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2006年8月31日 (木)

オーストラリア大陸縦断列車と鉄道地図

Blog_australia_railmap_nat オーストラリア南岸のアデレードと北岸のダーウィンの間2,979kmを結ぶ大陸縦断列車「ザ・ガンThe Ghan」が走り始めたのは2004年2月4日だった。列車の名称は、道路が整備されるまでこのルートの輸送手段であったアフガニスタン生まれのらくだAfghan camelの略称にちなんでいる。熱風の吹きすさぶ荒地を進むらくだの隊列(camel trains)に比べて、現代のtrainの旅は桁違いにらくだ!

■参考サイト
Great Southern Railway http://www.gsr.com.au/ ザ・ガンを運行する。日本語サイトあり

それはともかく、南北縦断鉄道の開通(工事の完成は2003年9月)は国を挙げてのお祝いごとだった。同国の国土地理院にあたるジオサイエンス・オーストラリアも記念出版として、鉄道地図NATMAP Railways of Australiaを作成した。縮尺1:5 000 000(500万分の1)で、地勢を陰影で表したオレンジの大地に全国の鉄道路線が描かれている。

同国の鉄道は開発の経緯から、南岸のヴィクトリア州は1600mmの広軌、南東のニューサウスウェールズ州とインターステート(州間)幹線は1435mmの標準軌、北東のクイーンズランド州、南方の島タスマニア州や西岸のパースPerth周辺は1067mmの狭軌と、ゲージ(線路幅)が異なる。地図ではこれを緑、赤、青の実線で示し、さらに旅客・貨物共用、貨物専用、休止中の違いを線幅や網かけで描き分けている。

それで見ると、日本の20倍もある広大な大陸だけに、鉄道は沿岸部の都市間連絡と内陸にひげのように伸びる貨物線が中心だ。インディアン・パシフィック号が走るナラボー平原Nullarbor Plainの世界一長い直線コースも、大陸全体から見ればかなり沿岸部に寄っている。ほんとうに大陸の中央部に入り込むのは「ザ・ガン」のルートだけ...となると、地図の製作者が標準軌の塗り色に、目立つ赤を選んだ心境もよくわかる。

Blog_australia_railmap_hema ところで、オーストラリアの鉄道地図はジオサイエンスの独占ではない。大手地図出版社ヒーマHema Mapsから「オーストラリアの鉄道旅行Rail Journeys of Australia」というタイトルの地図が刊行されていて、情報量では圧倒的な差があるので、お求めの向きにはこちらをお勧めする。

ベースとなる地図は縮尺1:5 500 000で前者と似たサイズだが、地勢表現は省略されている(そもそも鉄道地図の要件ではない)。その代わりに地名や道路網は詳しく描かれ、1枚ものの地図なのに地名索引まで備えている。鉄道の表示は軌間や利用状況で区分されているほか、有名な長距離列車の通過するルートが網かけで示され、図郭外に解説がついている。さらに、相当数の保存鉄道や鉄道博物館が、運行頻度や所在地、ウェブサイトなどのデータつきでリストアップされているのには感嘆するしかない。

裏面は全駅を表示した都市近郊路線図で、実は同じもの(Australian Rail Maps)がウェブサイトにも上がっているのだ。ウェブの路線図は列車を運行する鉄道会社のサイトにリンクしているので、長距離路線から市内交通まで全国の鉄道時刻表が居ながらにして得られるというしくみ。わずか12.95ドル(1,150円)で買えるオーストラリアの鉄道百科、そんな形容もあながち大げさではない。

■参考サイト
Australian Rail Maps http://www.railpage.org.au/railmaps/
ヒーマ社 http://www.hemamaps.com.au/ 同社は直販をしていないが、HPの"BUY A MAP"に小売店の一覧表がある。筆者もその一つ、Information Victoriaで購入した。

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