車時刻表 Tågtider には、実にさまざまな運行事業者の名が上がっている。旧 国鉄の SJ(下注)は、幹線の優等列車でこそまだ幅を利かせているものの、多くの地方路線や、幹線でも各停列車ではもはや影が薄い。SJの公式サイトによれば、同国の旅客鉄道輸送に占めるSJの比率は4割(2005年)まで低下しているそうだ。

*注 SJの名は、もと Statens Järnvägar(スウェーデン国鉄)の略称だったが、現在の会社はSJ ABが正式名称(ABは Aktiebolag の略で株式会社の意)。SJ はスウェーデン語でエスイーと発音する。

スウェーデンの鉄道網は1988年に上下分離が実施されて、それまで公共企業体であった国鉄は、インフラを管理する鉄道庁 Banverket と、列車を運行する政府出資の国鉄株式会社の二元体制となった。後者はさらに2001年に事業別に6社に分割されたため、現在のSJ ABの事業は、旅客列車の運行に特化されている。また、鉄道庁は、今年(2010年)4月1日に道路庁と統合されて、交通庁 Trafikverket(英語名 Swedish Transport Administration)に衣替えした。

■参考サイト
SJ http://www.sj.se/
交通庁 http://www.trafikverket.se/

今回はスウェーデンの鉄道地図のうち、印刷物で流通しているものを紹介しよう(ウェブ版は次回)。

Blog_norway_railmap21つ目は、ノルウェーの項でも紹介した M. G. Ball 氏の「ヨーロッパ鉄道地図帳 European Railway Atlas」だ。北欧諸国 Nordic Region 編(右写真)には、市内交通を除くスウェーデンの鉄道全線と主要駅が図示されている。各地の保存鉄道や、ボトニア鉄道 Botniabanan(下注)のような建設中の新線も記載されている。同国の鉄道路線は西部本線 Västra stambanan、ダーラナ鉄道 Dalabanan といった路線名称を持っているが、それもすべて明示してあるので、重宝な参考資料だ。

*注 ボトニア Botnia は英語でいうボスニア Bothnia。内陸経由の現行幹線に対してボスニア湾岸を走る高速新線で、ニーランド Nyland ~ウーメオ Umeå 間185km。今年(2010年)8月全通予定。さらに北へルーレオ Luleå まで延伸する北ボトニア鉄道 Norrbotniabanan の構想もある。なお、本稿では...banan を「~鉄道」と直訳したが、現地では日本でいう「~線」の意味で使われている。

■参考サイト
M. G. Ballのヨーロッパ鉄道地図帳 http://www.europeanrailwayatlas.com/

★本ブログ内の関連記事
 ヨーロッパの鉄道地図 I-M.G.Ball地図帳

Blog_sweden_railmap1 2つ目は、表紙に(旧)鉄道庁のロゴが入った「鉄道地図 Järnvägskarta」だ(右写真は折図の表紙部分。右下写真は全体)。横55.5×縦98cmの大判用紙を使い、縮尺は1:1,700,000(170万分の1)。水部(川、湖)と行政界、それに薄く主要道路網を描いたベースマップの上に、スウェーデン国内の鉄道路線網を表示している。表記はスウェーデン語のみ。

インフラ管理の視点から作成されたものなので、路線の分類基準は、管理者と重要度(幹線、支線)だ。まず、管理者は色で区別する。鉄道庁所管の路線は赤、鉱石鉄道 Malmbanan(キルナ Kiruna を通る産業路線)は緑、内陸鉄道 Inlandsbanan は青紫、その他の私鉄は藤色だ。また、重要度については、幹線網 Stomnät を線路数(単線、複線、それ以上)で分け、支線は県の鉄道 Länsjärnväg と、その他の鉄道 Övrig järnväg に分ける。時刻表と照合すると、旅客列車が走っているのはおおむね県の鉄道までで、その他とされた路線は貨物のみか休止中のようだ。

Blog_sweden_railmap1_detail 駅はおおむね全駅掲載で、その点で M.G.Ball地図帳と一線を画している。ただし、密度が高い首都ストックホルム近郊などはもはや描写の限界に近く、たとえば、北郊へ行く狭軌私鉄ロースラーゲン鉄道 Roslagsbanan などは、幹線優先のあおりを受けて主要駅のみの記載にとどまる。また、電化 elektrifierade と自動閉塞化 fjärrblockerade の範囲については、余白に略図が用意されている。

この地図は1999年の刊行だが、その後改訂版は出ておらず、鉄道書を手広く扱うストックホルムのステンヴァルス書店 Stenvalls などから今でも入手できる。

■参考サイト
ステンヴァルス(ショッピングサイト) http://www.stenvalls.com/shop/
 鉄道地図は Järnvägar > kartor。サイトの表記はスウェーデン語だが、外国へも発送してくれる。上記サイトは発注画面のみ。発注するとeメールで見積が来る。

