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2008年4月 3日 (木)

旧ソ連軍作成の地形図 II

以前、ウクライナとベラルーシの地形図を閲覧するサイトを紹介したが、底なし沼とさえ形容したくなるソ連軍参謀本部地図のジャングルに筆者が足を踏み入れたのは、このサイトのリンクをたどったのがきっかけだった。

■参考サイト
ウクライナの地図 http://maps.vlasenko.net/

画面左下のリンク
Топографические карты России, Европы - несортированные (soviet military topographic maps of Russia, Europe - unsorted): 1:50,000~1:1,000,000
が各縮尺のインデクスマップへのリンクになっていて、全部で18,000 点ほどもある膨大な地形図画像にアクセスできる。しかし、実際にご覧になると実感できると思うが、広大なユーラシア大陸、さらにアフリカ大陸にまで及ぶ地図集成に対するに、このインデクスマップはあまりにも小さく、また国境以外に目印になるものがない。1:500,000程度の縮尺ならまだしも、1:50,000の1図葉を特定するのは針穴に糸を通すがごときだ。

そこで、同じ画像を閲覧できる別のサイトがある。

■参考サイト
Поехали! (Poehali!) 英語版 http://en.poehali.org/maps/

【追記 2011.12.4】
Poehali!は、2011年12月15日をもってサービスを終了する。Poehali! は vlasenko.net に比べて提供面数が多かったので、サービス休止はたいへん残念なことだ。なお、vlasenko.net(無料ダウンロード)と、mapstor.com(有料ダウンロード)は継続している。
以下の『 』内は、Poehali! の2008年当時のサイトデザインに基づく操作ガイドだ。アーカイブ代わりに残しているが、必要なければ読み飛ばしていただきたい。

Blog_genshtab_hp1

『ここではインデクスにベクトルマップが使われており、主要な都市名も記載されている。ロシア語と英語版を切り替えられるのが、非キリル文字圏の人々にとっては何よりありがたいシステムだ(地名はロシア語版のほうが多そうだが)。

使い方は画面右に書かれている。初期画面の地図はベラルーシのミンスクだが、地図は拡大縮小自在なので、スライドバーを下(マイナス)側に動かして、できるだけ広域表示にしてから、見たい地域を絞っていくといい。スライドバーを再び上へ動かすと、地図上にグリッド(方眼)が現れる。グリッドの左上隅にあるプラスまたはマイナスの記号をクリックすると、地図の右欄に閲覧可能な地形図の一覧が表示される。

地図の上欄のラジオボタンで縮尺の選択ができるので、もし右欄に Maps are not found とメッセージがでたら、小さい縮尺(分母の大きいもの)を選びなおす。たとえば西欧エリアは1:500,000が最大縮尺なので、たとえ1:100,000を選んでも地図は見つからない。また、それとは逆に、右欄に多数表示されたときは、地図上でエリアをさらに絞りこむ必要がある。スライドバーを1段階上へ動かしてから、もう一度グリッドの+-をクリックしてみる。これを繰り返して、右欄が Founded: 1 map になれば、当該グリッド全体をカバーする地図を選択できたことになる。

では、画像を表示してみよう。Download(2.70Mb)などとあるリンクをクリックすると、次画面でウェイティングサインが5秒ほど現れた後、プロテクションコード(自動サイトからのアクセスを防ぐ手入力コード)の入力を求められる。半角数字で入力すると、開くか保存するかを聞くポップアップが表示される。これに応答するとGIF形式の地図画像がダウンロードされる。ちなみに、縮尺に200kなどと使われているのは、200kilo(200×1,000)=200,000のことだ。』

Poehali! で得られる画像は vlasenko.net と同じもの(ただし vlasenko はJPEG形式、Poehali! はGIF)だが、惜しいことに左上と右下にウォーターマークが刻まれている。vlasenko.net の方はほとんどそれがないか、痕跡は残るもののマークが潰されているので、より「きれいな」画像を好むなら、Poehali! のプロテクションコード画面で表示される図番を調べて、vlasenko.net で直接ファイル名を指定するといい。
<例>
1:100,000の場合 モスクワ
http://download.maps.vlasenko.net/smtm100/n-37-004.jpg
1:50,000の場合 サンクト・ペテルブルク
http://download.maps.vlasenko.net/smtm50/o-36-001-2.jpg

vlasenko.net、Poehali! とも、1面ごとに図葉を地図で指定してダウンロード操作する必要がある。広いエリアの地形図画像をできるだけ手間をかけずに入手したいという場合は、有料サイトである mapstor.com を利用するしかない。1面当り4米ドルかかるが、国単位のセットで購入すれば割安になる。支払はクレジットカードで行うので、即座にダウンロードすることが可能だ。なお、画像は Poehali! と同じGIFファイルで、ウォーターマークも入っている。

■参考サイト
mapstor.com http://mapstor.com/

これらのサイトから提供される画像は、詳細を読取るのに不自由を感じさせない程度の鮮明さを保っているが、それでも現物には劣る。不満を解消するには、現物を所蔵している図書館等を訪問することだ。日本では、岐阜県図書館の収集が充実している。同センターはコピーの郵送サービスも行っている。

■参考サイト
岐阜県図書館 http://www.library.pref.gifu.jp/map/top.html

Blog_genshtab_index 参考までに、ソ連軍参謀本部地図の図番体系Nomenclatureを、1958年の米軍総司令部資料に基づいて説明しておこう(右画像参照)。

1:1,000,000の各図葉は極北を除いて緯度4度、経度6度のエリア(1グリッド)をカバーし、「M36」あるいは「M-36」のように付番される。Mは赤道から北へ4度ごとに区切って(アルファベットで)13番目、36は経度180度から東回りに6度ごとに区切って36番目という意味だ。

それより大縮尺の場合は、次のように付番される。
・1:500,000: 1グリッドを4等分した図郭。図番は後ろにА Б В Г(ロシア語アルファベットの最初の4文字)がつく。例:M36-В。なお、閲覧サイトではアルファベットの代わりに1,2,3,4を使用している。例:M36-В→M36-3。

・1:200,000: 1グリッドを6×6=36等分。図番は後ろにローマ数字のI~XXXVI(36)がつく。例:M36-XXXI。閲覧サイトではアラビア数字でM36-31。

・1:100,000: 1グリッドを12×12=144等分。図番は後ろに1~144がつく。例:M36-133

・1:50,000: 1:100,000の図郭を4等分。図番は1:100,000の図番の後ろにА Б В Гがつく。例:M36-133-А。アラビア数字でM36-133-1

・1:25,000: 1:50,000の図郭を4等分。例:M36-133-А-3。アラビア数字でM36-133-1-3。

なお、旧ソ連はベルヌ条約に署名しなかったため、ロシア政府が遡って主張しているものの、ソ連時代に作成された地図の著作権はあいまいなままになっている。

次回はソ連図でユーラシア大陸を散歩してみる。

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