« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »

2006年3月23日 (木)

チェコの旅行地図 I

blog_czechKCT

「官製地図を求めて」ではまだチェコの官製地図情報をきちんと作成できていない。というのは、民間地図会社が1:100,000や1:50,000でチェコ全土をカバーする区分図のシリーズを出版していて、その出来がたいへん良いからだ。

作者の知る限り、区分図シリーズの出版元はKČT、SHOCART、Kartografie Prahaの3社。きょうはKČT、チェコ・ツーリスト・クラブ Klub Českých Turistů の観光地図について書こう。「...求めて」でも詳しく紹介しているように、この地図は官製の1:50,000地形図をベースにしてハイキングルート、観光施設、休憩施設等を加刷したもの。

ベースマップは測量局のHPやカタログに掲載されている1:50,000の見本図とは明らかに異なる。旧東ドイツの官製図でチェコ領の部分はKČTのベースマップとほぼ同じものが用いられているところから見て、これは公用版の官製図らしい。東ドイツでは一般使用を禁じた公用版のほかに、描画を簡略化した民生版が存在したので、チェコにもそれがあって不思議はない。というわけで民間会社が精度の高い公用版を使い、お役所は簡略版を販売している。チェコのミステリーである。これで全土が揃うなら、純粋の官製地図に手を伸ばすきっかけを失うのも致し方ない。

しかしKČT版の難は、国外では販売していないこと。作者が知らないだけかもしれないが、欧米の主な販売業者のカタログで見たことがない。入手したければKČTの代理店になっているチェコのF&B、フライターク・ウント・ベルント Freytag&Berndt へ発注することになる。F&Bはウィーンにある大手書店で、出版部門は観光地図を手広く扱うが、プラハのはその現地法人。ここ何ヶ月かプラハF&BのHPがつながらなかったので、つぶれてしまったのでは、と心配したが、現在はチェコ語でサーバ故障か何かの断り書きがあがっている。手紙で新規の注文をしたら、ちゃんと品物が届いた。健在のようだ。

■参考サイト
KČT - Turistické mapy
http://www.kct.cz/cms/turisticke-mapy
官製地図を求めて-チェコ
http://homepage3.nifty.com/homipage/map/map_czech.html

2006年3月18日 (土)

スロベニア 何度も消える川

blog_sloveniakarst スロベニア共和国は、美しく変化に富んだ国土で中欧のスイスとも称される国。なかでも首都リュブリャーナ Ljubljana からアドリア海岸のイタリア領トリエステ Trieste の間には、石灰岩が水で溶蝕された複雑怪奇な地形が広く横たわる。カルスト地形の名はその一地域の名称クラス Kras(ドイツ語で Karst)から来ている。

リュブリャーナから西へ向かう優等列車に乗ると、最初に停車するのがポストイナ Postojna。ここにはおそらく世界でも類のない、鍾乳洞の中を走るトロッコ列車がある。興味のある方は作者の訪問記(ちょっと古いが)で読んでいただくとして、今日の主題はこの地下洞をうがった川について。

作者の訪問記 http://homepage3.nifty.com/homipage/totsu/slovenija3.html
ポストイナ鍾乳洞(公式サイト) http://www.postojnska-jama.si/

ポストイナ盆地の水を集めたピウカ Pivka 川はこの洞窟に消える。手もとに、現地で入手したスロベニア測地研究所 Geodetski zavod Slovenije 発行の観光地図"Karst of Notranjska"がある。地図は両面刷りで、おもては観光情報が加刷された1:50,000地形図、裏面は1:20,000地形図に鍾乳洞のルートを書き入れたもの。これで見ると、川は線路が敷かれた通路ではなく、別のルートを通って地中深く潜行している。途中で未発見の部分があるが、出口はわかっていて、北東5kmのプラニーナ Planina 村付近にある洞窟が湧出し口。溶蝕盆地プラニーナ・ポリエ Planinsko polje の中をしばらく蛇行したあと、再び地中に潜っていく。この先は地図の範囲外になるが、直線距離で10km北北東のリュブリャーナ盆地で地上に顔を出す。

この地域はさすがに石灰岩地形の本場だけあって、同じように地上から消える川が随所に見られる。さっきのピウカ川はプラニーナに出る前に西から流れてきた川と地中で合流しているのだが、この川はさらにすごい。上流であと2回地上から姿を消している。下流から数えて1回目の地表出現は、ラコウ・シュコツィアン Rakov Škocjan。延長2.5km、洞窟の一部が崩壊してできた「出口のない」渓谷で、天然の橋や泉を巡りながらの静かなハイキングコースだ。2回目はツェルクニカ湖 Cerkniško jezero で、水の消える湖として知られる。冬は湖水が凍ってスケートが楽しめるほどなのに、春になると水が抜け、夏は牧草地になるという不思議な湖。どちらも鉄道駅から遠くなく、クルマを持たない旅行者でもアプローチしやすい。

スロベニアの観光地が360度パノラマでたっぷり見られるサイトを見つけたので、アドレスを記しておこう。 http://www.burger.si/SLOIndex.htm

« 2006年2月 | トップページ | 2006年4月 »

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

BLOG PARTS


無料ブログはココログ