Blog_sweden_railmap2 3つ目は、「スウェーデンの鉄道 Sveriges Järnvägar」と題した壁掛け地図 väggkarta だ(右写真はタイトル部分)。地形図や旅行地図などを販売するカートブティケン Kartbutiken のサイトにあり、似た体裁の行政区分図などと同列の企画商品らしい。サイズは横50×縦82.5cm、縮尺は1:2,000,000(200万分の1)だ。鉄道庁地図の後継図かと少し期待して購入したが、現存路線と計画線(=ボトニア鉄道)、主要駅、主要道路を淡々と描いてあるだけで、路線の形態分類もなく、資料価値は低かった。保存鉄道と鉄道博物館の記号が図示され、余白に所在地と電話番号のリストが載っているのが唯一の特色だ。2007年の刊行だが、カートファラーゲット Kartförlaget の組織もすでになく、在庫限りで消えてしまいそうだ。

■参考サイト
カートブティーケン http://www.kartbutiken.se/
 英語版トップページ > Wall maps > Sweden > Sweden Railways Kartförlaget väggkarta

★本ブログ内の関連記事
 スウェーデンの道路・旅行地図と地形図地図帳
  カートファラーゲットについて紹介している。

最後に、時刻表 Tågtider の添付地図について触れておきたい。

Blog_sweden_timetable_map 先述のように、スウェーデンではオープンアクセス政策の徹底によって、さまざまな事業者が列車を運行するようになった。これで効率性やサービスの向上が図られればいいが、会社ごとに発券や予約のシステムが異なると、かえって利用者離れを招きかねない。そこで考え出されたのが、SJをはじめ運行事業者や地方自治体が出資したスウェーデン共同輸送株式会社 Samtrafiken i Sverige AB によって運営される、「通し」乗車券、一括予約のシステム"Resplus"だ(Resは「旅の」を意味する。plusは英語の借用)。Resplus のチケットは、運行事業者が複数あっても目的地まで1枚で発行され、たとえば乗っていた列車が遅れて接続便に間に合わなかったときは、次の便への乗車を保証している。

時刻表の編集も同社のミッションの一環だ。路線別時刻表の最上段には、イギリスのように、運行事業者の略号が付されている。これはウェブ上で提供されるとともに、冊子が年2回(夏版、冬版)刊行される(冒頭の写真参照)。スウェーデンの鉄道時刻表といえば、もっぱらこれを指す。添付の索引地図は、水部と山岳、行政区分を描いた縮尺1:4,500,000(450万分の1)程度のベースマップに、旅客営業している路線と主要駅、時刻表番号を記載したものだ。鉄道庁の地図と併せて見れば、同国の鉄道網への理解がさらに進むだろう。この地図もウェブで閲覧できる。

■参考サイト
Resplus  http://www.resplus.se/
 路線別時刻表はトップページ > Tidtabeller (Timetables)
時刻表地図 http://www.resplus.se/Resplus/Tidtabeller/Sverigekarta/
  PDFファイルで提供。北部は Linjekarta Nord、南部は Linjekarta Syd のリンクより。

★本ブログ内の関連記事
 スウェーデンの鉄道地図 II-ウェブ版

近隣諸国の鉄道地図については、以下を参照。
 デンマークの鉄道地図
 ノルウェーの鉄道地図
 フィンランドの鉄道地図

2010年7月 1日 (木)

スウェーデンの道路・旅行地図と地形図地図帳

Blog_sweden_kartforlaget_logo 今回は、カートファラーゲット Kartförlaget というブランドをもつ地図について取り上げよう。Kartförlaget は英語なら The map publisher(地図の出版者)だ。スウェーデンの旅行地図や道路地図の主要な刊行元として知られていた。右写真はそのロゴマークだが、マークの下部に書き添えられているとおり、実体は「国土測量庁(ラントメーテリエット)の一部門 ingår I Lantmäteriet」だった。基本的な地形図は国土測量庁の名義で出すが、実用的な地図はカートファラーゲットと、看板を使い分けていたのだ。

過去形で紹介したのには訳がある。民営化の一環で、販売部門のカートブティーケン Kartbutiken とともに、2008年9月をもって大手出版グループのノーシュテッツ Norstedts Förlagsgrupps に譲渡されてしまったからだ。いったんはブランド名も、イェヴレ Gävle にある拠点の建物や従業員も引き継がれた。しかし、出版不況の影響を受けて、今年(2010年)1月、故地を完全撤収し、事業はノーシュテッツの本社があるストックホルムに集約されたと伝えられる。その証拠に、かつて地図表紙の下部にあったカートファラーゲットのマークは、新刊からノーシュテッツのオリジナルロゴに置き換えられている。

Blog_sweden_travelmap 今のところ、国営時代に築かれた地図のラインナップに変化はない。代表的なシリーズである「道路・旅行地図 Bil- och turistkartan」も健在だ(右写真は2005年有効版。現行版とはデザインが異なる)。これはスウェーデン全土を6面でカバーする区分図で、日本のJAF(日本自動車連盟)に相当するスウェーデンの全国運転者協会 Motormännens Riksförbund とのタイアップで刊行されてきた。表紙の上部にある3個の王冠と大文字のMは協会のマークにほかならない。

縮尺は南半分の図葉が1:250,000、人口密度の低い北半分は1:400,000だ。1:250,000は官製地形図のシリーズと競合するように見えるが、官製は同じ南半分を揃えるのに10面必要で、1面当り103.50クローナ(カートブティーケンの表示価格。1クローナ12円として1,242円)、片や道路・旅行地図は南半分なら4面で済み、かつ1面75.50クローナ(同906円)で、後者のほうがかなりお徳だ。面数が少ないのはそれだけ図郭が大きいからで、横100×縦138cmの大判用紙を折畳み、厚紙の表紙をつけている。

Blog_sweden_travelmap_index
「道路・旅行地図」
の索引図

図式の点で官製図と大きく異なるのは、等高線やぼかし(陰影)といった地勢表現が省略され、山地のおおまかな段彩にとどめられていることだ。土地利用景は市街地、森林、裸地(耕地・空地)、湿地、氷河と塗り分けられているが、森林と裸地は類似色のため判別しにくく、全体として、面的表現は平板だ。一方、道路表示は主要道を除き、くくり(縁取り)のない赤の実線にして、線の太さで重要度を示している。鉄道は官製図に採用されている旗竿式ではなく、実線に短線を交差させた日本でいう私鉄記号にしている。

明らかに官製のデータベースを使いながら、図式をこのように変更しているのは、道路地図という特性に合うデザインを追求した結果だろう。確かに、この目的では地勢表現は雰囲気づくりの小道具に過ぎず、それよりも道路網や居住地が明瞭に識別できることを優先したのだ。区間距離の表示が円の中に数字という無骨なものだったり、旅行情報の色を水部と同じ青にしたため目立たなかったりと、もう一工夫ほしいところはあるが、わかりやすさ、手ごろな価格といった大衆性の点でお薦めできるシリーズといえる。

このほかに、地域を小範囲に特定した旅行地図が各種ある。ストックホルム県 Stockholms län をはじめ、スコーネ地方と東シェラン(デンマーク)Skåne med Östra Sjælland、ゴットランド島 Gotland、エーランド島 Ölandなどだ。縮尺1:100,000~1:150,000と拡大されるが、図式に大きな違いはない。いずれも両面刷りで、裏面に中心市街図や見どころなど旅行情報が掲載されている。

Blog_sweden_roadatlas運転者のスウェーデン道路地図帳 Motormännens Sverige Vägatlas」(右写真)も、カートファラーゲット時代からある刊行物で、「運転者の(モートルメンネンス)Motormännens」というタイトルは例の協会のことを指している。メインの地図は、「道路・旅行地図 Bil- och turiskarta」を細分化したものだが、そのほかに地勢を段彩で表現した北欧全図と、国内50都市の市街図、それに地名索引もついて、全290ページほどある。これで225クローナ(同2,700円)なので、もしスウェーデン全土の道路網を見たいのなら、区分図をこつこつ揃えるよりもさらにお徳だ。

Blog_sweden_storaatlas ちなみに筆者が愛用しているのはこれのワイド版で、2003年に刊行された「国土測量庁スウェーデン大地図帳 Lantmäteriets Stora Sverigeatlas」と称する地図帳だ(右写真)。「運転者」が横20×縦29cmでほぼA4判なのに対して、こちらは横29.5×縦38.5cmと一回り大きい。大型本は確かにかさばるのだが、その反面、広い範囲を一望できるという紙地図の利点が生きてくる。

メインの地図の縮尺は同じ、市街図の収録数も同じ50都市だ。しかし、ワイド版限定の特徴がある。メインの地図に25m間隔(1:400,000図は50m間隔)の等高線が入っていることと、50都市について、近郊を描いた1:50,000地形図(一部は1:100,000)がついていることだ。特にこの1:50,000は、各都市1ページ、大都市は見開き2ページに展開され、大判ならではの豊富な情報量を提供してくれる。

ワイド版は「運転者」に比べて地形図の要素が多く盛り込まれ、地形図ファンを喜ばせた地図帳だったのだが、その後更新されず、残念ながら一時の企画に終わったようだ。刊行元のカートファラーゲットが消滅した今となっては、復刊に期待するのも虚しい。

■参考サイト
カートブティーケン http://www.kartbutiken.se/
 上記の地図は、トップページ英語版 > MAPS OF SWEDEN
「運転者のスウェーデン道路地図帳」のなか身を見る
http://www.smakprov.se/smakprov/Motormannens-Sverige-vagatlas-2010-9789174310481
ノーシュテッツ社 http://www.norstedts.se/

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